横開きではないドアを採用するクルマたち
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通常、運転席のドアは、車体前方のヒンジを中心として横方向に開くタイプが一般的です。
しかしプレミアムスポーツカーを中心に、異なる開き方をするクルマがあります。
見た目のインパクトは抜群で、カッコ良さを一段と引き立てる跳ね上げ式ドアの形式と、採用する車種について解説いたします。
■ドアが上に開く?歴史について

横開きではないドアと聞いて、すぐにイメージするのは”ガルウィング”ではないでしょうか。
これはルーフにヒンジがあり、ドアが上方に開く形式のことで、正面から見るとカモメが翼を広げたような姿に見えることから名付けられています。
1954年に発売されたメルセデス・ベンツ 300SLに初採用されたのち、おもにスポーツカーで多く見られるようになりましたが、採用車種はデロリアン、パガーニ ウアイラやテスラ モデルXの後部ドアなど、それほど多くありません。
そのガルウイングと混同されるのが、”シザーズドア”です。ドアが上方に跳ね上がる「シザーズドア」もあります。
ガルウイングとの違いは、横上方ではなくハサミのような動きで、ドア前方を軸に上方へ向かって開くところです。
ランボルギーニ カウンタックが、有名ですね。 もうひとつガルウイングと混同されるのが、”バタフライドア”です。
こちらは、ヒンジがドア前方奥とAピラー部分に設けられ、ドアは斜め前方に跳ね上がる形式で、クルマの正面から見ると蝶が羽ばたいているような姿に見えることから名付けられています。
初めてバタフライドアが採用された車種は、「世界一美しいクルマ」とも謳われたアルファロメオ ティーポ33/2 ストラダーレ。
他にはフェラーリ ラ・フェラーリや、マクラーレン F1などにも採用されています。
■ランボルギーニ カウンタック 5000 QV

奇才ともいわれたデザイナー、マルチェロ・ガンディーニが手掛けた元祖スーパーカーが、ランボルギーニ カウンタックです。
1971年のジュネーブモーターショーでお披露目されたその姿に、多くの人が衝撃を受けました。
空気を切り裂くかのようにエッジの効いたシェイプと、車体後方のエンジン周りにあけられた多数のエア・アウトレット、コーダトロンカのリアエンドなど、その革新的なデザインは、1971年のジュネーブモーターショーで、多くの人に衝撃を受けました。
この前衛的なデザインに花を添えたのが、シザーズドアでした。
ただでさえ衝撃的なデザインにさらに強烈なインパクトを与え、以降ランボルギーニのアイコンとして広く知られるようになりました。
1974年に最初の量産モデルのLP400が登場し、その後1985年にはライバルのフェラーリ テスタロッサに対抗して、5.2L V12DOHC 4バルブエンジンを搭載した5000QV(クワトロバルボーレ)に進化。”カウンタック史上最強”のモデルとなりました。
シザーズドアはカウンタックの後継モデルであるディアブロ、ムルシエラゴ、アヴェンタドールなど、歴代V12モデルに採用されています。
ちなみに、ガヤルドやウラカンなどランボルギーニのV10モデルは一般的な横開きドアタイプとなっています。
■BMW i8

未来的で独創的なクーペフォルムのi8は、他のBMWラインアップとは少し違った、異色の存在に見えるかもしれません。
それもそのはず、このモデルは「未来のクルマを定義するBMW」というコンセプトを持つ、iシリーズに位置するクルマだからです。
iシリーズのフラッグシップ、i8はプラグインハイブリッドで、モーターによって前輪を駆動、1.5L 3気筒ターボエンジンが後輪を駆動する四輪駆動を採用。
システムの総合出力は275kW(374PS)、最大トルクは570Nmとなり、0-100km/h加速は4.4秒と高いパフォーマンスを発揮します。
もちろん非常に高い走りのパフォーマンスを持っていますし、2ドアであることや先鋭的なデザインを見るとピュアスポーツカーのようなイメージを持ちますが、iシリーズ自体は空力を高めた設計や低燃費性能を追求したタイヤの装着など、環境を意識した次世代モデルという位置付けであり、そういった意味で特別なクルマであると言えるでしょう。
そしてi8には、それを象徴するかのようにBMW車として初のバタフライドアが採用されています。
■メルセデス・ベンツ SLS AMG

スーパーカーでも数少ないガルウィング装着モデルの1台が、2010年に発売されたメルセデス・ベンツ SLS AMGです。
世界初のガルウィング採用モデルとなったメルセデス・ベンツ 300SLをモチーフとしたデザインで、ボリューム感のある圧倒的なフォルムのSLS AMGがドアを開けた姿はインパクト抜群です。
6.2L V8自然吸気エンジンが搭載され、最高出力は420kW(571PS)/6,800rpm、最大トルクは650Nm(66.3kgm)/4,750rpmと強烈なパワーで、0-100km/h加速3.8秒とスーパーカーの名にふさわしいパフォーマンスを示します。
横開きではないドアは、見た目のインパクトが非常に大きいとはいえ、スーパーカーにとって必要なサイドシル周りの剛性を確保するという実用性も考えて考案された歴史があります。
構造上コストがかかるので贅沢な装備ですが、実車ではその性能よりもカッコ良さが際立っています。




