フォルクスワーゲンのコンパクトカー、ポロとUP!の違いはどこ?
いまやすっかりセダンに代わる存在、庶民の足として根付いたハッチバックの市場において長きに渡ってトップをひた走っているメーカーが、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)です。
かつてタイプⅠ(ビートル)というエポックメイキングなクルマを生み出したVWは、ゴルフをはじめ小型車から高級車まで幅広いラインナップを取り揃え、世界中で親しまれているメーカーです。
■ドイツ生まれの国民的ハッチバックとその弟たち

街中で多く見かけるVWといえば、大衆車としてのハッチバックを世界に広く普及させた名車中の名車「ゴルフ」です。
1974年に発売されたゴルフⅠは、全長3,725mm×全幅1,610mm×全高1,410mmのボディサイズで、車重も車重も1tを切る780kgという現代ではAセグメントに位置するコンパクトなクルマでした。
もちろん安全基準の厳格化や各種装備の拡充などで世代を追うごとに大型化していくのはゴルフのみの話ではなく世界中さまざまな車種の傾向ですが、現在のゴルフはCセグメントの中核的な存在として君臨しています。
そのゴルフがかつて担っていたコンパクトさを引き継いだのは、VWのボトムレンジとしてゴルフⅠ登場の一年後に発売されて以来継続して販売されているBセグメント車、ポロです。

国民車として親しまれたビートルの実質的な後継として生まれたポロは初代から一貫してゴルフよりも小さなボディとエンジンを搭載する弟分のようなモデルで、2018年に登場した現行の6代目においてもゴルフよりもひと回り小さい車格を維持し、愛らしいサイズ感と使い勝手の良さで多くの国で人気を維持しています。
このポロが属するBセグメントよりもさらに小型のAセグメントに、新たなボトムラインとしてVWが1998年に送り出したのがルポでした。
発売当時ポロは3代目で、そのポロよりも20cm短い車体を持つルポはその後欧州と中南米でフォックスという後継車に道を譲り、日本においては2006年にカタログから姿を消してしまいます。

しかしその翌年2007年のフランクフルトモーターショーでVWは超小型車のコンセプトカー"concept up!"を発表。
短く切り詰められたボディサイズと愛嬌のある顔付きはルポの後継として相応しい可愛らしさがあり、またその先進的な各部のデザインは大きな話題となりました。
■中古市場で人気の先代(5代目)ポロ

6代目が発売されて4年が経過し、中古車市場において価格がこなれてきた5代目ポロ。
VWがこだわりを持って作ったコンパクトカーは、各部の仕上げも良く耐久性も折り紙付きで、洗練されたデザインもあいまって古さを感じさせない佇まいも人気の秘密です。
ボディサイズは全長3,995mm×全幅1,685mm×全高1,475mmで車格としてはBセグメントに位置し、日本に導入されたエンジンは1.2Lと1.4LのTSI直列4気筒ターボと、特別使用車として導入された1.0L TSI直列3気筒ターボの3タイプ。

特に人気なのは2014年式以降の後期型で、プリクラッシュブレーキのフロントアシストプラスや巻き込み被害軽減システムのマルチ子リジョンブレーキシステムが標準装備となっているほか、燃費性能も向上しています。
■さらに小さいup!

2012年に発売されたup!も、中古市場では人気が続いています。
先述の通りとことんコンパクトなミニマムカーのup!は、高剛性と軽量化を両立した熱間成型鋼板や超高張力鋼板を使用することで車重を900kg台に抑えただけでなく、ユーロNCAPではこのコンパクトさで5つ星という驚異的な安全性評価を受けています。
日本の軽自動車よりもひと回り大きな、全長3,545mm×全幅1,650mm×全高1,495mmというサイズですが、定員は4名なので内部のゆとりはかなりのもの。
最小回転半径も4.6mと優秀で、まさに都市部や駐車場、狭い道での取り回しに苦労のないプロフィールとなっています。
とはいえ低価格を実現するために、3ドアでは後席の窓が開かなかったり、5ドアでもガラス後部がわずかに開くだけだったり、給油口の開閉は鍵が必要だったり、ドアミラーの折りたたみは手動などなど。
……逆に言えばそれくらいしか欠点らしい欠点はありません。

エンジンは1.0L 直列3気筒のみで、レギュラーモデルが最高出力55kW(75PS)/6,200rpm、最大トルク95Nm/3,000~4,300rpm、限定車のGTIは最高出力85kW(116ps)/5,000~5,500rpm、最大トルク200Nm/2,000~3,500rpmをそれぞれ発生。
組み合わせられるトランスミッションは、レギュラーモデルが5AT、GTIは6MTとなっています。
■ポロとup!はどんな人におすすめ?

街乗りや買い物、お子さんの送迎などが主体ならup!。
週末の遠出まで視野に入れるのであればポロがオススメです。
どちらも素晴らしいクルマではあるのですが、やはり距離適性というものはあります。

もちろんup!にも高速道路を過不足なく走る性能はありますし、ポロは狭い道も苦にならないコンパクトさをもっているなど、甲乙つけがたい2台。
価格も手ごろで信頼性も高いVWのコンパクトカーを、この機会にご検討ください。




