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「ハイ!メルセデス!」Aクラスに搭載のMBUXって!?

 

2018年2月にワールドプレミアとなったメルセデスの新型Aクラス。スポーティなスタイリングに目を奪われた方も多いと思いますが、多くの自動車関係者を驚かせたのが、次世代インフォテインメントシステム「MBUX」の存在でした。AIの導入によって、音声での操作が可能になった新型Aクラスについて、詳しく紹介していきましょう。

 

 

 

Aクラスってどんなクルマ?

 

 

メルセデス・ベンツ初のFFモデル、Aクラスは1997年に発表されました。燃料電池を動力源とするべく二層構造のフロアを持つサンドイッチコンセプトで設計されたボディは、ハイトワゴン的なシルエット。このコンセプトは、2代目まで受け継がれました。

 

その後、2012年のジュネーブショーで発表された3代目は、それまでのスタイリングを一新。MFAプラットフォームを採用することで全高も低くめられ、洗練されたスポーティハッチバックに生まれ変わり、メルセデス購入者の平均年齢を引き下げる一因となりました。

 

それを受けた4代目は、先代よりも全長で約120mm、ホイールベースで約30mm延長される一方、車両重量は約70kgの軽量化に成功。フロントマスクはCLSを彷彿とさせるスタイリッシュさで、Cセグメントとは思えない風格を備えていました。

 

 

インテリアでは全モデルに液晶ワイドディスプレイが標準装備され、メルセデスでは初のタッチパネルを搭載。自動で車線変更を行なうアクティブレーンチェンジアシストや、高速道路などの走行時に先行車を認識して、車間距離を調節するアクティブディスタンスアシスト・ディストロニックといった、Sクラス同等の安全運転支援システムが採用されています。

 

 

とはいえ新型Aクラスといえば、なんと言っても「ハイ、メルセデス!」が印象的なMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)でしょう。AIを用いた新世代インフォテインメントシステムは、ユーザーにどんな効果をもたらしてくれるのでしょうか?

 

 

 

MBUXってどんな機能?

 

 

MBUXとは、普通に会話するだけで簡単に使いこなせる自然言語対話型オンライン音声認識のこと。

「ハイ、メルセデス!」で起動し、「ちょっと寒い」「室内をもう少し明るくして」「カフェに行きたい」「駐車場を探して」など、通常の会話のように話しかけるだけで、エアコンのコントロールやインフォテインメント機能が簡単に操作できます。

 

これまでの音声認識と異なるのは、自然言語認識機能の搭載によって、決まった命令、ワード以外でも対応すること。さまざまな機能が、より素早くシンプルに操作できるため、高い安全性も実現しています。

 

またセンターディスプレイのタッチスクリーンとセンターコンソールのタッチパッドでは、指先でセレクト、スワイプ、拡大などが可能となり、まるでスマートフォンを操作するかのような直感的な操作が可能となっています。

そんなMBUXの音声認識機能を利用するためには、事前にいくつかの設定と確認が必要となります。

 

 

 

 

具体的に、なにができるの?

 

Aクラスに搭載されたMBUXでは、ナビゲーション、エアコン、ラジオ、テレビ、電話、SNSメッセージ、天気、車両情報、アンビエントライト、シートヒーター、パノラミックスライディングルーフ、アプリケーションの切り替え、24時間緊急通常サービスへの通報などにまつわる操作が、音声によって可能になっています。

 

たとえば、最寄りのレストランを探しているとき「レストランに行きたい」と話すだけで、近隣の店舗が一覧で表示されたり、「暑いから温度を下げて」と言えば車内温度を調整。ほかにも「ラジオをつけて」「交通情報を聞かせて」「○○さんに電話して」「受信したメッセージを読んで」といった要望に対して、MBUXのAIが操作を行ないます。

 

このAIは学習能力も備えており、ユーザーに合わせて適応。予測機能では、決まった時刻に同じラジオ番組を聞いている場合、その時刻になると自動的に放送局を切り替えたり、よく通行するルートを走行していることを検知すると、そのルートを使う目的地への案内をバックグラウンドで起動。よく訪れる場所を、[おすすめ目的地]として表示するなど行ないます。

 

 

自動車の安全性において、ステアリングから手を離したり、視線が横にそれることはできるだけ避けたいもの。そのため音声による操作は必然でした。

 

また、家電の世界では、スマートスピーカーによる音声アシスタントが普及し、日常生活のデバイスとして定着しつつあります。そのような流れを受け、新型Aクラスに同様の機能が盛り込まれたのも、決して不思議ではありません。

 

この動きは、今後ますます加速し、近い将来、いくつもの自動車メーカーが音声で操作できるデバイスを搭載することになるでしょう。