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4WDは戦争と共に進化した?進化の歴史に寄与したクルマを紹介します

4WDという駆動方式は、現在でこそ乗用車から商用車、スーパーカーにいたるまで、あらゆる車種に採用されるメジャーな駆動方式ですが、その発展の歴史には軍用車両が深く関わっていました。

 

今回は四輪駆動車の歴史や発展に寄与したクルマを取り上げ、解説します。

 

 

■4WDはどんな進化を辿ってきた?


 

 

四輪駆動技術の歴史は古く、1805年までさかのぼることができます。

 

アメリカで発案されたといわれる世界初の四輪駆動は、完成した船を陸上輸送するため、船底に取り付けた4つの車輪にベルトをかけて、船の蒸気機関で駆動したものでした。

 

その後、戦時中に機動力が求められる輸送トラックや、高機動車のために全輪駆動機構を開発・採用し、軍事用途として使われるようになりました。

 

その蕾は第2次世界大戦中、アメリカ軍のために開発されたジープで花開き、ジープをお手本とした民生用の4WDモデルが、戦後さまざまな自動車メーカーから次々と誕生します。

 

この時期、日本でもジープのノックダウン生産や、ランドクルーザーという本格的なクロカン4WDが作られるようになりました。

 

戦後復興を経て経済成長期になると、生活レベルの向上、道路や輸送インフラの整備が進み、オフロードをメインとするモデルであっても、機動力のみならず、オンロードでの快適性やパッケージングに優れたクルマが求められるようになりました。

 

そのため、本格的な4WDにも屋根付きのワゴンボディが登場するようになり、現在のSUVへの流れが現れます。

 

その潮流は、レンジローバーやメルセデス・ベンツ ゲレンデヴァーゲンといった高級SUVの誕生にも影響をおよぼします。

 

その後レジャーの多様化が進むと、4WDモデルは趣味の幅を広げるRV(レクリエーショナル・ヴィークル)へと進化を遂げ、1980年代にはアウトドアブームを加速させる一番の立役者となりました。

 

いっぽうでラリーシーンを4WDが席巻するようになり、”速く走る”ための4WDも注目を集めるようになります。

 

近年は、ハイブリッド、スーパーカー、ハイパワーモデルの登場により、4WD技術はオンロードでの走行安定性のため飛躍的な進化を遂げています。

 

現在人気絶頂のSUVに採用される4WDも、悪路走破性を高めるためにはもちろんのこと、重心が高くて不利になりがちなモデルでもハンドリング性能を高め、快適で安全な走りを楽しむための装備となっています。

 

 

■ウィリス ジープ


 

 

1940年に米国陸軍が「軽量偵察車」の受注入札を要請。

 

1941年から生産・実戦投入されたモデルが、ジープの元祖、ウィリスでした。

 

ウィリス ジープは、陸軍兵の頼もしいパートナーとなりました。

 

砂漠の長距離やパトロール、除雪、電話線敷設、運搬車両、消防ポンプ車、戦地での救急車、トラクターなどその使い道は幅広く、しかもホイールを付け替えれば、線路を走ることもできたのです。

 

堅牢なラダーフレームにリーフリジッドサスペンション、台形ホイールアーチにシンプルなオープンボディというエクステリアは、機能優先の不格好なものではなく、ほどよい道具感や愛嬌さえ感じられる魅力的なデザインです。

 

ジープブランドの歴史はいまでも続いており、その堅牢性・耐久性がジープのアイデンティティのひとつとなっています。

 

 

■メルセデス・ベンツ Gクラス


 

 

1979年の登場以来ほとんど変わらないエクステリア(外装)と豪華なインテリア(内装)、ラダーフレーム採用による本格的な悪路走破性で、世界中のオフロードファンやセレブを魅了してきたメルセデス・ベンツ Gクラス。

 

そのベースとなったのは、NATO軍向けに作られた軍用車両ゲレンデヴァーゲンでした。

 

タフでワイルド、ストイックなデザインは軍用車両の特徴を色濃く残しています。

 

2018年に新型へとモデルチェンジしましたが、エクステリアがほとんど変わらなかったのは、そのスタイリングが多くのファンに支持されていたからでしょう。

 

 

■ハマー(ハンヴィー)


 

 

米国の映画俳優、アーノルド・シュワルツェネッガーが、米国軍用車両ハンヴィーの市販化を熱望したことをきっかけに、1992年に販売されたのがハマー H1です。

 

民生化されたとはいえ、ハンヴィーはもともと軍用車両ですから、その仕様はタフで、エクステリアも相当迫力があります。

 

インテリアはさすがに軍用車両のように金属むきだしそのままというわけにはいきませんから、ドアトリムやダッシュボード、シートなどが乗用車的になり、同時にエアコンやオーディオ、収納スペースなど、便利な装備も追加されていました。

 

H1の人気を受けて、その後H2、H3というモデルが誕生しましたが、これらはもともと販売されていたSUVをベースに作られているため、軍用車両との関連性はありません。

 

しかしラグジュアリーSUVの人気を押し上げたモデルであり、タフなアメリカン4WDの魅力を日本に広げたクルマでした。

 

もともと機動力を高めるために採用された四輪駆動技術でしたが、現在ではもっと進化した4WDによって安全で快適な走りを楽しむことができます。

 

今後、どのように4WD技術が進歩して行くのか、楽しみですね。

 

 

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