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輸入車=高いと思っていませんか?

 

国産車にくらべると輸入車は高い、輸入車はすべて高級車ばかりだ、輸入車には乗りたいけど高くて手が出せない…そんな風に思い込んでいる方も少なくないかもしれません。今回はそんな輸入車=高いというのは本当なのか、実際はどのようなものなのかについて検証します。

 

 

 

輸入車が高い理由

 

日本にある工場で生産される国産車に対し、海外の自動車メーカーでつくられる輸入車は日本以外にある工場で生産され日本へと輸入されています。そのため輸送費というコストが当然ながら発生します。また日本で販売される正規輸入車は型式認定という国の保安基準審査をクリアしなければなりません。そのため日本向けの仕様にする必要が生じるためのコストもかかります。

 

また輸入車は国産車のように日本国内に自動車メーカー直系の販売会社がなく、インポーターと呼ばれる輸入販売業者が販売を行なっており、そのインポーターの存在がときに輸入車の割高感を生み出す場合があります。ほかにもブランド戦略によって一部の輸入車ブランドはイメージそのものが高級となっていたり、日本における販売戦略のためにあえて上位グレードのみを輸入し、ベーシックグレードを輸入していないというケースもまま生じています。これらの理由が輸入車=高いという印象を生み出しているのは事実といえるでしょう。

 

 

 

日本と本国との価格の違い

 

それでは実際に日本で販売されている輸入車を本国の販売価格を比較してみましょう。

 

たとえばメルセデス ベンツCクラスの日本での販売価格はC180の455万円からC220dアヴァンギャルドの586万円までと500万円台が中心となっています。

 

写真:C180 ローレウスエディション

 

対するドイツ本国のCクラスのプライス表を確認してみると、一番安いC160(日本未導入)が3万2,992.75ユーロ(約403万円)でC180は3万4,986ユーロ(約427万円)、最も高額なC400 4MATIC(日本未導入)が5万4,192.60ユーロ(約662万円)となっています。

 

日本におけるメルセデス ベンツCクラスセダンの正規輸入ラインナップは5グレードのみ(特別仕様、限定販売などを除く)ですが、ドイツ本国では16グレードものラインナップが揃い、その車両価格も400万円前後から600万円台中盤までと幅が広くなっています。

 

その中心価格帯は日本円に換算すると500万円台が中心。日本におけるCクラスの販売価格が割高だと感じることは少ないのではないでしょうか。

 

それでは世界の大衆車として知られるフォルクスワーゲン ゴルフの場合はどうでしょうか。日本ではTSIトレンドラインの253万9,000円からTSIハイラインの331万9,000円まで3グレードが販売されています。

 

写真:ゴルフ TSIトレンドライン

 

一方のドイツ本国では、トレンドラインが2万1,365ユーロ(約261万円)、ハイラインが2万7,230ユーロ(約333万円)となっています。こちらもメルセデス ベンツと同様に日本と本国の価格の違いは+数万円前後で大きな割高感はありません。※1ユーロ=122.18円で計算しています

 

 

 

輸入車自体は実は高くない?

 

もうひとつ日本での輸入車が高いというイメージを植え付ける要因となっているのが、メーカーオプションと呼ばれるものです。日本ではあらかじめインポーターが設定したメーカーオプションを数多く装備したモデルを販売しているケースがあり、その場合はオプション装備代がプラスされるため、結果として販売価格が高額となります。

 

日本では「素」の状態で購入することができなかったり、納期に大幅な時間がかかるために結局オプション装備車を購入せざるを得なかったというケースもまま見受けられます。これら日本特有の販売事情により結果的に輸入車=高いという認識が生まれていますが、車両価格だけを比較すれば一概に輸入車の車両価格が高いとは言い切れません。

 

また近年では、輸入車ブランドの強みを活かした販売プランを多くのメーカーが導入しています。それが残価設定ローンと呼ばれるもので、中古車市場においても一定の価格が見込める輸入車では、新車価格の一定額を据え置き価格として算出し、残りの価格で購入することができるようになっています。

 

この輸入車ブランドの強みは残価設定ローンだけでなく、中古車として販売したいときのリセールバリューも感じることができます。このように総合的に考えれば輸入車が高いとはいえないのではないでしょうか。

 

 

輸入車=高級車という認識はすでに昔のものとなりつつあり、最近では国産車と輸入車を同時に購入検討される方も少なくありません。輸入車がより身近になっている今こそ、自分の本当に好きな自動車メーカーの1台を検討してみませんか。

 

 

 

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