フランス生まれの話題のミッドシップブランド「アルピーヌ」が復活
フランスのスポーツカーといえば、何を思い浮かべられるでしょうか。
日本で見かける大抵のフランスのクルマはコンパクトカーが多く街を走っています。
しかし、かつては世界ラリー選手権をも制覇したミッドシップのスポーツカーが存在しました。それがアルピーヌです。
2018年、約30年以上の時を経てカムバックを果たしたこのアルピーヌというブランドは一体どんなブランドなのでしょうか。

■アルピーヌとは何か?
アルピーヌとは、1956年にフランス人レーシングドライバー、ジャン・レデレが設立した自動車ブランドです。
創業者がルノーのディーラーを経営していたことから、創業当初よりルノーとの縁が深く、ルノー車のチューニングモデルやレース仕様車などを次々と手がけ、フランスで高い人気を博すこととなりました。
中でもルノーR8をベースにしたA110は、モータースポーツで圧倒的な実力を発揮し、アルピーヌの名前を一躍世界的に広めることに成功しています。
・1995年にいったんブランドが消滅
そんなアルピーヌは1973年にルノー傘下となりますが、それ以降も数多くのスポーツカーを手がけています。
A110をはじめA310、V6ターボ、A610などはひと目でアルピーヌと分かるほどの美しいスタイリングが特徴になっています。
しかし1995年のA610の生産終了をもってアルピーヌブランドはいったん消滅し、その後アルピーヌは「ルノースポール」と呼ばれるルノー社のスペシャリティカー製作に携わることとなりました。
その第1弾となったのが、アルピーヌらしさを色濃く残したスポールスピダーというスポーツカーで、以降クリオRS(ルーテシアRS)やメガーヌRSなどを手がけるようになっています。
・アルピーヌA110で復活
その後もアルピーヌという名前はしばらく沈黙を保ち続けていましたが、2012年にA110の誕生50周年を記念するコンセプトカー、アルピーヌA110-50が登場。
2014年にはついにルノーからアルピーヌブランドの復活がアナウンスされ、新しいスポーツカーを生産することが発表されています。そしてついに2018年、満を持してアルピーヌA110というスポーツカーが発売され、スポーツカー好きを中心に高い人気を博すこととなったのです。
■初代WRCチャンピオン アルピーヌ
アルピーヌの名前を世界的に広めた名車といえば何といってもA110です。
1963年から1977年まで生産されたこのアルピーヌの名車はラリーシーンで目覚ましい活躍を遂げています。
特に1973年のラリー・モンテカルロにおいては、激しい降雪の続く最悪のコンディションでレース序盤に1台のマシンがスリップアウトすると、後続車が140台(主催者発表)もコースアウトするという異常事態が発生するなか、最終ステージで表彰台をすべてアルピーヌが独占するという偉大なる記録を達成しています。
そんなアルピーヌA110は、ルノーR8をベースにしたスポーツカーで、FRPのモノコックボディを架装し、シャシーには鋼管バックボーンを採用。そのほかにもR8をベースとしながらも至る箇所においてレースシーンを意識した大幅な強化が図られています。
リヤエンジンによる強力なトラクションとFRPボディによる圧倒的な軽量化によってラリー界で一大旋風を巻き起こしたA110は、1973年には見事WRC初代マニファクチャラー・チャンピオンにも輝いています。
このA110は、搭載エンジンなどによって1100、1300、1500、1600、1800といったさまざまなバリエーションがあり、さらにフランス以外でもスペインやメキシコといった国でノックダウンによる生産も行なわれていました。
■21世紀に復活した現代版アルピーヌ
ラリー界の風雲児として数々の輝かしい記録を成し遂げた初代アルピーヌ。いったんはアルピーヌの名前こそ姿を消してしまったものの、21世紀に新しいアルピーヌA110が復活を遂げました。
ルノー傘下であるアルピーヌブランドから2017年に発表された新時代のA110では、初代のようなRRレイアウトではなくミッドシップレイアウトを採用。
座席も初代A110の2×2ではなく2シーターを採用しています。
この21世紀版A110を担当したのは、アントニー・ヴィラン率いるデザインチームで、4つのヘッドランプを配したフロントフェイスやX型に点灯するテールライトなど、伝統と未来を融合することに成功しています。
ボディは初代同様に軽量化が徹底され、コンポーネンツの約96%がアルミニウム、残りが樹脂パーツという構造になっており、そのこだわりはグラム単位まで計算されています。
そんな新生アルピーヌA110のボディサイズは、全長4,205mm×全幅1,800mm×全高1,250mm、ホイールベース2,420mm、車両重量は1,110kgと現代のスポーツカーとしてはかなり軽量化&コンパクト化が図られています。
エンジンは1.8L直4ターボを横置きで搭載し、最高出力は252PS(185kW)/6,000rpm、最大トルクは320Nm(32.6kgm)/2,000rpmを発生。
日本では右ハンドルのみの「A110ピュア」とボディカラーによって左右ハンドルが用意される「A110リネージ」が設定されています。
駆動方式は後輪駆動で、トランスミッションには電子制御7速DCTが搭載されるなど、コンパクトかつ軽量なボディを小気味よくドライビングできるようになっています。
初代アルピーヌA110とは違ったエンジンレイアウトながらも、その意思をしっかりと受け継いだ21世紀版のアルピーヌA110。
現代のライトウエイトスポーツとして新しい魅力を存分に有しており、初代A110と同様に次世代の名車として語り継がれることになりそうな1台に仕上がっています。




