なりは小さくても魅力はMAX。伊仏独コンパクトハッチ
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日本においては、シティユースの小型車といえば軽自動車です。
メーカーはその差別化やスペース効率の追求により進化してきた軽自動車は、日本独自のガラパゴス規格です。
では欧州ではどうなっているのでしょう?
その答えは“Aセグメント”と呼ばれる超小型車が担っています。
日本の軽自動車とよく似た用途とサイズ感を持っているAセグメント車を紹介しましょう。
■そもそもAセグメントとは?

“セグメント”とは、おもに欧州で使われている自動車の分類方法です。
似たサイズを持つクルマたちをAからFの6つのカテゴリーに分け、もっとも小型なカテゴリーをA、全長5mを越えるフラッグシップ等をF、という風に扱います。
ちなみに馴染みのあるトヨタ ヤリスやホンダ フィットなどはBセグメント、日産リーフやマツダ3などはCセグメントとなります。
Aセグメントの条件は、おおむね全長3,800mm以下、全幅1,700mm以下のボディサイズに0.6L~1.3Lのエンジンを搭載するものとされており、日本車ではスズキ ソリオやクロスビー、国際的には軽自動車やトヨタiQなどもAセグメントに含まれます。
日本の軽自動車との大きな違いはその設計思想にあります。
軽自動車は一部のスポーティなモデルを除けば、ボディもエンジンも軽自動車枠のいっぱいまで使った室内の広いトールワゴン型が多く、老若男女問わず支持されています。
対する欧州Aセグメントカーはシティユースの少人数での移動がメインのため、室内のスペース効率を日本の軽自動車のように求める必要がないので、デザインを上方向に伸ばす発想があまりなく、乗り味も軽自動車と比較するとややどっしりとしているクルマが多くなります。
■名車の復活で大ヒットした「フィアット500」

2007年に登場したフィアット500は、Aセグメントにおける現代の代表格です。
チンクェチェント(500)の愛称で知られる1957年発売のNUOVA 500(旧500)から50周年を記念したそのエクステリアはまさに現代版500といって良いもの。
駆動方式やボディサイズ、細部を見れば違うところが多いにも関わらず、誰が見ても「これは500だ!」と分かる秀逸なデザインもあって世界中から歓迎され、いまでも継続して売れ続けている人気車です。
派生車種としてアバルトがチューニングを施したホットハッチであるアバルト595が存在し、そちらも多くの支持を集めています。

搭載エンジンは、0.9L直列2気筒SOHCターボのTwin Air(ツインエア)、1.2L直列4気筒SOHCのMulti Air(マルチエア)、1.4L直列4気筒SOHCが存在の3タイプ。
トランスミッションは、セミATのデュアロジックとマニュアルが選べます。
なかでも軽快でパワフルかつ低燃費なTwin Airは傑作ともいわれる完成度で、その軽量設計はドライブフィールの向上にもひと役買っています。
現在販売されているモデルでは最小回転半径も4.7mと良好な数値で、日本における使い勝手も抜群です。
インテリアもクラシックに見せながらもしっかりと実用的なレトロモダンな仕上げとなっていて、乗り込むたびにワクワクしてしまうこと請け合い。
電動キャンバストップでオープンエアを楽しめる500Cも存在します。
■フランス生まれのおしゃれなRR「ルノー トゥインゴ」

ルノーのAセグメントモデル、トゥインゴは1992年に登場し、徹底的にスペース効率を追求したミニマムなルックスに愛嬌のある顔つきで親しまれました。
現行モデルの3代目は2014年に発表され、往年の名車であるルノー 5(サンク)からインスピレーションを得たデザインを身に纏っています。
基本構造をスマート フォーフォーと共用するトゥインゴの駆動方式は、現代では珍しいRR(リアエンジン・リアドライブ)を採用。

先に紹介したフィアット500は初代がRRで現行がFF(フロントエンジン・フロントドライブ)であるのに対し、こちらは初代がFFで現行がRRという真逆の方向に進化してます(正確にはリアミッドエンジンなのでRMRですが…)。
このレイアウトによりボンネットを切り詰めたカタマリ感のあるデザインが可能になるとともに、また乗り味もRRらしいハンドリングが軽く強いトラクションを得られる独特なものを獲得しています。
パワートレインは0.9L直列3気筒DOHCターボに6速EDCの組み合わせと、1.0L直列3気筒DOHCに5MTの組み合わせがあり、いずれもビキビと街中を走るのにピッタリな楽しいドライブフィールを味わうことが可能です。
■究極のミニマリズム?「スマート フォーツー」

欧州におけるAセグメントは運転席と助手席の使用をメインに開発されています。
そんな中スイスの時計メーカーであるスウォッチの創業者がダイムラーとタッグを組んで2座席の超コンパクトカーの開発を企図し、1998年にメルセデス スマート シティークーペの名で発売されたのが初代フォーツーにあたるクルマです。
のちに4人乗りの座席レイアウトを持つフォーフォーの登場により名前がフォーツーに改められ、現在販売されているのはその3代目となります。
3代目のフォーツーはルノー トゥインゴと共同開発されたモデルで、フォーフォーの小型版という位置付けです。
ボディの各部はトゥインゴと部品が共通となっているほか、エンジンは0.9Lの直列3気筒ターボと1.0L直列3気筒DOHC、ミッションもDCTと共通です。

フォーツーで特筆すべきはやはりその圧倒的な全長の短さ。
なんとたったの2,690mmしかありません。
当然ホイールベースは短縮され1,873mm。
真横からのシルエットはちょっとした錯覚にすら感じるほどのミニマル感です。
もともとの登場経緯が欧州各国における道路事情の改善を目的としたマイクロカーですから、当然さまざまな部分が超コンパクトな設計。
テールゲートは上下に分かれたセパレート式で、壁際までバックした状態でも開けるよう設計してあったりとこだわりを感じます。
気になる最小回転半径はなんと3.3m。
トヨタiQの3.9mを越えることが目標だったという話もありますね。
ちなみに初代の宣伝文句は『(メルセデス・ベンツ)Sクラスと同じスペースに2台停められる』というもの。
3代目となる現在のフォーツーにおいても、その精神は変わっていません。
国産車メーカーが切磋琢磨し日進月歩の進化を遂げている軽自動車も大変な魅力があるカテゴリーですが、Aセグメントという欧州が生んだ超小型車にも面白くて存在感のあるクルマが存在しています。
軽自動車や国産コンパクトハッチに飽きたら、一度欧州Aセグメントを検討してませんか。




