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なぜBMWには9シリーズが無いのか?

 

BMWには1~8までのシリーズがありますが、9シリーズがないのはどうしてでしょう?また9シリーズが登場する可能性や計画はあるのでしょうか?さらにはどのようなモデルになるのでしょう。

 

そこで今回はその理由や疑問に答えます。

 

 

■現在のラインナップと 数字の意味

 

BMWのモデル名は、1972年発表の5シリーズから原則として3桁の数字であらわされ、3桁の最初の数字は車種区分を表し、奇数はセダン、ステーションワゴン、ハッチバック。偶数はクーペ、カブリオレ、ミニバンとなっています。現行モデルでは1シリーズ、2シリーズ、3シリーズ、4シリーズ、5シリーズ、6シリーズ、7シリーズ、8シリーズとなっており、8シリーズが最上級車種となります。現在の8シリーズにはクーペとカブリオレが設定されています。その他ではX、M、Zという英記号シリーズと別ブランド扱いのEVシリーズのi3,i8があります。

 

 

 

■現在のラインナップ

 

・1シリーズ

 

・2シリーズ クーペ/カブリオレ/アクティブツアラー/グランツアラー

 

・3シリーズ セダン/ツーリング/グランツーリスモ

 

・4シリーズ クーペ/グランクーペ/カブリオレ

 

・5シリーズ  セダン/ツーリング

 

・6シリーズ グランクーペ/グランツーリスモ

 

・7シリーズ

 

・8シリーズ クーペ/カブリオレ

 

 

 

■9シリーズが無い理由

 

過去に「9」を名乗ったBMWとしては、1999年にフランクフルトモーターショーで発表された「Z9コンセプト」があります。その後に登場したZシリーズとは異なり、大型の4シータークーペとなっていて、翌年の2000年パリモーターショーではカブリオレも登場しました。

 

したがってコンセプトカーを除くと8シリーズの上位に来るべき9シリーズは存在していません。BMWは5シリーズを中心に下位シリーズと上位シリーズをラインナップし続けており、特にリーズナブルな1~3シリーズにおいて多くの台数を販売しシェアを伸ばしてきました。クラス上にはメルセデス・ベンツが控えており、互いに住み分けがうまくいっていた時期もありますが、メルセデス・ベンツがCクラス以下に力を入れ始め、BMWも収益率とブランド力の向上を目指して上位機種が登場。聖域はなくなっています。

 

 

■9シリーズ投入の可能性

 

現在の最上級セダンとしては7シリーズがありますが、それ以上のクラスは必要ないほどのスペックと装備、そしてサイズ感を誇っています。メーカー自身も予定はないとしています。これはBMWの傘下にロールスロイスがあることも要因として挙げられますが、ロールスロイスへBMWの上位機種ユーザーが移行するとは思えず、共通プラットフォームによる最上位車種が必要であるとも考えられます。

 

 

■未来の9シリーズはロールスロイスと姉妹モデル?

 

事実、2014年の北京モーターショーにおいて9シリーズが発表されるという報道が出たこともありました。この時は、7シリーズの上に位置するハイエンドサルーンという触れ込みで、新しいロールスロイスファントムとプラットフォームを共用するという報道でした。実際には9シリーズという名称は使われず、「ビジョン・フューチャー・ラグジュアリー」というコンセプトカーとして公開されています。リアドアが、ロールスロイス車のように逆ヒンジで開閉する、いわゆる「観音開き」となっており、乗降性が高められるなど、BMWブランドのモダンラグジュアリーの未来を示唆した1台でした。

 

 

■現実には当分ない

 

このように、もしラグジュアリーセダンとして登場するなら、ロールスロイスをベースとすることが最も理にかなっているように見えます。しかし、際限なく大型化するデメリットも多く、限られた資源を既存車種に集中させる方が無難という意見も分かります。特に電動化や自動操縦といったテクノロジーの開発が急務となっている今、ラインナップの拡充は慎重にならざるを得ません。

 

むしろ、考えられるとすれば、スーパースポーツモデルなどの現在の枠に抑えられない車種ではないでしょうか。EVのiシリーズなら可能性はあるかもしれません。

 

 

単に7シリーズより大きなセダンや、8シリーズより豪華なクーペはユーザーも求めていないはずです。自動車が誕生してから最大の、100年に一度という変革期に登場するフラッグシップとなれば、完全なEV化と自動操縦は必須条件で、それによる安全機能が格段に進歩していなければ意味がないでしょう。はたしてBMWはどう考えているのか、答えは意外と早く出るかもしれません。