初めて誕生した速く走るための4駆という考え、アウディのクワトロって何?
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アウディの4輪駆動(4WD)モデルに付けられるクワトロのバッジ。
アウディを代表する技術の一つとして取り上げられることが多いメカニズムですが、一体どのような点が優れているのか?
クワトロ誕生の歴史から紹介していきます。
■スポーツモデルに4WDという新たなコンセプト

クワトロの名前が世に初めて登場したのは1980年のことです。
「クワトロ」のモデル名でジュネーブモーターショーに登場したクーペモデルは世界を震撼させました。
それまで4輪駆動というと、背の高いクロカンモデルが高い悪路走破性を確保するために採用していたメカニズムでしたが、アウディは背の低いスポーツクーペにそれを採用していました。
「4輪駆動を用いて車体を安定させ、速く走れるスポーツモデルにする」という現代のスーパースポーツでは当たり前に採用されているコンセプトですが、アウディクワトロがその考えを取り入れた最初のモデルでした。
4輪を駆動させることにより、速い速度でも安定性が高まったため、ドライバーへ与える安心感が高くなりよりアクセルが踏めるようになりました。
また、駆動力も高まったため加速性能にも優れ、より大きなパワーとトルクを効率よく路面に伝達できるようになったのです。
これを実現可能にしたのは、トランスミッションの内部に中空のシャフト(素材を削って作ったセカンダリーシャフト)を設置して、そこから2方向に駆動力を振り分けるというシステムです。
このシャフトの採用により、それまでの一般的な4WDとは違い、トランスファーケースと2本のプロペラシャフトを必要としなくなりました。
4WDシステムそのものをコンパクト化と軽量化に成功したことにより、スポーツモデルへの採用が可能となったのです。
■クワトロはラリーの常識を大きく覆す

しかし、アウディの真の狙いはラリーでの活躍にありました。
クワトロを発表した翌年、世界ラリー選手権(WRC)にクワトロをベースにした、ラリーマシンを投入します。
それまでラリーの世界ではコンパクトで軽量である、ミッドシップマシンを中心とした2輪駆動が幅を聞かせていました。
そこに投入された4WDマシンであるクワトロは、当初他のマシンと互角に渡り合えるのか?と疑問視されます。
しかし、参戦2戦目で初優勝をするという快挙を成し遂げます。
スポーツドライビングに4WDを取り入れるという考えが間違っていないということが、モータースポーツの世界でも実証された時でした。
勢いそのままに、参戦開始翌年である1982年にはマニュファクチャラーズタイトルを獲得。
世界ラリー選手権で勝利を収めるには、4WDは必須条件となり、ライバルメーカーも続々とラリースペシャルの4WDマシンを投入。
また、当時は開発が広く許されたグループB規定で行われていたため、開発競争は過激になり、狂気の時代とも言われるようになりました。
このような大盛り上がりを見せた当時の世界ラリー選手権ですが、その火付け役は間違いなくアウディクワトロでした。
また、現在では悪路を速く駆け抜けるラリーの世界では、4WDが速いのは常識となっていますが、この常識もアウディクワトロが無ければ誕生しなかったかもしれません。
■あらゆるシチュエーションで最高の性能を発揮する

こうしてアウディの広告塔とも言えるメカニズムとなったクワトロ、スポーツモデルはもちろん、高級サルーンのA6などにラインアップを広げ、現在ではエントリーモデルのハッチバックにもラインアップされています。
しかし、アウディスポーツモデルの真骨頂はクワトロにあるとメーカーが意思表示するかのように、アウディのスポーツラインアップであるS/RSシリーズは全てクワトロを採用していて、圧倒的なトラクションと楽しいハンドリングを実現します。
このように聞くとクワトロはスポーティ一なイメージを受けますが、進化した現代のクワトロは、高度な駆動制御技術により、燃費といった環境性能も向上しているのです。
あらゆる場面で、その場に適した最高の性能を発揮する賢い4WDシステムなのです。
■クワトロという名前に関するアラカルト

クワトロ(quattro)という耳に残る響の名前、ドイツのブランドアウディのメカニズムだからドイツ語と思う人も多いかもしれませんが、実はイタリア語であり、意味は4を表す数詞なのです。
アウディのステーションワゴンの名称であるアバントもフランス語である点を考えると、あえてドイツ語を使用しないのは興味深い点です。
また、アウディのSUVラインアップの名称である「Q」ですが、こちらはクワトロ(quattro)の頭文字から由来しています。
■4WDの先駆者であり続ける
いつの時代も先進性に溢れる魅力的なモデルをラインアップし続けるアウディですが、4WDの常識を変えたクワトロというメカニズムは、その最たる例と言えるでしょう。
クワトロ誕生から実に40年が経過しようとしていますが、絶えず進化を続けており、4WDシステムとして最先端を走っています。
これからもクワトロは4WD技術の先駆者としてトップを走り続けていくことでしょう。




