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今でも語り継がれる名車を手がけたカーデザイナーの代表的な存在3選

1889年に世界で初めてガソリンエンジンが発明されてから、これまでに数多くの名車と呼ばれる自動車が作られてきました。それらの名車を手がけたカーデザイナーの中から、特に有名な3つのデザイナーおよびデザイン集団をご紹介していきましょう。

 

 

■カロッツェリアとは?


ときに名車を語るときに使われる「カロッツェリア」という言葉。クルマ好きならいちどは耳にしたことのある言葉の意味をご存じない方も多いかもしれません。カロッツェリアとはイタリア語で「馬車工房」を意味する言葉で、自動車の車体をデザインおよび製造する集団のことをあらわしています。

 

自動車産業の黎明期ではエンジンやシャシーを自動車メーカーが製造し、その上からボディを架装する工程をカロッツェリアが担っていました。スタイリングやデザイン、パッケージングに直結するためカロッツェリアの手腕は非常に重要で、自動車の売れ行きにも大きく左右する重要な役割となっていたのがカロッツェリアだったのです。

 

のちに自動車メーカーがボディの製造を含めた量産体制を導入すると、カロッツェリアは車両のデザインのみを担当するようになります。また自動車ショーで出展されるコンセプトカーなどもカロッツェリアが手がけるようになりました。

 

しかし現在は自動車メーカーが自社デザイナー制を導入することが多く、カロッツェリアの需要は減少する一方ですが、一部のカロッツェリアはインダストリアルデザインなど自動車メーカー以外で活躍するなど、多方面でその手腕を奮っています。

 

カロッツェリアはその美意識の高さと斬新なアイディアからイタリアで数多く誕生し、これまでに数多くの名車を輩出してきました。

 

 

 

■ピニンファリーナ


1930年にバッティスタ・ピニン・ファリーナがイタリア・トリノで創業した名門中の名門カロッツェリアがピニンファリーナです。イタリアで最も有名なカロッツェリアであり、フェラーリの多くのモデルのデザインを数多く手がけてきたことでも知られています。

 

・F40、F50などのデザインを手がける

ピニンファリーナの手がけたモデルを列挙するだけでも膨大な数になるほどですが、その中でも特に有名なのが、フェラーリ社の創業40周年を記念して製作されたF40です。ロードゴーイングレーサーとして名高いF40は、巨大なリアウイングと全幅1,970mmというワイドなボディ幅、どこから見てもひと目で特別なフェラーリということが分かるデザインが大きな特徴になっています。

 

さらに1995年に発売されたF50、2002年に創業者の名前を冠したエンツォ・フェラーリといったスペチアーレもすべてピニンファリーナが手がけています。これらのアニバーサリーモデルだけでなく、348以降のピッコロフェラーリ( V8モデル)も軒並みピニンファリーナが担当。

 

こうしてみるとフェラーリ専属のカロッツェリアのように思えるかもしれませんが、スーパーカー以外の実用車も数多く手がけているのがピニンファリーナの懐の深さで、プジョー205や405といった実用車も数多く手がけています。中でも1996年に発売されたプジョー406クーペは、世界で最も美しいクーペとして今もなお語り継がれています。

 

 

 

 

■ガンディーニ


イタリアを代表するデザイナーのマルチェロ・ガンディーニといえば、あのランボルギーニ・カウンタックを生み出した人物としてあまりにも有名です。もともとはフリーランスとして活躍していた後、1960年代にベルトーネに招へいされてチーフデザイナーになると、たちまちその才能が開花します。

 

・ランボルギーニ・ミウラやカウンタックなどで世界を驚かす

1966年にはランボルギーニ・ミウラを生み出し世間の耳目を集めると、今度は1974年にカウンタックを発表し世界中を驚かせます。くさび型と呼ばれるウェッジシェイプ型のデザイン、垂直に開閉するサイドドアなど、あらゆる点においてこれまでの自動車デザインを凌駕したデザインこそガンディーニならではといえるでしょう。またカウンタックとほぼ同時期にベルトーネが発表したランチア・ストラトスも、ガンディーニが担当しています。

 

WRCで優勝することを目的としたこのホモロゲーションカーは、スタイリングの面でも独創的でプロドライバーでさえ乗りこなすのが難しいといわれるパッケージングとなっていました。ガンディーニは1970年代にベルトーネから発表された多くのモデル(コンセプトカー含む)を担当した後、ベルトーネを退社。以降ルノーと契約をして、ルノー5や25、アルピーヌV6ターボなどの内外装を手がけています。

 

さらに1991年のトリノショーで発表されたデ・トマソ・パンテーラの最終モデルは、ガンディーニが手がけたことから別名「ガンディーニ・パンテーラ」とも呼ばれています。

 

 

 

■ジウジアーロ


 

イタルデザインの創設者として知られるジョルジョット・ジウジアーロ。直線とエッジを効かせたデザインで知られる、イタリアを代表する名デザイナーのひとりです。もともとはフィアットのデザイン部門で働いていた後ベルトーネに移籍しチーフデザイナーとして活躍。

 

その後ベルトーネを去ると(後任となるのがガンディーニ)、今度はカロッツェリア・ギアのチーフデザイナーに就任します。ギア在籍時には日本が誇る名車、いすゞ117クーペのデザインを担当し、その後1968年には新カロッツェリアとなるイタルデザインを創設。1981年には自動車分野以外のデザインを手掛けるジウジアーロデザインを立ち上げ、自動車業界以外でも注目を集めました。

 

 

・フォルクスワーゲン・ゴルフを生み出す

ベルトーネ、ギア、イタルデザインと多くの自動車カロッツェリアで辣腕をふるい、多くの名車を生み出してきたジウジアーロですが、その中でもジウジアーロの名前を世界的に広めたのがあのフォルクスワーゲン・ゴルフです。

 

この小さな傑作ハッチバック車は、ビートルに続きフォルクスワーゲンの屋台骨を支える主力モデルとして現代まで受け継がれています。 エンジンを横置きに搭載し、コンパクトでありながらも優れた居住性を実現した初代ゴルフは、そのデザインおよびパッケージングをジウジアーロが担当。

 

また初代ゴルフと同時期に発売されたフォルクスワーゲン・パサートもジウジアーロが担当しています。コンパクトなボディに高い居住空間を備えたモデルを得意としたジウジアーロはのちに初代フィアット・パンダも担当することになります。その一方でスポーツカーも数多く手がけており、マセラティ・ボーラやマセラティ・メラク、ロータス・エスプリなども手がけています。 自動車に個性を与える重要なポジションを担うカロッツェリア。

 

基本コンポーネントにくわえてパッケージングやスタイリングで独創性と実用性を付与するカロッツェリアの良し悪しが、時にその自動車の命運を握ることにもなります。これまでにないアイディアやデザインを実現した名カロッツェリアの手がけた名車は、今もなお多くのクルマ好きを魅了し続けています。