英国王室御用達の自動車ブランドって?
モータースポーツ発祥の地とされるイギリス。
そんな自動車の歴史にゆかりある国の王室に「御用達」と認められた自動車ブランドは本物と呼ぶにふさわしいでしょう。
そんな性能と気品にあふれた英国王室御用達の自動車ブランドの一部を紹介していきましょう。
■英国王室御用達とは?
自動車ブランドに触れる前に、英国王室御用達に関して簡単に紹介します。
別名「ロイヤルワラント」とも言われる英国王室御用達は、英国王室の厳しい審査と認定を受けたブランドのみに与えられる称号です。
王室御用達という響きは英国王室が有名ではありますが、日本は始め、そのほかの国々でも王室御用達は存在します。
なお、英国王室御用達と聞くとイギリス由来のブランドのみしか許されないのかと思いがちですが、そのようなことはなく、日本の美術商である山中商会が英国王室御用達であったりします。
簡単に言ってしまえば英国王室の王族に気に入ってもらえばどの国のブランドでも英国王室御用達の紋章をつける許可を得ることができます。
2020年現在認定できる許可証は3つで、エリザベス2世女王、フィリップ (エディンバラ公)、チャールズ皇太子3名からのものとなっています。
■ランドローバー
高級な4輪駆動モデルが得意なランドローバーは、イギリスが世界に誇るオフローダーを作る自動車ブランドと言えます。
そのオフロード性能は高く評価されており、イギリス軍用車も製造しています。
そんなランドローバーは1951年に英国王室御用達の許可を授与、以降途切れることなくその許可を継続しています。
■ジャガー
現在はランドローバーブランドと同グループに属するジャガーは、古くから高級セダンやスポーツカーを得意とするブランドです。
高級セダンのXJシリーズは首相専用の公用車として採用されているのを始め、イギリス政府機関の公用車として広く採用されています。
なお、ジャガーもランドローバーと同じ1951年に英国王室御用達の許可を得て、本日まで継続しています。
3つ全ての許可証を保持している自動車ブランドはジャガーとランドローバーだけです。
そのためジャガーとランドローバーのカタログを見ると、エリザベス2世女王、フィリップ (エディンバラ公)、チャールズ皇太子の3名の紋章が記載されているのが確認できます。
■ロールスロイス
世界各国のセレブリティから愛される高級車の名門ロールスロイスは、20世紀初頭に設立された歴史のある自動車ブランドです。
1950年代からエリザベス女王の御料車として採用されているブランドです。
なお、この時まで英国王室御用達の自動車メーカーはダイムラーとなっていましたが、ロールスロイスの採用以降さまざまなメーカーが英国王室御用達メーカーとして認許されていくこととなります。
■ベントレー
ロールスロイスと並んでイギリスの高級自動車ブランドとして、その名が挙げられるベントレーも英国王室御用達の自動車ブランドです。
その中でも有名なのがステートリムジンでしょう。
2002年にエリザベス女王即位50周年を祝い献呈された特別モデルで市販はされていません。
なお、一般に市販されたモデルと同じ車両として近年では、(詳細な仕様は異なると思われますが)ミュルザンヌなどが御料車として使用されていました。
■アストンマーティン
イギリスのスパイ映画007シリーズでボンドカーとして大活躍を見せるアストンマーティン。
ボンドカーとしてのイメージが先行しがちですが、英国王室御用達ブランドでもあります。
特に有名なのはチャールズ皇太子のDB6でしょう。
彼は21歳の時にエリザベス女王からDB6をプレゼントされます。
その愛車を大切に乗りつづけていたチャールズ皇太子ですが、2011年に彼の息子であるウィリアム王子が結婚した際に、セレモニーにそのDB6は登場します。
イギリス国民の歓迎を受けながらブライダルカーとしてDB6が走っていくシーンは記憶に新しいところです。
■英国王室御用達に選ばれる訳
ここまで英国王室御用達の自動車ブランドの一部をご紹介してきました。
どのブランドも高級感と気品を兼ね備えたブランドといって間違いないでしょう。
単なる高級なブランドでは英国王室御用達のお眼鏡に叶うことは出来ないのです。
単純なお金持ちでは選ぶことが少ない、このセレクトのセンスが物語っているとも言えます。
あえて自らのブランドアピールを声高にしていない。
そんな姿勢が今回紹介した自動車ブランドのモデルから感じます。