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日本のVWの発展にはいつもゴルフがあった

 

初代ビートル(水平対向)の時代(1953-1965)


 

 

日本とフォルクスワーゲン(以下VW)の関係は、1952年に販促プロモーションとして、当時のハインリッヒ・ノルトホフ社長が4台のVWと共に来日したことから始まります。

 

販売店は、いくつかの輸入代理店のなかで、戦前から欧米のクルマを輸入販売していたヤナセに決定。

 

翌1953年には、早速、タイプ1(通称:ビートル)と、タイプ2(バン/マイクロバス)が輸入販売されました。

 

空冷水平対向4気筒エンジンをリアに搭載し、後輪を駆動する4人乗りのタイプ1は、経済性にも優れ人気となりますが、1930年代の設計は、古さが目立つようになり、騒音やパッケージなどの問題点が浮き彫りになっていました。

 

そこでVWは、新たな、しかもビートルのように支持される車種を必要としていました。

 

 

小さな巨人ゴルフ1登場(1975-1984)


 

 

ビートルの後継モデルとして、世界の期待が高まるなか、コンパクトなハッチバックモデルの開発が進められました。

 

デザイン界の巨匠ジョルジェット・ジウジアーロとVW社内のデザイナー、エンジニア、そしてアウディが開発にかかわり、横置きフロントエンジン・フロントドライブの合理的なパッケージングと、シンプルでありながら印象深いデザインの優れた「ゴルフ(通称:ゴルフ1)」が誕生しました。

 

日本には1975年からヤナセによって輸入され、販売が開始されました。

 

ちなみにゴルフシリーズは、JAIA(日本自動車輸入車組合)が1988年に統計を開始して以来26年間、販売No.1 をキープするなど、日本でもっとも親しまれている輸入車となっています。

 

 

フォルクスワーゲン・アウディが本格進出(1985-1991)


 

1983年にはVWの日本法人となるフォルクスワーゲン株式会社を設立。

 

翌1984年に、2代目ゴルフ(ゴルフ2)の販売を開始します。

 

ゴルフ2は、初代からデザインやメカニズムはキープコンセプトで、目新しさはありませんでしたが、完成度をアップさせたことで初代と同様ベストセラーカーとなりました。

 

1989年には、フォルクスワーゲン アウディ 日本 株式会社(以下:VAN)と社名を変更し、VWブランドをはじめとするモデルの直接販売を手がけるようになります。

 

この日本法人設立は日本でのVW販売にさらに勢いをつけ、VWユーザーへの手厚いサービスが充実することになります。

 

 

トヨタの参入で販売網拡大(1992-1997)


 

1992年、3代目にあたるゴルフ(ゴルフ3)の販売が開始。

 

内外装は大幅に刷新され、モダンで柔らかいデザインに変貌を遂げたゴルフ3は、乗り心地や操縦安定性、安全性能、環境性能も改善され、日本における大衆車としての新たな価値観を生み出す1台となりました。

 

その前年、トヨタ自動車株式会社とVANは、日本におけるVWとアウディのディストリビューター契約を締結。

 

トヨタは系列の販売会社に「DUO」という名称で拠点を設置し、VWの販売網を構築。

 

その販売力によって、VWは確とした市民権を得ることになりました。

 

 

ニュービートルが大ヒット(1998-2003)


 

VWの伝説的な名車、ビートルのデザインをモチーフにしたコンセプトカーが1994年のデトロイトモーターショーで展示され、そのあまりの盛り上がりについに市販化を決定したというモデルが、ニュービートルです。

 

1998年に欧州でデビューしたニュービートルのベースとなっているのは、1997年にモデルチェンジとなった4代目ゴルフ(ゴルフ4)でした。

 

現代的で大幅に質感が向上したゴルフ4に対して、ニュービートルはデザイン優先で3ドアハッチバックというパッケージングで、そのぶんだけ居住性や使い勝手が犠牲になっていました。

 

とはいえ、大きく張り出したフェンダーや丸いフォルムは、ビートルそのもので、インパクトは抜群。

 

見た目のかわいらしさやノスタルジックな雰囲気、初代ビートルをオマージュしたデザイン、それでいて中身や走りは信頼のゴルフですから、日本でも大ヒットしないわけはありません。

 

同時にニュービートルは、”堅実なクルマを作るドイツの自動車メーカー”が見せる遊び心と懐の深さを日本人に知らしめることになり、VWはより身近なイメージを身に着けました。

 

 

VW初のSUVデビュー(2004-2008)


 

ポルシェと共同開発されたVW初の高級SUV、トゥアレグが2002年に発表されました。

 

ポルシェ カイエンとは姉妹車の関係にありますが、トゥアレグはVWの堅実な作り込みと、新たなブランド志向=高級化への挑戦が感じられる意欲作で、最新モデルは中東や中国の富裕層を中心に人気となっています。

 

この高級化はゴルフ4からのもので、2004年にデビューした5代目ゴルフは、内外装の質感はもとより、直噴エンジンやDSGといったメカニズムの積極的投入により、VWの実質的な商品価値を大いに引き上げていました。

 

 

国内100万台達成(2009-2012)


 

2010年には、フォルクスワーゲン グループ ジャパンの累計輸入台数が100万台を達成(VWとアウディの合計)します。

 

ゴルフは6代目に進化。

 

プラットフォームは先代からのキャリーオーバーとはいえ、内外装が一新され、すっきりとしたデザインに、先進のメカニズムと環境性能に磨きがかかったモデルとなりました。

 

 

モジュラープラットフォームで広がるバリエーション(2013-)


 

 

2013年に日本で販売が開始された7代目ゴルフは、新しい生産・開発プログラム”MQB”を初めて採用したモデルです。

 

MQBは、主要コンポーネントのモジュール化をグループを通じて大胆に進めるもので、ポロやパサート、トゥーランなど、クラスやカテゴリーを超えて、ゴルフ7で実証されたクルマの本質的な価値と性能がVWのあらゆる車種に拡大されています。

 

結果、ゴルフ7は優れた操縦安定性や乗り心地の良さ、高い安全性や品質、燃費性能、環境性能などを大幅に向上させ、プレミアムカーに匹敵する性能を実現。

 

コンパクトカークラスのベンチマークとして、長年、世界中の自動車メーカーから目標にされてきたゴルフは、その地位をさらに揺るがぬものとしました。

 

 

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