ついに生産終了!個性的な形のザ・ビートルとは?
ドイツの国民車、フォルクスワーゲン(以下 VW) タイプ1の流れを組む個性的な乗用車、ザ・ビートルが2019年で生産終了となり、その80年に渡る歴史に幕を閉じました。
2011年から生産されてきたザ・ビートルは、本国ドイツはもとより世界中で愛されたモデルとなりました。
今回は、ザ・ビートルの特徴を詳しく紹介します。
■古き良きスタイリング

ザ・ビートルのエクステリア(外装)の特徴は、何と言ってもその丸っこくて愛らしい形でしょう。
全体的に大きな弧を描くような丸いルーフラインと、タイヤを大きく包み込む張り出したフェンダーラインは、ドイツの偉大な国民車、タイプ1のデザインをモチーフとしたものです。

タイプ1と比べるとボディもずいぶん大きく、厚みがある印象ですが、逆に言うと現代の基準の安全性を確保しながら、よくぞここまで個性的なデザインが表現できるものだと感心するほどです。
タイプ1では前後のメッキバンパーが特徴的でしたが、現代風のザ・ビートルではボディと一体型のバンパーとなっており、スポーティな印象を与えつつ、過去のビートルの特徴をうまく融合させた素晴らしいデザインです。

オレンジやレッドなど豊富なボディカラーが選べるのはもちろんのこと、カブリオレの追加やクラシックカラーの設定、ギターメーカーとのコラボ、豪華内装の限定モデルやクロスオーバーモデルの追加など、そのアイコニックなデザインと遊び心あふれる個性を生かし、たくさんのトピックを提供してきました。

ボディサイズは、全長4,285mm×全幅1,815mm×全高1,495mm、ホイールベースは2,535mm、最低地上高は130mmとなります(ボディサイズはデザイン マイスターのもの)。
■モダンな内装は使いやすくてグッド

ザ・ビートルのダッシュボードパネルは、丸いエアコンの吹き出し口を含めて、曲線で構成されたパネルが配置され、個性を演出しながらも実用性の高い使いやすいデザインとなっています。
このパネルはグレードや仕様によってカラーリングや質感が異なり、個性の幅を広げる重要な装備品となっています。

ドライバー正面に位置するメーターパネル内には大型の三眼メーターが備わり、ボトムフラット(D型)形状のステアリングとの組み合わせはかなりスポーティな雰囲気があります。
スポーツグレードを選択すると、ダッシュボート中央にオプションで三連メーターを装備することもでき、走りを意識した雰囲気がさらに増します。
ザ・ビートルのベースとなるプラットフォームは、VW ジェッタなどのゴルフ5系が採用するA5プラットフォーム。
ボディタイプが3ドアハッチバック形状であるにもかかわらず、居住性は先代モデルに比べて向上しています。
リアドアがないため乗り降りはややしづらいものの、意外とリアシートの居住スペースに余裕があり、家族で出かけるという使い方もできそうです。
ラゲッジ容量は標準で310Lと十分あり、分割可倒式のリアシートを倒せば905Lまで拡大できます。
■3種類のエンジンを搭載

ザ・ビートルには、グレードによって異なる3種類のエンジンが用意されています。
まず最もベーシックなエンジンは、1.2L 直列4気筒SOHCターボエンジンで、最高出力は77kW(105PS)/5,000rpm、最大トルクは175Nm(17.8kgm)/1,500〜4,100rpmとなります。
車両重量が1,300kgであることを考えると、数値上ではややパワー不足なのかなと思ってしまいますが、実際に乗ってみると意外なほど低回転からトルクが出てくる感じで、力不足を感じません。
守備範囲の広いトルクバンドと軽快な吹け上がりは、クルマのキャラクターにぴったり合っているとさえ言えます。
よりスポーティなグレードのRラインには、1.4L 直列4気筒DOHCターボで、最高出力は110kW(150PS)/5,000〜6,000rpm、最大トルクは250Nm(25.5kgm)/1,500〜3,500rpmです。
アイドリングストップ機構や充電制御も備えたこちらのユニットは、燃費が18.3km/L(JC08モード燃費)という数値で、ラインアップ中最も燃費の良いエンジンとなっています。
最もパワフルなパワーユニットは、2.0 Rラインに搭載される2.0L 直列4気筒DOHCターボで、最高出力は155kW(211PS)/5,300〜6,200rpm、最大トルクは280Nm(28.6kgm)/1,700〜5,200rpmというスペックです。
搭載されるトランスミッションは、ベースグレードとRラインが7速DSG、2.0 Rラインが6速DSGとの組み合わせで、サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット、リアが4リンクとなります。
■なぜ生産終了したの?
世界中で人気となり、コンスタントに販売が続いていたザ・ビートルですが、なぜ生産終了となってしまったのでしょうか?
前述のとおり、ザ・ビートルのプラットフォームは旧式のA5プラットフォームのため、基本的な安全装備が旧式のものしか用意されない、というのが最も大きな理由でしょう。
やはり、アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシスト、歩行者検知機能付き衝突被害軽減ブレーキなど、先進の安全装備が装備できないとなると、自動運転レベルの引き上げを目指す市場では販売の継続が厳しくなります。
また2020年中期頃には、フォルクスワーゲンの新型コンパクトSUV、T-Rocが日本でも販売されます。
ゴルフがベースのT-Rocは日本でも人気となりそうですから、このカテゴリでの販売に注力するためにも、ラインアップの整理が必要だったのかもしれません。
生産終了となったザ・ビートルですが、モデル自体が消滅するという発表が公式にされているわけではありません。
ビートルはフォルクスワーゲンにとって重要なモデルの一つでしたから、もしかしたら今後新たな形で復活するかもしれませんね。




