プジョーのフラッグシップセダン!508ってどんなモデル?
フランスを代表する自動車メーカーの一つであるプジョー。
近年はSUV市場にも参入していますが、長年小型ハッチバックを数多くラインアップしていて、小型車を得意としているイメージが強いかもしれません。
しかしながらスタイリッシュなセダンもラインアップしています。
それが今回紹介する508です。
■フラッグシップとミドルセダンの後継として
508は2020年現在、プジョーから販売されているモデルとしては唯一のセダンです。
長年販売されていた一回り小さい406や407の後継として2010年にパリモーターショーで発表されました。
407よりも一回りボディが大きくなったのは、508の販売開始より前にラインアップから姿を消したフラッグシップセダンである607の穴を埋める役割もありました。
具体的な数値で表すと、508のボディサイズは全長4790mm、全幅1855mm、全高1455mmとなり、407と比較すると全長で105mm、全幅で15mm大きなサイズとなっています。
607と比較した場合は全長で95mm小さくなっています。
反対に全幅は25mm 508の方が大きですが、これは607の世代がひと世代古い(日本市場での販売は2005年で終了)というのもあるでしょう。
407同様にステーションワゴンもラインアップしている508は、607の後継を担っている背景もあり、2020年現在プジョーのフラッグシップと言える存在です。
■安全性能の高い初代モデル
2010年のパリモーターショーで発表された初代508が日本市場で販売を開始したのは2011年7月のことでした。
販売当初、日本市場にはセダンとステーションワゴンの2つのボディが導入され、上級グレードのGriffe(グリフ)と、エントリーグレードのAllure(アリュール)の2グレード構成でした。
ヨーロッパ市場では2.0Lディーゼルターボエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドグレードや、1.6Lディーゼルが用意されましたが、日本市場では1.6Lターボのみのラインアップで、燃費はセダンが11.0km/Lステーションワゴンが10.8km/Lとなっていました。
この508は安全性能の評価が高く、6エアバックや衝突時にむち打ちを軽減する新形状のヘッドレストを採用しており、ユーロNCAPで最高評価の5つ星を獲得しています。
2015年1月にはフェイスリフトを受け、フルLEDヘッドライトとなりよりモダンな顔つきになったほか、運転支援装備の充実や燃費の向上が図られ、JC08モードで13.6km/Lとなりました。
後に同年9月の東京モーターショーで公開された2.0Lディーゼルターボエンジンを搭載するスポーツグレードGT BlueHDiも追加されました。
■先鋭的な2代目のデザイン
現行となる2代目508は2018年3月のジュネーブモーターショーで初披露されました。
その時自動車業界が驚いたのがそのデザインです。
先代モデルも伸びやかでフランスのサルーンらしいデザインだったのですが、現行モデルは今までの流れから大きく断ち切り、先鋭的でスポーティなデザインとなりました。
それはそれまでのベーシックなセダンシルエットをやめ、4ドアファストバックスタイルとなったことからもわかるでしょう。(先代と同じくステーションワゴンもラインアップしています)
そして特徴的なのがヘッドライトです。
縦長に切り込まれた部分はデイタイムランニングライトの役割を果たし、昼夜を問わずそのキャラクターをアピールします。
そしてリアのテールライトのデザインは、プジョーのエンブレムに採用されているライオンの三本の爪痕をモチーフとしています。
そのほかにも美しいシルエットを実現するためにドアをサッシュレス形状にするなど、デザインへのこだわりを感じられる造りとなっています。
■インテリアやメカニズムも最新
現行508が先鋭的なのはデザインだけではありません。
12.3インチデジタルヘッドアップディスプレイや7つのトグルスイッチといったユーザーインターフェースを持つPeugeot i-Cockpitは近未来な印象を与えるだけでなく、ナビや空調など日常的に多く操作する部分をトルグスイッチで物理的に操作でき使いやすさにも優れています。
そのほかにも従来の運転支援装備に加え、白線の中に車両をキープするためにステアリング碁聖をするレーンポジショニングアシストや、赤外線カメラを用いた情報をインストルメントパネルに表示することで、夜間の視界をサポートするナイトビジョンなどプジョー初の運転支援技術も採用されています。
メカニズム面に注目すると、車体はグループの根幹プラットホームであるEMP2をベースに構造用接着剤や、複合素材を使用することで光合成と軽量化を実現している他、プジョー初となる電子制御アクティブサスペンションを採用していて、さまざまな面から新しいプジョーへのチャレンジをしたモデルであることが伺えます。
日本市場に用意されたパワーユニットは2つ、グレードは3つで、ベースグレードAllure(アリュール)と中間グレードGT Lineは1.6Lターボエンジンを搭載し、トップグレードGTは2.0Lターボディーゼルを搭載します。
燃費はディーゼルエンジンが16.9km/L、ガソリンエンジンが14.1km/Lとなっています(どちらもWLTCモード)
■プジョーのサルーンという選択
ヨーロッパのサルーンとなると、ドイツがイギリス車に注目しがちですが、独特のデザインと世界観を持つ508も魅力的な存在です。
人とは違うサルーンが欲しいという人は、ぜひ一度508の実車を見て、その独特の個性を感じてみることをオススメします。