実はドイツ語じゃない!?アウディのステーションワゴンはなぜ「アバント」と言うのか?
ステーションワゴンはワゴンやツーリングという名称を用いるメーカーがほとんどです。
しかしアウディはステーションワゴンに、アバントという独自の名称を用いています。
今回はこのアバント、という名称の意味と代表的なモデルを紹介していきます。
■「アバント」という言葉は実はフランス語

ドイツの自動車メーカーであるアウディ、そのアウディが用いている名称というだけあって、「アバント」はドイツ語と思う方が多いかもしれません。
しかしこの言葉、実はフランス語なのです。Avantという言葉はフランス語の前置詞で「前に」という意味を持っています。
ステーションワゴンの名称にこのような意味を持つ言葉を使う理由は、アウディのアバントが一般的にステーションワゴンと言われる単なる荷物運搬用の車両ではないというアウディの意志が込められています。
実際にアウディ公式は、実用性の高いステーションワゴンのボディ形状に、アウディ独自のデザイン哲学と最先端技術を融合させたフォルムもつものをアバントとしています。
他のステーションワゴンよりも先を行く、前を行く、という想いが込められた名称がアバントということでしょう。
■アバントがラインアップされ続けているA4とA6

現在アウディからラインアップされているアバントは大きく分けて2つ、ミドルサイズのA4シリーズと、より上級でアッパーミドルサイズに分類されるA6シリーズになります。
A4は前身モデルとなる1972年登場のアウディ80から数えると、実に50年近くの長い歴史を持っています。
しかしその歴史の中でアバントが登場したのは1992年のこと、アウディ80としては最終モデルとなる4代目で初めてラインアップされました。
以降アバントは人気モデルとなり、1995年登場の初代A4でもアバントは引き継がれました。
そして2016年に現行モデルとなる5代目A4が登場しますが、それまでにA4アバントはアウディ80と合わせてシリーズ累計220万台を生産するロングセラーモデルとなりました。
A6は1968年登場のアウディ100に端を発します。
こちらもA4の前身となるアウディ80と同じく、当初はセダンが中心のラインアップでステーションワゴンボディとなるアバントはラインアップされていませんでした。
アバントがラインアップされるようになったのは、1982年登場の3代目アウディ100からです。
以降今日のA6に至るまでアバントがラインアップされ続けています。
また現代ではA4とA6それぞれのアバントにスポーツモデルであるSシリーズと、さらにその上をゆくレーシーなRSが存在します。
スポーツカー並みのステーションワゴンが存在するのも、アウディアバントらしいポイントとも言えます。
■スポーツモデル「RS」はアバントから

アウディのスポーツカーブランドであるアウディスポーツ、そのアウディスポーツが手がけるモデルたちはRSという名称が与えられます。(専用ボディのスーパースポーツR8を除く)
現在でこそセダンやハッチバックにクーペ、さらにヨーロッパ市場ではSUVにもラインアップされているRSモデルたちですが、その名を初めて冠した市販モデルはアバントでした。
それは1994年に登場したRS2アバントで、A4の前身となるアウディ80をベースとし、ポルシェがチューニングしたスペシャルなモデルでした。
最高出力232kw(315PS)/6,500rpm最大トルク410Nm(41.8kgfm)/3,000rpmというスペックを誇る、アウディ伝統の5気筒エンジンを搭載し、そしてその力をアウディが誇る4輪駆動システム「クアトロ」で路面に伝達。
ハイパワーとクアトロで高い加速性能を実現しつつ、素晴らしいハンドリング性能を確保するというパッケージは今日のRSモデルに通ずるところがあります。
以降A4ベースのRS4に進化していくRS2ですが、こちらも初代はアバントのみのラインアップでした。
またA6ベースのRSモデル、RS6も2代目は当初アバントのみのラインアップだったことを考えると、アウディのスポーツモデルRSの基本はアバントにあることがわかると思います。
今でこそスポーツイメージが色濃くあるアウディですが、そのブランドイメージはアバントRSの成功があったからでしょう。
■「アバント」は先進的なメーカーにとってぴったりの名称
他にはない名称であるアバントを用いているアウディ、それはアウディのこだわりが現れた一つの形とも言えます。
いつの時代も最先端技術の採用に貪欲にチャレンジし、自動車テクノロジーのトレンドをリードしてきた先進的なメーカーアウディにとって、「前へ」という意味があるアバントはまさにぴったりの名称なのでしょう。




