ランフラットタイヤのメリットとデメリット
「ランフラットタイヤ」をご存知でしょうか。
近年、高級車やスポーツカーなどでの採用が増えてきているタイヤですが、どんなタイヤなのでしょうか?
ランフラットタイヤのメリットやデメリットについて解説します。
■ランフラットタイヤとは?

ランフラットタイヤは、タイヤ内部の空気圧がゼロになっても、一定の距離を走行できる構造になっているタイヤのことです。
通常、タイヤの空気が抜けてしまった場合、サイドウォールがつぶれて、バーストなどを引き起こし、事故の原因になります。
そのため、パンクを発見したら、その場でタイヤを交換しなければなりません。
ランフラットタイヤは、内部構造を変えることで、ある程度の距離を走行できるようにしたタイヤで、ISO(国際標準化機構)では、タイヤの空気圧がゼロのときに「速度80km/hで80kmの距離」が走行可能なことと規格が定められています。
実際の走行可能な速度や距離は、タイヤメーカーによって異なりますが、ISO基準と同等かそれ以上の性能で作られていますから、、郊外での走行中にトラブルが起きても、ほとんどの場合近くの修理工場まで自走で向かうことができます。
■ランフラットタイヤの構造は?

現在、多くのメーカーで採用しているのは、タイヤのサイドウォール(側面)の内側を補強し、空気がなくなっても荷重を支えることができる構造です。
他には、中子(なかご)と呼ばれるリング状の部材をタイヤの内部に挿入したものもあります。
ランフラットタイヤを装着した場合、タイヤがつぶれないのでドライバーがパンクに気づきにくくなります。
そのため、車両がパンクを感知するとモニターに警告が表示される、TPMS(タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム)が装着されています。
仕組み上はTPMSがなくてもランフラットタイヤの使用はできますが、TPMSがなければパンクしたことに気づかずに高速で走行してしまう危険性もあるため、基本的にはセットで装着することになっています。
■ランフラットタイヤのメリットとは?

ランフラットタイヤは、走行中にタイヤがバーストして急激にハンドルが取られて操縦不能に陥ってしまったり、急減速による後続車両との接触のリスクを大幅に低減することができます。
特に高速道路を走行中には、安全上のメリットは大きいでしょう。
また、パンクしても走行できるということは、スペアタイヤが不要になるということです。
そのぶんスペースを有効活用することができ、キャビンスペースの拡大による居住性の向上、荷室容量の増加が可能になります。
さらに重量軽減による燃費の向上、スペアタイヤを廃棄せずに済むことによって、環境にも優しいといったメリットにもつながります。
■デメリットは?

ランフラットタイヤにもデメリットはあります。
タイヤが補強されているので、生産コストが上がり、価格が高くなります。これが一番のデメリットでしょう。
またサイドウォールは、乗り心地に影響を与える重要な部分ですが、そこに補強ゴムが入ることで乗り心地が硬くなってしまいます。
さらに、ランフラットタイヤは特殊な構造になるため、修理をする際には特殊な工具と技術が必要になりますので、取り扱いが可能な店舗やガソリンスタンドが限られてしまいます。
これらのデメリットから、ランフラットタイヤが標準装備となっているのは、高級車など一部の車種に限られているのが現状です。
ノーマルのタイヤに交換することはできますが、ランフラットタイヤに合わせてサスペンションやダンパーがチューニングされているので、乗り心地が変わってしまうこともあり、注意が必要です。
またその場合、スペアタイヤが搭載されていないため、パンクの場合の備え(パンク修理キットなど)をしておく必要があります。
■ランフラットを採用するのはどんな車種?

・BMW
BMWは、新車で販売されるほとんどの車種にランフラットタイヤが装着されています(Mモデルには採用されていません)。
ラインアップが多いため、サイズも16インチから21インチまで豊富にあります。

・アルファロメオ
アルファロメオでは、ジュリアとステルヴィオに標準装備となります。

・レクサス
レクサスのスポーツカーである、LC500にも標準装備されています。
ランフラットタイヤには、メリットとデメリットがあり、標準装着が進まないというのが、正直なところです。
しかし、ランフラットタイヤの一番のメリットが万がいちの際の安全性であることを考えると、今後、普及が進むのではないでしょうか。




