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現代のポルシェの救世主となったボクスターの歴史

 

ポルシェのスポーツカーと言えば、今も昔もRRの911が基本で、かつては911以外のモデルが販売的な面で成功を収めることは困難でした。

 

ところが1996年に登場したボクスターは、デビュー直後からヒットを飛ばし、いまやポルシェの屋台骨を支える1台になっています。

 

どうしてボクスターは、成功作となったのでしょうか?その歴史を振り返ってみましょう。

 

 

■ポルシェが背水の陣で送り出したモデル「ボクスター」


 

 

ボクスターがデビューしたのは1996年のこと、当時のポルシェは経営危機に瀕していました。

 

おもな理由は、北米市場での販売不振と、生産に対する高コスト体質と言われます。

 

特に、911の最大マーケットだった北米市場での販売不振は、ポルシェの経営を圧迫していました。

 

それまでポルシェは、911に変わるフラッグシップとしての928や、エントリーモデルとしての924などを企画、販売しますが、いずれも成功とはほど遠く、屋台骨を支えるまでに成功することはありませんでした。

 

また911の空冷フラット6も限界に達しており、メーカー全体で大きな変革が求められていました。

 

そこで企画されたモデルが、低価格のボクスターでした。

 

 

■今までで最も911に近くなった弟分986型


 

ボクスターは、FRレイアウトを採用した968の後継モデルでしたが、ミドシップレイアウトに水冷の水平対向6気筒エンジン、かつてのレーシングカーを彷彿とさせるオープンボディ、翌年にデビューする初の水冷エンジンを積んだタイプ996型911と同じ意匠のヘッドランプなど、それまでの廉価版ポルシェとは、ひと味もふた味も違ったモデルでした。

 

水平対向(ボクサーエンジン)とオープンボディを指すロードスターの造語から生まれたボクスターは、当初、2.5Lの水平対向6気筒のみのラインアップでしたが、好調な売り上げを記録しポルシェを経営危機から救うきっかけになりました。

 

その後、2000年には排気量を2.7Lに拡大するとともに、3.2Lエンジンを搭載した上級モデルのボクスター Sが登場、2004年まで販売されました。

 

 

■正常進化を遂げた2代目987型


 

 

2004年に2代目へと進化したボクスターは、初代ボクスターと同様に、997型911と部品を共有していました。

 

997の受注が始まったのが2004年夏で、2代目ボクスターのが2004年末(日本市場)なので、兄貴分911のフルモデルチェンジに合わせたタイミングとも言えるでしょう。

 

また2005年には、ボクスターのクーペ版であるケイマンも登場しました。

 

エンジン排気量はそのままに、ノーマルが228PSから240PSへ、Sは260PSから280PSへ、それぞれ最高出力が高められるとともに、ボディ剛性の向上、足まわりの見直しが行われました。

 

その後、エンジンのパワーアップ、ATがティプトロニックからデュアルクラッチのPDKへ変更されるなど、メカニズム面を中心とした進化を続け、2012年に3代目へとバトンタッチします。

 

 

■環境配慮と走りの進化を実現した3代目981型


 

 

2012年登場の3代目は、ボクスターの歴史のなかでも大きな変化にあったモデルでした。

 

その中心は、電動パワーステアリングやエネルギー回生システム、アイドリングストップ機能など、環境に配慮したデバイスの採用でした。

 

また、軽量素材の採用や幌の見直しによって、ボディ剛性を向上させるとともに軽量化にも貢献し、結果、最大で15%も燃費を向上させました。

 

いっぽう車体はオーバーハングを短くし、トレッドを広げ旋回性能を向上させています。

 

2014年には高性能モデルGTSが追加されるなどして、販売力を強化していきました。

 

 

■エンジンの大幅変更とバリエーションの拡大を受けた現行982型


 

 

現行モデルにあたる4代目は、2016年に登場しました。

 

このフルモデルチェンジの最大のトピックは、エンジンが6気筒から4気筒に変更されたことでしょう。

 

それにともない、1950年代末に登場した水平対向4気筒のミドシップレーシングカー、718RSKに由来するボクスター718に車名があらためられました。

 

ポルシェ流ダウンサイジングエンジンは、ベーシックなボクスターが2.0Lターボで300PS、ボクスターSは2.5Lターボで350PSと、それぞれ出力が向上しました。

 

シリンダー数が削られた水平対向エンジンは当初こそ不評を買ったものの、安定した売り上げを記録して、2017年には最高出力を365PSにアップしたスパルタンなGTSを追加。

 

さらに2019年には、420PSを発生する4.0Lの水平対向6気筒を搭載した718スパイダーが追加投入され、ラインアップを拡充しました。

 

 

■今後の進化が気になるモデル


 

当初は廉価版ポルシェとして見られていたボクスターですが、現在では兄弟モデルのケイマンと同様、独自の地位を築いています。

 

それぞれの世代に魅力のあるボクスターだけに、どの世代を手に入れても満足のゆくこと間違いなしです。

 

この機会に、ボクスターの中古車に注目してみてはいがでしょうか?

 

 

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