世界のクルマをもっと知る

元々は軍用車だった?「ゲレンデ」ことメルセデス・ベンツGクラスの歴史を誕生経緯から振り返る!

 

ゲレンデの愛称で親しまれているメルセデス・ベンツ Gクラス。

 

硬派な本格オフローダーとして有名であり、メルセデス・ベンツのSUVの中でも頂点に君臨するモデルです。

 

このモデルが誇る40年の歴史を振り返ってみましょう。

 

 

■ 究極のクロスカントリー車を目指して


 

 

1979年に市販車として登場したGクラス、その起源は1973年にまで遡ります。

 

ドイツのダイムラー・ベンツ社と、オーストリアのシュタイア・ダイムラー・プフ社が軽量な個人向けオフローダーの共同開発を目的とした協定を結んだのが、最初のスタートでした。

 

「軍用車由来の…」と紹介されることが多いGクラスですが、元々民間向けモデルとして開発されたのです。

 

こうしてスタートを切ったオフローダーの開発、様々なコンセプトが検討された結果、この2社は地球上のあらゆる環境に対応できる究極のクロスカントリー車を目指すことを決定します。

 

こうして高い悪路走破性を備えるのはもちろん、頑丈なラダーフレームに、修復のしやすさを考え、あえてシンプルな構造とエクステリア(外装)デザインを採用するという基本形が完成したのです。

 

 

■ 最初の発注は軍隊から


 

 

こうして進んでいった究極のクロスカントリー車の開発、1975年には量産開始の最終決定がなされます。

 

しかし最初に、この車両に強い関心を示したのは各国の軍事関係者でした。

 

当時ダイムラー・ベンツ社の大株主であったイランの軍は2万台を発注。

 

結局この発注はイラン革命によってなくなってしまいますが、西ドイツ警察やアルゼンチン軍、ノルウェー軍から発注を受けました。

 

こうした背景があり、「Gクラスは軍用車由来」というエピソードが広まったのです。

 

しかし、元来軍用向けの開発が行われていなかったとしても、各国の軍隊で採用された性能は確かなものであり、軍お墨付きと言えるものです。

 

 

■「ゲレンデ」の愛称はNATO名称から


 

 

こうして世界中の過酷な環境で愛用されることとなった究極のクロスカントリー車は、1979年にはNATOに正式採用されます。

 

この時ドイツ語でオフロード車を意味する「ゲレンデヴァーゲン(Geländewagen)」という制式名称が与えられます。

 

民生転用する際に、この名称の頭文字である「G」をとってGクラスと名付けられました。

 

Gクラスの愛称である「ゲレンデヴァーゲン」や「ゲレンデ」はNATOの制式名称が由来となっているのです。

 

 

■ 使いやすく進化を遂げた初代


 

1979年に生産を開始したGクラス。

 

初代民間向けモデルであるW460型は、1990年まで生産されていました。

 

その間に4回の改良が行われ、改良の度にタフな性能はそのままに、オートマチックトランスミッションが設定されたり、パワーウィンドウが装備されたりと、日常での使いやすさが向上していきました。

 

現在では日本でも高い人気を誇るGクラスですが、日本市場には1983年から導入されています。

 

先に3.0Lのディーゼルが日本市場に投入され、のちの1987年に2.3Lのガソリングレードが投入されました。

 

 

■ ロングセラーとなった2代目


 

 

民間向け2代目となるW463型は1989年9月にフランクフルトモーターショーで発表、翌1990年4月から販売されました。

 

このモデルは非常に長くラインアップされていて、現行モデルとなる3代目が登場する2018年まで、実に28年間現行モデルとして販売され続けていました。

 

そのため数多くの改良が施されたほか、限定モデルなどを数えると多くのバリエーションがあり、一概に2代目Gクラスといってもグレードや年式によっては別のクルマかと思うほどです。

 

中古車でGクラスを狙う場合、ほとんどがこの2代目となると思いますが、自身が求める条件をしっかりと考え、ターゲットとする年式やグレードを決めた方がいいでしょう。

 

 

■タフな性能はそのままに、モダンに進化した3代目


 

 

現行となる3代目モデルは2018年6月より日本市場での注文を開始、Gクラスと一瞬で分かるエクステリアながら、LEDライトを用いることなどにより、モダンに進化。

 

メカニズムも新設計のラダーフレームに、新開発のサスペンション、170kgの軽量化とフルモデルチェンジにふさわしい内容となっています。

 

また、今日のクルマとして必須になりつつある運転支援システムやコネクテッドシステムも充実した内容になっているのも見どころです。

 

しかしながらGクラスの魅力はやはりオフロード性能。

 

この点も抜かりなく従来モデルより進化しているのです。

 

 

■Gクラスは唯一無二の存在


 

 

近年は世界的なSUVブームですが、本格的なオフロード走行に対応できるモデルは数少ないです。

 

そのためGクラスを含め、本格オフロード走行に対応できるスズキ ジムニー、ジープ ラングラー、ランドローバーディフェンダーはクロカン四天王とも言われています。

 

世界の軍にも認められたタフな性能とメルセデス・ベンツの上位モデルならではの高級感、これらの要素を兼ね備えたモデルは他にありません。

 

Gクラスは唯一無二の存在なのです。

 

 

最新のGクラスの在庫情報を見る≫