フレンチミニバン!ルノー カングーのグレード解説
ルノー カングーというクルマをご存じでしょうか?
愛嬌のあるフロントフェイスに背高のっぽの佇まい、観音開きのリアドア(これはグレードや装備によって異なりますが)などなど、特徴を上げればキリがないフランス製のミニバンです。
■ザ・フランスの商用車

カングーのルーツは、4(キャトル)の後ろ半分を貨物仕様にして1961年にデビューした商用バンの4F (キャトルフルゴネット)です。
日本で言えばトヨタ プロボックスやライトエースなどのような存在の4Fは、フランス人にとってのビジネスパートナーとなり成功を収めます。
その後、ルノーの商用バンは1985年にシュペール5(サンク)をベースとしたエクスプレスがデビュー。
カングーはその後継モデルとして、貨物仕様のカングーエクスプレスとともに1997年に発売されました。
当初は乗用モデルのカングーとカングーエクスプレスの販売台数はおおよそ同じだったものの、その可愛らしい佇まいや使い勝手から徐々に人気に火が点き、気付けば乗用モデルはフランスをはじめ欧州で多くのファンを抱えるようになりました。
4L、エクスプレスと世代ごとにベースモデルを変更してきたルノーの商用バンですが、カングーではそのまま第2世代のカングー2が2007年にデビューします。

カングー2は、前述の特徴とポップなボディカラーで日本国内でも大人気となり、日本におけるルノーの販売を支えました。
つい先日、日本国内で3代目カングーのお披露目されたものの、カングー2の人気は継続しており、中古市場でも人気です。
そんなカングー2のグレードや装備について解説します。
■MTもあるパワートレイン

日本仕様のカングー2のエンジンは、日本導入から2017年まで販売された1.6L直列4気筒と、2014年のマイナーチェンジで加わったダウンサイジングの1.2L 直列4気筒ターボ、そして最終モデルに導入された1.5L直列4気筒ディーゼルターボの3種類があります。

トランスミッションは、1.6Lに4ATと5MT、1.2Lに6AT(EDC)と6MT、1.5Lディーゼルは6MTという組み合わせ。
フランスではいまでもMTが人気…というより、MT車が当たり前に走っている交通事情があるのですが、そのフランスの風を強く感じるラインナップですね。
■基本グレードは「アクティフ」と「ゼン」の2つだけ

その人気の高さから、さまざまな本当に数えきれないほどの限定仕様車が発売されてきたカングー2ですが、基本となるグレードは「アクティフ」と「ゼン」の2つです。
まずアクティフ(ACTIF)は英語のアクティブにあたるフランス語で、「活発」「活動的」などを意味するベースグレード。ごく初期の1.6はこのアクティフにあたります。
ブラックファブリックシートにマニュアルエアコン、前後無塗装の樹脂バンパーを装備するなど各部に商用車としてのルーツを感じますが、そこがまた現地感というか、どこかヨーロピアンな割り切りが潔く、根強い人気があるグレードだったりします。

対するゼン(ZEN)はフランス語で「落ち着き」「冷静」などを意味し、ボディ同色のバンパーや内装のレザー装備、ちょっと豪華な色合いのシートにフルオートエアコン、電動可倒式ミラーなどが装備される上級グレードです。
ごく初期の1.6はこのゼンにあたります。
■押さえておきたい人気の限定仕様車たち

・クルール(COULEUR)
クルールはフランス語で「色」を意味する言葉です。
カングーのクレールは、テーマに沿った特別なボディカラーをまとった特別仕様車のことです。
カングー2が日本導入された翌年の2010年に、フランスをイメージするオランジュ プロヴァンス、ベール パリ、ブルーフランスという3つの専用カラーをまとった最初のクルールが販売されたのを皮切りに、レギュラーラインアップにはない特別なカラーをまとったカングーが毎年のように用意されました。

注目は、フレンチレトロをテーマにクラシックなベージュや落ち着いたブルー、パステルグリーンが用意された2012年式と、花ををテーマにバイオレットや鮮やかなブルーとイエローが用意された2013年式、マルセイユの海をイメージしたブルーマルセイユの2017年式など。
落ち着いたアースカラーから、鮮やかなカラーまで、さまざまなカラーのカングーが存在しています。
・ラ・ポスト(La Poste)
日本で郵便屋さんの色といえば赤ですが、フランスでは黄色!
その郵便車をそのまま販売した特別仕様車が、2015年に初登場したラ・ポストです。
発表も日本の郵便局で行うなど、ユニークなエピソードを持つラ・ポストのボディカラーは、フランス本国の郵便カラーである”ジョン・ラ・ポスト”をまとうと同時に、専用のブラック&シルバーのバンパー、ブラックのリアバンパー、シルバーのドアミラーなどが装備されていました。
そもそもカングー2の可倒式の助手席やL字型のパーキングブレーキレバー、観音開きのリアドアなど、現地の郵便屋さんたちの要望によって実装された装備が数多くあるモデルですから、その装備に違和感のないのは当然のこと。
ラ・ポストは、2020年にも限定販売されていて、どちらも人気が非常に高いモデルなっています。
・リミテッド ディーゼルMT(Limited Diesel MT)
カングー2最後の限定車が、ディーゼルエンジンに6MTを組み合わせたリミテッドディーゼルMTです。
搭載される1.5Lディーゼルエンジンは低速から豊かなトルクがモリモリと立ち上がり、ディーゼル用のギアレシオに調整されたマニュアルトランスミッションで背の高い車体を自在に操る感覚は他のカングーではなかなか得難いもの。
WTLCモード燃費も19.0km/Lと優秀な経済性を持っています。
外観もシックなボディカラーに真っ黒なスチールホイール(センターキャップとボルトまで真っ黒という徹底ぶり)でタフな雰囲気が漂いますね。
日本のファンは登場をずっと待っていたようで、限定の400台は発売してすぐに完売してしまったほどだとか。
まだ新しいこともあり中古車で探すのは至難のワザです。
■魅力も遊び心もたっぷりなカングー

カングーの魅力はまだまだ語り切れないほどありますが、日本のミニバンとは少し違ったクルマに乗りたいな…と考えている方にはまさにぴったりな1台ということを断言しておきましょう。
さらに進化した3代目はもっと我々を楽しませてくれるに違いないのですが、個人的にはこの丸い顔付きの2代目、カングー2に惹かれるのです。
皆さんもぜひ一度カングー2をご検討下さいませ。




