500と異なる点はどこにある?フィアット500X徹底解説
自動車市場の世界的トレンドと言えるSUV。
今までSUVを作ってこなかったブランドも続々とSUV市場に参入してきています。
イタリアのフィアットもそんなブランドの一つ。
今回はフィアットのコンパクトSUV、500Xについて紹介していきます。
■フィアット初のコンパクトSUV
イタリアの国民車である500を製造しているフィアットは、イタリアを代表する小型車ブランドと言えます。
そんなフィアットがコンパクトSUVである500Xを公開したのは2014年10月のパリサロンでのことでした。
フィアット初のコンパクトSUVとして発表された500Xは、2015年始めにはヨーロッパ市場での販売を開始。
日本市場では同年9月に販売を開始しました。
■ジープレネゲードとメカニズムを共有
フィアットブランドを代表する小型車500とモデル名の一部を共有しているだけあって、丸目のヘッドライトやグリル、テールランプなどデザインは500の雰囲気を色濃く残しています。
しかしながらメカニズムは500のアップグレード版という訳ではありません。
しっかりとSUVの名に恥じないメカニズムを採用しているのが特徴です。
トップグレードはフィアットブランド発の4WDシステムと9速オートマチックを採用。
高いオフロード走破製と、なめらかなオンロードでの走りを両立します。
それに組み合わされる日本仕様の搭載エンジンは、500とは異なる1.4L 4気筒ターボエンジンが採用されており、2019年の改良で1.3L 4気筒ターボエンジンと6速デュアルクラッチトランスミッションへと変更を受けました。
(この改良で4WDグレードはラインアップから外れました)
ここまでのメカニズムの説明を聞くと、500とは別物と感じる人が大半でしょう。
それは間違いではありません。
この500Xと関係性が近いのは500よりも、ジープレネゲードの方です。
採用メカニズムを聞いてピンとくる人もいるかもしれませんが、基本的なメカニズムはレネゲードと共通です。
なお、どちらのモデルもイタリアの工場で生産されています。
フィアットクライスラー社が展開している別ブランドである、ジープブランドから販売されているレネゲードは、ブランドの中でも最もコンパクトなSUVです。
しかしながらSUVのパイオニアであるジープの名に恥じないオフロード性能を誇ります。
そんなレネゲードと基本的なメカニズムを共通している500Xは、高いオフロード性能を持っていると言えるでしょう。
■500とボディサイズを比べると
コンパクトSUVにジャンルに分類される500Xですが、そのボディサイズは500と比べるとかなり大きくなっています。
全長4,280mm、全幅1,795mm、全高1,610mmとなっていて、全長で710mm、全幅で170mm、全高で95mm大きいそのボディサイズは、はっきり言って別物と言えるでしょう。
このようにボディサイズが拡大した理由は、SUVとして商品価値をつけるために4ドアとして利便性を向上させたほか、レネゲードとメカニズムを共有することにより、オフロード性能を高めたからでしょう。
また、レネゲードとボディサイズを比較すると500Xの方が全長で25mm大きく、全幅で10mm、全高で115mmレネゲードの方が大きくなっています。
■中古で買うなら
500Xを中古で狙うなら年式よりも走行距離を重視した方がいいでしょう。
2015年の初期モデルでしたら、走行距離が多くても少なくても価格差があまりないので、距離が少ない個体を狙った方が、お買い得感があります。
なお、2020年現在4WDグレードは中古車でしか狙うことができません。
4WDグレードを狙う場合も走行距離は少なめの方がお買い得です。
なお、4WDグレードは前輪駆動グレードに比べ個体数が激減します。
好条件の個体があったらすぐに問い合わせた方がいいでしょう。
なお、4WDグレードの場合は価格が急激に上がるということはありませんが、2015年から2016年といった初期型よりの個体がほとんどになってきます。
■他とは違うキュートさもあるSUV
フィアットブランドの顔である500と似通ったデザインでありながら、中身は全くの別物と言える500X。
拡大する近年のSUV需要に合わせた結果から誕生したとも言えるモデルですが、中身を大きく変え、ボディサイズが大きくなっても500の面影を強く残すデザイン処理は素晴らしいと言えます。
だからこそSUVでありながら、アクが強くなく、いい意味でSUVらしくなくプレーンでキュートなモデルに仕上がっているのです。
他とは違うSUVが欲しいという人にオススメのモデルと言えるでしょう。
気になった方は是非一度実車をチェックしてみてはいかがでしょうか?