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日独に飽きたらフレンチテイストのSUVはいかが?

 

DS 7 クロスバックは、フランスのシトロエンから派生した新しいブランド”DS Automobiles”のフラッグシップにあたるクロスオーバー SUVで、2018年に発売されました。

 

クロームの意匠を大胆にあしらった印象的なフロントマスクや、陰影のあるダイナミックなフォルム、パリへのオマージュがちりばめられた室内空間など、細部に渡ってこだわり抜かれたフレンチテイストが特徴で、新しいSUVを探しているアンテナの高いユーザーを中心に人気が上昇中です。

 

 

■フランスらしいエレガンスを漂わせるエクステリア


 

 

エクステリア(外観)は、DS WINGと呼ばれる独特のメッシュデザインを採用したフロントグリルを中心に、それを囲むように配置されたクロームのガーニッシュと先鋭的なLEDヘッドライトのコンビネーションよって、エレガンスな雰囲気を放っています。

 

その流れはボリューム感のあるフェンダーと彫刻的な陰影をつけたウエストライン、そしてリアの独創的なコンビネーションランプへとつながり、他国のSUVにはない存在感を完成させています。

 

 

ボディサイズの全長4,590mm×全幅1,895mm×全高1,635mm、ホイールベース2,730mmは、トヨタ ハリアーに比べてホイールベースは40mmも長いのですが、全長では150mm短くなっており、日本国内でも意外に扱いやすいサイズです。

 

ちなみに車幅は、ハリアーよりも40mm広くなっています。

 

また最低地上高は200mm(ガソリンモデル)に設定することで、悪路走破性を確保しています。

 

 

■上質なクルマに乗っていることを実感させる室内


 

エクステリアの美しさもさることながら、DS7 クロスバックの白眉はインテリア(内装)かもしれません。

 

パリのオートクチュールを連想させるような細部にわたるこだわりのディテールと、最新テクノロジーの融合による新しいラグジュアリーの表現が見られます。

 

センターコンソールのシフトレバー左右に配置されたスイッチ類やドアトリムには、多数のピラミッドが連なったような幾何学的文様“クル・ド・パリ”を用い、独特の上質感を表現。

 

ステアリングの奥には12.3インチのフルデジタルインストルメントパネルが設置され、多彩な情報を表示します。

 

赤外線カメラで歩行者や動物を検知し、表示する「DSナイトビジョン」もこのパネルに表示されます。(Grand Chicにオプション設定)

 

 

室内の意匠は、パリの各所をテーマにした3つのバリエーションが用意されています。

 

まず「オペラ」はパリを象徴する豪華絢爛な建造物であるオペラ座をテーマにした最上級仕様で、ダッシュボードやドアトリム部にパールトップステッチと呼ばれる小さな真珠が並んだような繊細なステッチが施されます。

 

「リヴォリ」は、ラグジュアリー&ハイファッションの発信地として知られるチュイルリー庭園とルーヴル美術館の北側を突き抜ける通りをテーマにした仕様で、シートにはブラックレザーを、ダッシュボードやドアトリムには柔らかな質感を持つナッパレザーをあしらい、そこに斜めに交差する格子模様のステッチが入っています。

 

「バスティーユ」は、革命の原点、近代フランス文化の起点として記憶されているバスティーユ広場をテーマにした仕様で、独特なブロンズカラーのニュアンスがあるファブリックシートに、ブロンズをモチーフとしたナッパレザーのトリムをコーディネートしたものです。

 

 

■FFの駆動方式に2種類のエンジンを用意


 

パワートレインは2種類で、2.0L 直4直噴DOHCディーゼルターボが、最高出力130kW(177ps)/3,750rpm、最大トルク400Nm/2,000rpm、JC08モード燃費16.4km/Lというスペック。

 

もうひとつの1.6L 直4DOHCガソリンターボは、最高出力165kW(225ps)/5,500rpm、最大トルク300Nm/1,900rpm、JC08モード燃費14.7km/L。

 

トランスミッションはどちらも8速ATで、駆動方式はFF(前輪駆動)のみ。

 

4WDの設定がない理由は、クロスオーバーSUVの一般的な使用環境において、それほど大掛かりな駆動システムを採用せずとも、いまあるFFの制御技術で十分に使えることがわかっているからです。

 

蛇足を嫌って4WDの採用を見送り、環境性能にも優れるFFのみの設定としたクルマ作りは、ケチと言われるパリっ子の面目躍如といったところでしょうか。

 

 

■先進安全装備も充実


 

高速道路における同一車線内走行を想定した運転支援機能である「DSコネクテッドパイロット」は、マルチファンクションカメラとミリ波レーダーにより、前車との車間距離を保ちながら任意の位置をキープして走行することが可能で、渋滞時の停車にも対応しています。

 

また、カメラが前方5〜25mの範囲の路面状況を常時高速スキャンして路面の凹凸を検知し、四輪のショックアブソーバーの減衰力の最適化を行うことで快適な乗り心地を実現する「DSアクティブスキャンサスペンション」も全車標準装備となっています。

 

 

ヘッドライトに左右3個ずつ内蔵されたLEDモジュールは、さまざまな速度域に応じた4つのモード、ワイパー作動に連動したモード、対向車や先行車を検知してロービームに切り替えるモードなど、合計6つの配光モードを自動制御します。

 

またクルマを解錠した瞬間、180°回転しながらパープルの光を放ちオーナーを迎えるという、凝った演出もあります。

 

他にも、道路標識を読み取る「トラフィックサインインフォーメーション」、4つのドライビングフィールを切り替えられる「DSセンソリアルドライブ」、シートバックに内臓されたエアカプセルを作動させて乗員の緊張をほぐす「マルチポイントランバーサポート」など、ラグジュアリーSUVとして充実した装備の数々が用意されています。

 

独創的なディテールとエレガンスで、フランスならではのデザイン性と先進装備を融合させるDS7 クロスバック。

 

中古車市場では、国産高級SUVモデルとそれほど変わらない300万円代後半からが相場となっています。

 

フレンチSUVの魅力を、一度味わってみませんか?

 

 

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