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リムジンって、どんなクルマのこと?

 

リムジンタクシーやリムジンバスなど、”リムジン”というワードには、なんとなく高級なイメージこそありますが、本来の意味を正確に言い当てることができる方は、そう多くはありません。クルマのカテゴリーなのか、はたまたグレード名なのか、車名なのか、ちょっと混乱するリムジンについて、紹介します。

 

 

 

そもそもリムジンって、なに?

 

 

リムジン(limousine)は、をネットの辞書で調べてみると、「旅客送迎用空港バス、運転台と客席のあいだにガラス仕切りのある箱形自動車」とあり、その昔は御者と乗客の個室とが仕切られた馬車のことを表していました。

 

語源は、フランス語のlimousine(リムザン)で、地方の名前のほかに、その地方の羊飼いが着ていたマントの別名としても用いられていました。それが自動車に転用されるようになった理由は、このリムザンマントを馬車の御者が着ていたからとか、似ているマントを着ていたからとか、黒いボディカラーや長い形がリムザンマントに似ていたなど諸説あるようです。

 

現在では、おもに運転席と客席のあいだに仕切りを持ったセダンのことで、多くはボディがストレッチされたうえで豪華な内装をもつショーファードリブンに用いられています。

 

とはいえ、フランスやドイツでは、セダン(=箱型乗用車)の別称としてリムジンが用いられることもあり、これがリムジンというワードをわかりにくくしています。

 

 

 

リムジンにはどんな車種があるの?

 

 

1980年代以前には、リンカーン  リムジン、メルセデス・ベンツ 600 プルマン、ダイムラー DS420 リムジン、ボルボ 264TEなど、多くのメーカーが用意していましたが、近年は、メルセデス・マイバッハがS600プルマンをラインナップするほか、ロールス・ロイスはファントムのロングボディ、ベントレーはミュルザンヌのリムジンをワンオフするなど、超高級ブランドが手がけています。

 

そのいっぽうで、北米では改造専門メーカーにより、車両の胴体部分を真っ二つに切断し、ボディとホイールベースの延伸を行なったストレッチリムジンが販売されています。

 

ストレッチリムジンは、1920年代にコーチビルダーによって製作されたものが最初とされており、現在でもおもにアメリカでさかんに生産されています。

 

そのなかの人気の高い車種といえば、リンカーン ナビゲーター、キャデラック DTS、クライスラー 300といったセダンベースと、近年のSUV人気を反映した、ハマー H2、キャディラック エスカレード、リンカーン ナビゲーターなどがあります。

 

ボディストレッチする長さは任意で決めることができますが、8m以上のロングボディで後部座席を8〜9人乗りとした仕様が好まれているようです。

 

気になる室内は、マッサージ機能付きレザーシートやラウンドソファー、バーカウンター、シャンパンクーラー、テレビモニター、プレミアムサウンドシステムなど、いたれりつくせりの装備で、贅沢な時間を過ごせるよう作りこまれています。

 

 

フロントシートとリアシートが仕切られていることでリアシートを完全なプライベード空間とすることができる高級リムジンは、お金持ちの象徴といっても過言ではないでしょう。とはいえ現在では、ドライバー付きのレンタカーサービスもあり、記念日やパーティーなど、特別な時間を過ごすために利用する方もいるようですよ。