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ポルシェ 911につけられる「カレラ」はどんな意味?

 

世界を代表するスポーツカーブランドであるポルシェ。

 

そのポルシェのフラッグシップモデルとして50年以上販売され続けているのが911です。

 

その911のラインアップを見ると「カレラ」という名が付けられたグレードが多く存在することに気がつくと思います。

 

一体このカレラはどんな意味があるのでしょうか?

 

 

■カレラという名前は公道レースが由来


 

 

ポルシェといえば、ドイツに本拠地を構えるスポーツカーブランドであり、そのフラッグシップモデル911はスポーツカーのお手本と評されることが多いです。

 

そう聞くとカレラという名称はドイツ語かと思いがちですが、実はスペイン語なのです。

 

カレラはスペイン語で競争、つまりレースを表す言葉となっています。

 

世界を代表するスポーツカーである911にぴったりの名称と言えるでしょう。

 

しかし、911にカレラが用いられるようになったのは、1950年代前半にメキシコで行われていた「カレラ・パナメリカーナ・メヒコ」という公道レースの名前から由来しています。

 

ポルシェはこのレースに550というレースモデルで出場。

 

総合優勝こそ叶いませんでしたが、クラス優勝を果たしました。

 

この活躍から、ポルシェ911にカレラという名前が与えられるようになりました。

 

 

■911で初めてのカレラは「911カレラRS2.7」


 

 

今でこそターボやGT3、GT2といったいわゆるスペシャルな役付きモデルを除き、911のカタログモデル大半に用いられている名称であるカレラ。

 

しかし、最初からこうであった訳ではありません。 カレラという響きが911に初めて与えられたのは1973年のことでした。

 

当時ポルシェはグループ4規定のレースに参戦するホモロゲーションを獲得するために、特別なチューンアップをした限定モデルを登場させます。

 

それが911カレラRS2.7です。日本では「ナナサンカレラ」の相性で知られるモデルですが、154KW(210PS)という当時では圧倒的な最高出力へのパワーアップと、軽量化が施され、パフォーマンス向上のための妥協を許さなかったこのモデルは、レースを意味するカレラが名付けられるのにふさわしいモデルでした。

 

なお、911の前身モデルであり、ポルシェ初量産モデルである356でもカレラという名称は使われました。

 

こちらも911同様にスペシャルなエンジンを搭載した、高性能グレードのみが名乗るのを許されていました。

 

 

■かつての911カレラRS2.7を超えて


 

 

その後もポルシェは、チューンアップした上級グレードの911にカレラの名称を度々用いていました。

 

そんなカレラという名称が現代のように当たり前に911に付けられるようになったのは、1984年の改良からです。

 

この改良で排気量が3.0Lから3.2Lへと拡大された911は、かつてのカレラRS2.7を超える165kW(225PS)(販売国によって異なる)という最高出力を得たことからカレラという名称が復活することとなりました。

 

以降ベーシックグレードの911にはカレラという名称が用いられることとなり、現代まで続いています。

 

ちなみに余談ではありますが、1978年から1983年までの911はSCという名称が与えられており、これはスーパーカレラ(Super Carrera)の略称とされています。

 

 

■カレラは911にのみ許された名前


 

 

今も昔もポルシェのイメージを牽引するモデルといえば911であることには間違いないですが、現代のポルシェブランドの経営を支えているのはカイエンやマカンといったSUVたちです。

 

またサルーンのパナメーラや、911よりも手が届きやすいエントリースポーツカーであるボクスターやケイマンなど数々の魅力的なモデルがラインアップされています。

 

しかしながらカレラというグレード名はSUVやサルーンはもちろん、スポーツカーであるボクスターやケイマンにも用いられていません。

 

カレラを名乗っているのは911のみです。

 

後から登場したボクスターやケイマンといったスポーツカーの方が優れているという声もありますが、ポルシェは決してそのヒエラルキーを崩さず、常に911を上位モデルとして位置付けています。

 

このヒエラルキーを崩さないために、そしてポルシェの歴史の中でも特別なモデルの1つである、911カレラRS2.7に敬意を表した結果が、911のみがカレラを名乗っていい理由なのではないでしょうか?

 

 

■クルマ好きの心をくすぐるカレラ


 

 

スポーツカーの基準として話題に上がることも多い911カレラ、クルマ好きの中には「いつかはクラウン」ならぬ「いつかはカレラ」という思いを抱いている方も多いのではないでしょうか?

 

不利と言われ続けながら、水平対向6気筒エンジンにRRという独特のパッケージングを50年以上貫き通し、それでいてスポーツカーとして第1級の性能を保ち続けている唯一無二のモデル。

 

そして公道レース由来の名前…911カレラにはクルマ好きの、走り好きの心をくすぐるポイントが、そのスペックや走り以外にも数多くあるのです。

 

 

 

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