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ポルシェを救ったSUV?カイエンの誕生から現在まで軌跡を辿ります

 

911に代表されるようにスポーツイメージの強いポルシェですが、いまやカイエンやマカンといったSUVが販売の3分の2を占めるなど、メルセデスやBMWとならぶ高級ブランドのひとつとなっています。

 

一時は、存亡の危機とまで言われたポルシェを救ったSUV。

 

それらが誕生するにいたった背景には、どんなことがあったのでしょうか?

 

 

■ポルシェがSUVを始めた



 

 

自動車技術者であったフェルディナント・ポルシェ博士によって1931年に設立されたポルシェは、自動車の設計やエンジニアリング事業を手掛けてきたメーカーです。

 

特に1964年に販売が開始された911シリーズは、空冷エンジンをRR(リアエンジン・リアドライブ)方式で搭載するスポーツカーで、1980年代ごろまではおもな販売市場である米国を中心に好調なセールスを記録してきました。

 

ところが生活スタイルが多様化し、クルマにレジャー要素や実用性が求められるようになると、911を主力車種に据えるポルシェは売り上げに苦戦するようになります。

 

1990年代初頭には経営不振がささやかれ、新たなヒットモデルの誕生が切実に必要とされるようになりました。

 

そこで当時人気になりつつあった高級SUV市場への参入を画策したポルシェは、フォルクスワーゲンと共同でシャシーを開発し、2002年にポルシェ初のクロスオーバーSUVとして、カイエンを誕生させたのです。

 

このカイエンをポルシェは、「新しい形のスポーツカー」と定義しています。

 

これは他のSUVやスポーツカーと差別化を図り、高級自動車メーカー、ポルシェのブランドイメージを持続させるためでした。

 

こうしてデビューしたカイエンは見事に成功を収め、一躍ポルシェのイメージリーダーへと成長しました。

 

 

■トゥアレグと部品を共有する



 

 

カイエンは、同時期に発売されたフォルクスワーゲン トゥアレグとプラットホームを共有していますが、エンジンや足回り、内装などあらゆるところが異なっています。

 

エクステリア(外装)は、ひと目でポルシェと分かるヘッドライトに、フェンダーのボリューム感、堂々とした力強いスタイリングの融合が特徴。

 

インテリア(内装)は、豪華かつスポーティなデザインとなっています。 特筆すべきはエンジンと運動性能です。

 

デビュー時に設定されたのは、4.5L V8エンジンを搭載したカイエンSと、同エンジンをターボ化したカイエン・ターボで、特にターボモデルは331kW(450PS)の最高出力を発生し、車両重量が約2.5トンのヘビー級であるにもかかわらず、0-100km/h加速はおよそ5.6秒と、ポルシェの名に恥じない、かつSUVとは思えないほどの運動性能を誇り、話題となりました。

 

デビュー翌年の2003年にはV6モデルも追加されましたが、これはトゥアレグに搭載されていた3.2L V6エンジンのブロックのみを共有し、その他の部分はポルシェが設計することで出力の異なるユニットに仕上げ、カイエンに搭載したものです。

 

カイエンはこれだけの高性能パワートレーンを搭載したモデルであるにもかかわらず、SUVとして十分なオフロード性能もあり、実用性とパフォーマンス両面でトップクラスの実力を発揮していました。

 

 

■現在のカイエンは?



 

 

2018年11月から国内デリバリーが開始された3代目は、SUVのフラッグシップモデルにふさわしい最新の技術とデザイン要素がぎっしり詰まっています。

 

エクステリアは、911のデザインテイストが反映されたもの。

 

フロントは、パワードームを持つ長めのボンネットフードと、3ピース構造のエアインテークが印象的で、カイエンのアイデンティティを継承しながらも一層洗練された印象があります。

 

インテリアは直線を基調としたダッシュボードに、タッチ式スイッチの配置されたガラスルックディスプレイが中央に配置されたパネル、中央にせり上がっていくように角度がつけられたセンターコンソールなど、航空機のコックピットのような、機能美と先進性が感じられる雰囲気に仕上がっています。

 

また、シート表皮やドアトリム、アシストグリップは豪華で質感の高い素材が使用されています。

 

ボディサイズは全長4,926mm×全幅1,983mm×全高1,673mm、ホイールベースは2,895mm、最低地上高は190mm(エアサス標準レベル)、タイヤサイズはフロントが285/40ZR 21、リアが315/35ZR 21、車両重量は2,490kg。サスペンションはフロント、リア共にアルミニウム製マルチリンクとなります。

 

パワートレインは、3.0L V6ターボ、2.9L V6ツインターボ、4.0L V8ツインターボの3種類で、駆動方式はAWD(全輪駆動)、トランスミッションは8速ティプトロニックSとなっています。

 

また最新のカイエンには、プラグインハイブリッドモデル、カイエン Eハイブリッドと、カイエン ターボS Eハイブリッドが用意されています。

 

上位機種となるターボS Eハイブリッドには、4.0L V8ターボエンジン(最高出力404kW(550PS)/5,750〜6,000rpm、最大トルク770Nm(78.5kgm)/1,960〜4,500rpm)が搭載され、モーターと合わせた総合出力は500kW(680PS)の最高出力と、900Nmmの最大トルクを発生。

 

スポーツクロノパッケージ装着車では、0-100km/h加速3.9秒、最高時速295km/hという、驚異的なパフォーマンスを発揮します。

 

ポルシェ初のクロスオーバーSUV、カイエンは大ヒットを記録し、現在のポルシェの繁栄の足がかりとなったほか、自動車界にはプレミアムスポーツSUVという新たな市場を切り拓くきっかけにもなったように、非常に大きな足跡を残しました。

 

 

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