ボルボV40クロスカントリー T5 AWDサマム試乗インプレ
ボルボV40クロスカントリー(以下CC)は、ショートワゴンのV40をベースに最低地上高を10mm高めて、人気のクロスオーバーSUVテイストとしたモデルです。
キネティック、モメンタム、サマムという3つのグレードが用意されており、今回は上位機種にあたるT5 AWDサマムに試乗しました。
■車高を高めて魅力が増したV40の派生モデル
V40 CCの全長(4,370mm)と全幅(1,800mm)は、ベースとなったV40と同じですが、最低地上高を高めたことと、ルーフレールを装着したことにより全高は1,470mmと、30mm高くなっています。
エンジンラインアップは、今回試乗したT5と呼ばれる最高出力180kW(245ps)の2.0L直列4気筒ガソリンターボを筆頭に、最高出力140kW(190ps)を発生するD4 2.0Lディーゼルターボと、最高出力112kW(152ps)を発生するT3 1.5L直列4気筒ガソリンターボの3種類を設定。
組み合わされるトランスミッションは、T3が6速AT、D4とT5が8速ATで、駆動方式はT3とD4がFF、T5がAWD(4輪駆動)となっています。
■自然に溶け込むデザイン
普段は都会で生活しながら、週末は自然に触れ合いたいという人に向けたコンパクトサイズのアーバンクロスオーバーがV40 CCです。
張りのあるショルダーラインと、高められたロードクリアランスによって、力強く大地を踏みしめるイメージを表現したエクステリアには、ブラックの専用前後バンパーやサイドシル、ドアミラーカバー、サイドウインドウトリムなどを配し、個性を引き立てています。
独特な形状のテールランプとブラックのガラスパネルによって構成されるリアエンドは、V40譲りの大胆なデザインとなっています。
T5 サマムのインテリアは、シングルトーンまたはデュアルトーンのいくつかのカラーが用意されるほか、コントラストステッチが施された本革シート、センターパネルのモダンウッドデコレーションパネルなどが専用品となるほか、ハーマンカードンのスピーカーが標準装備とされ、都会にいながらも自然を感じられる落ち着いた雰囲気を漂わせます。
■パワフルかつ低燃費の高性能Drive-E
T5 AWDサマムに搭載されているエンジンは、最高出力180kW(245ps)、最大トルク350Nmに、14.8km/L(JC08モード燃費)を達成した新世代Drive-Eパワートレインです。
ターボエンジンらしい吹け上がりもさることながら、1,500〜4,800rpmという広い回転域で発生する最大トルクが、このエンジンの特徴です。
組み合わされる8速ATには、ハンドルから手を離さなくてもシフトチェンジ可能なパドルシフトを装備。ワインディングなどで使用すれば、ドライバーの思い通りのシフトチェンジが可能で、スポーティな走りを楽しめます。
電子制御AWDで路面状況や天候に応じて前後に最適なトルク配分を行ない、優れた走行安定性を発揮します。
■ストローク量の増加で乗り心地がアップ
フロントにマクファーソンストラット式、リアをマルチリンク式としたサスペンション形式は、V40と共通ですが、CCはサスペンションのストローク量が多く、乗り心地が良いことが特徴です。
試乗したT5 AWDサマムの電子制御AWDは、路面状況や天候に応じて前後に最適なトルク配分を行ない、優れた走行安定性を発揮します。
■なにかと使い勝手の良い1台
人気のコンパクトSUVですが、ショートワゴンのV40をベースとした関係で、 キャビンスペースとラゲージスペースがライバル車よりも余裕があります。
しかも全幅1,800mm、全高1,550mm以下に収まっているため、駐車場事情の厳しい都市部でも、そういった問題で躊躇することなく購入できるでしょう。
今回試乗したT5系は、AWDのみの設定ですが、それほどの高性能を求めないという方には、FFのD4やT3がオススメです。
特にD4系のクリーンディーゼルターボは、環境を含めた性能面で大きなアドバンテージを持っています。
しかも、最新の先進安全運転支援機能を標準装備しており、安全性でもトップクラスの実力。まさに3拍子揃った1台と言えるでしょう。