ラダーフレームってどんなメリットがあるの?仕組みも紹介します
クルマの車体基本構造のひとつに、ラダーフレームというものがあります。
乗用車では近年あまり採用されなくなった構造ですが、一部のSUVには伝統的に使用されています。
ラダーフレームには、どんなメリットがあるのでしょうか?
■ラダーフレームってなに?

フレームはクルマにとって、人間でいう骨格のような存在です。
エンジンやトランスミッション、車軸やサスペンションなど、クルマが走るために必要な部品を支えるという重要な役割があります。
もし事故を起こしてフレームが歪んでしまったら、修理は非常に難しく、完璧に直らないこともあります。
また大きな事故ではなくても、強い衝撃でフレームに歪みが生じてしまうことがあります。
見た目がそれほど損傷を受けたように見えなくても、フレームが歪んでいれば、まっすぐに走らなかったり、部品が正しく機能しなかったりすることがあります。
一般的な骨格構造として、乗用車にはラダーフレームとモノコック構造があります。
そのうちラダーフレームは、ハシゴ形のフレームのことで、馬車の時代から使用されている古い歴史を持つ構造です。
2本のメインフレームと、それをつなぐ複数の部材(クロスメンバー)によって構成され、見た目がハシゴのようなことから、ラダーもしくはH形フレームと呼ばれます。
いっぽうモノコック構造は、20世紀に入ってから登場したもので、乗用車の普及が進むにつれて多くの車種に採用されるようになりました。
ラダーフレームとのおおきな違いは、フロア、フェンダー、ピラー、ルーフなどが一体構造となり、強度を保っていることです。
モノコックフレームはボディとフレームを別体で作る必要がなく、鉄板も薄く済むことから、コストを抑えることができるというメリットがありますが、小さな事故でもわざと衝撃を吸収しやすいようにできているため、フレームが歪みやすいというデメリットもあります。
ラダーフレームの特徴は、頑丈なことです。
シンプルな構造ゆえに、耐荷重性、耐衝撃性に優れ、荒れた路面を走行する際に受ける衝撃でも歪まない構造は、本格的なクロカンSUVに最適。重量物を載せるトラックや、多人数乗車のバスにも採用されています。
また、フレームとボディが別になっているので、小さな事故や衝撃でボディが凹んでしまっても、フレームにダメージがおよぶことが少なく、走行を続けることができます。
さらにトラックなどでは、フレームとボディ(架装)を別々に製作することができるため、汎用性が高く、メンテナンス性にも優れるというのもメリットです。
■デメリットは?

ラダーフレームを頑丈にするには、フレームを構成する板材を厚くしなければならず、重量増加に直結します。
車体の重量増は、燃費の悪化や動力性能の低下につながるため、デメリットになり得ます。
また材料や製造工程が多くなりますから、モノコックフレームに比べてコストが高くなります。
さらに、フレームそのものの高さがあり、その上にボディや部品を載せるという構造のため、フロアが高くなってしまいます。
大きなトラックやSUVであればそれほど問題にはならないかもしれませんが、比較的小型のクルマでは、室内空間やラゲッジスペースが狭くなってしまいます。
■代表的な車種

ジープ ラングラー
戦時中に活躍した米国軍用車、ウィリス ジープの現代版がジープ ラングラーです。
台形ホイールアーチや7スロットグリル、丸目ヘッドライトなど、そのアイコニックなデザインと本格的な悪路走破性は、いまも健在。
多くのファンを魅了しています。

メルセデス・ベンツ Gクラス
メルセデスの人気高級SUV、Gクラスもラダーフレームを採用しています。
もともとの成り立ちは軍用車両でしたが、デビュー当時から変わらないスクエアなスタイルや、本格的な四輪駆動システム、豪華な内装などで独特の世界観を演出。セレブにも人気となっています。

フォード Fシリーズ
アメリカのベストセラーカー、フォード Fシリーズは、米国市場を中心に大人気のピックアップトラックです。
搭載されるエンジンやボディタイプ、仕様が豊富に用意されており、商用モデルにはトラックやダンプ、緊急車両など数百種類の架装が用意されています。
まさにラダーフレームのメリットを最大限に生かしたモデルと言えるでしょう。
普通のクルマでは入っていけないような険しい山道や、ラフロードなどを走る本格的なクロカンSUVにとって、ラダーフレームであるかどうかは重要な要素のひとつです。
馬車が使われていた時代からある伝統的な構造ですが、そのメリットからいまでも現役で活躍しています。




