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シボレーブランド生誕100周年記念限定車モデル、コルベット グランスポーツ クーぺとは?

シボレー誕生100周年を記念したアニバーサリーモデルが、この2012モデルのシボレーコルベット グランスポーツ クーペ限定車です。伝統のV8エンジンFRを守るアメリカンスポーツカーの代表がシボレーコルベット。精悍なスタイリング、豪快なV8サウンドと走りが魅力ですが、意外な乗りやすさも備えています。

 

 

■アメリカンV8+FRの迫力を堪能できる限定車


 

 

シボレーは1911年11月3に誕生したブランドです。実はGM(ジェネラルモータース・1908年設立)の創業者の1人が独立して始めた会社で、社名は当時エーステスト/レーシングドライバーで、スイス出身のルイ・シボレーに由来します。Chevroletはフランス語で、発音はシャボレに近い感じです。

 

アメリカ人にとっては発音しにくいので、愛称をChevy:シェビーにしてしまっています。そして紆余曲折あって現在はGMのブランドのひとつになっています。

 

シボレーコルベットが発売されたのは1954年です。そしてシボレーコルベットスティングレイを1963年に発売。それまでのアメ車にはないエッジの効いたボディとリトラクタブルヘッドライトは、以後長らくシボレーコルベットのアイコンとなっていました。

 

そのリトラクタブルヘッドライトを安全上の問題から廃止したのが2008年型で、このモデルが今回の紹介する2012年型のベースです。

 

そして近年はルマン24時間レースなどのスポーツカーカテゴリーで活躍しています。 また、シボレーコルベット・グランスポーツというネーミングは、スポーツカーレース参戦を目的に1963年に5台だけ製造された特別なコルベット・プロトタイプに与えられた名称に由来します。

 

結局ファクトリー参戦はできませんでしたが、5台のオリジナルグランスポーツは、コルベットの歴史の中でも特別なモデルとしてファンには知られています。

 

 

■コルベットは意外に大きくなく、重くもない


 

 

アメ車というとフロントのV8エンジンをリアドライブし、大きく重いというイメージを多くの方が抱いているでしょう。でも、このグランスポーツの車重は1,520kg。2t近くあるようなイメージですが。 実はシボレーコルべットは初代からボディの一部にFRPパネルを用いるなど軽量化を推し進めてきた歴史があるんです。

 

同じ2012年型でビッグブロック7.0Lエンジンを搭載する最強モデルZ06に至っては1,440㎏しかありません。 フロアパネルにはコンポジット材を使用して軽量化を図っています。

 

グランスポーツのボディサイズは全長4,465mm×全幅1,935mm×全高1,250mm。

 

車幅はやはりあるのですが、そんなに長いクルマではありません。車体はモノコックではなく、シボレーコルベット伝統のペリメーターフレームです。メインフレームは2本の鋼管から形成され、ボディと合体。

 

GMが開発した高圧流体プレス加工で成型され、高剛性で軽量なことがメリットです。さらにドライブトレーン(FRなのでセンターに長いプロペラシャフトがあります)もフラットに配置でき、室内空間を広く取れるのも特徴です。もちろんシボレーコルベットなので乗車定員は2名です。

 

 

■V8スモールブロック6.2Lは436PS


 

 

フロントに搭載されたエンジンは水冷6.2L V型8気筒OHV2バルブ、ボアストロークφ103.2mm×92.0mm。これだけ排気量があってもアメリカンV8の世界ではスモールブロックと呼ばれます。

 

正確には単に排気量の大きさではなく、ボアピッチ(シリンダーピッチ:気筒間隔)が4.4インチのものをスモール・ブロック、4.8インチのものをビッグ・ブロックといいます。ちなみにZ06は6,997ccのスモールブロックです。

 

6.2L エンジンは最高出436PS(321kW)/5,900rpm、最大トルク575Nm(58.6kgm)/4,600rpmとさすがに大排気量V8、ハイパワーでビッグトルク。数値より体感加速と音が相当上回ります。

 

ミッションは6速ATで、パドルシフトも装備。リミテッドスリップデフ(LSD)は標準装備です。これはFRで大トルクなので必須の装備です。燃料供給はさすがに現代車なので電子制御式燃料噴射です(シボレーではSFIと呼んでいます)。

 

 

■フロントが長く低く、ワイドなスタイリング


 

 

スタイリングはリトラクタブルヘッドライトではなくなったので、低いノーズ両側のヘッドライトが目立ちます。ヘッドライトは高寿命キセノン(ハロゲンの数倍の明るさです)。

 

ボンネットが低いのはOHVエンジンならではです(OHVはエンジン高が低くなるのも特徴です)。でも、シボレーコルベットのアイデンティティであるリア丸型テールライトは健在(片側2灯計4灯)。全体は前作よりも滑らかさがあるスタリングです。

 

この限定車のカラーリングは精悍なカーボンフラッシュメタリックです。 サスペンションは前後ダブルウィッシュボーンで、トレッドを拡大した専用スポーティ仕様です。前後のフェンダーは、強力なグリップを発揮する前18インチ/後19インチタイヤ(前P275/35ZR18、後P325/30ZR19)をカバーするために大きく張り出し、全幅は従来モデルよりも75mm幅広です。

 

ブレーキは前φ355mmベンチレ―テッドディスク+6ピストンキャリパー、後φ340mmベンチレーテッドディスク+4ピストンキャリパーと強化されています(ABS装備)。シートは100周年のロゴ入りで、表革とスエードのコンビ+レッドステッチ。

 

サウンドシステムはBOSEとこれもゴージャスです。 とにかくV8のパワーを生かしたアメリカンスポーツカーの醍醐味を十二分に味わえるクルマです。ブランド100周年記念モデルという希少車でもあります。

 

2019年途中から発売されて最新モデル(2020モデル)はフロントエンジンではなく、ミッドシップマウントになったので、V8をFRで乗りたいなら2019モデルまで。この伝統的なレイアウトとエンジンは一度は味わっておきたいものです。