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航空機と関わりの深い輸入自動車メーカー

 

インプレッサやフォレスターを製造するスバルが、第2次大戦中に戦闘機を製造していた中島飛行機をルーツに持つのは有名なハナシです。

 

そこでエンジン製作の技術を磨き、現在のスバルにつながっています。

 

海外に目を向けると、スバルと同様に航空産業に従事したメーカーがいくつかあります。

 

ここでは、そんなメーカーを簡単な歴史を交えて紹介します。

 

 

■サーブ


 

 

かつては、ボルボとともにスウェーデンを代表する自動車メーカーだったサーブ(SAAB)。

 

もともとは、1937年に設立されたスウェーデン軍向けの航空機を製造するために設立されメーカーで、第二次大戦後の1947年に自動車部門としてサーブ・オートモービルがスタートしました。

 

SAABは、Svenska Aeroplan Aktiebolaget(スウェーデン航空機会社)の頭文字をとって名付けられたもので、軍用機の生産を行なっていましたが、戦後は企業の多角経営により自動車製造業にも乗り出しました。

 

民間機部門では1944年以来、おもに小型レシプロおよびターボプロップ機の製造が中心となっており、日本でも同社製の旅客機を導入していたこともあるほど。

 

しかし世界の旅客機製造メーカーにおける競争で淘汰され、民間機の製造部門は廃止されました。

 

 

SAABが手がけた航空機は旅客機、軍用機ともに航空機ファンに広く知られているものが多く、たとえば軍用機では第2次大戦時につくられたサーブ21という双胴戦闘機や、トゥンナン(樽の意)というペットネームで知られるサーブ29、ダブルデルタ翼のサーブ35 ドラケン、近年ではスウェーデン軍をはじめブラジルやチェコ、タイ、ハンガリーの空軍でも採用されたサーブ39 グリペンなどがあります。

 

そのいっぽうで自動車部門は、1990年にGMの出資を受け独立、2000年にはGMの完全子会社となり、本体のサーブとの関係は解消されました。

 

しかし2009年に経営が悪化、2010年にオランダのスパイカー・カーズへ売却されるも、業績は低迷したままで、2011年に破産。その後、スウェーデンの自動車メーカーであるNEVS(National Electric Vehicle Sweden AB)が買収。

 

現在は、NEVS社からサーブ9−3をベースにしたEVがリリースされています。

 

 

■BMW


 

 

白と青が十字に交差するロゴマークでおなじみのBMWですが、その背景には航空機向けのエンジンを製造していた時代があることを知る人は少ないかもしれません。

 

その歴史は非常に古く、1916年に創業者となるグスタフ・オットーが航空機エンジンのメーカーとしてバイエリッシュ・フルークツォイク・ヴォルケ株式会社を創立したことが始まりでした。

 

翌年には社名をBMWに改名し、同社名で最初の航空機エンジンとなるタイプIIIaの生産をスタートさせています。

 

 

その後、1923年にオートバイ(R32)を生産。1926年には航空機製造部門が分離され、社名もBFWにあらためられました。

 

この会社がメッサーシュミット社となり、第2次大戦時におけるさまざまな名機を生み出すこととなります。

 

BMWは1929年にオースチン セブンのライセンス生産を開始。

 

1932年に独自の3/20 AM1を製造し、4輪車の世界にも進出しました。

 

航空機部門を切り離したBMWでしたが、第2次大戦中は世界初のジェット戦闘機、メッサーシュミットMe262用ジェットエンジンの製造に着手。

 

翌1940年には、戦闘機フォッケウルフ用エンジンの生産も手掛けるようになりました。

 

しかし戦後、これらの実績が連合諸国から問題視され、3年間の操業停止処分を受けることとなり、一部工場も連合国によって接収されました。

 

再開後は、まずオートバイ(R24)を皮切りに自動車製造に重きを置くようになり、1965年に航空機用エンジンの生産を中断。

 

それから25年後、1990年になるとロールスロイスの航空部門と提携して、BMW−ロールス・ロイス社を設立。航空機エンジンの生産を再開しています。

 

BMWのエンブレムに関する”十字の文様は航空機メーカーだった時代の名残としてのプロペラをあらわし、青は大空を、白は雲をそれぞれ表現している”という説は、こういった歴史的背景から生まれたものです。

 

 

■ロールス・ロイス


 

 

イギリスが世界に誇る高級自動車メーカーとして有名なロールス・ロイス。

 

そんなロールス・ロイスは、現在でも航空機用のエンジンを手がけていることをご存じでしょうか。

 

1906年に創業したロールス・ロイスが航空機の世界に進出したのは、第1次大戦時でした。

 

当時の英国空軍が航空機用エンジンの開発を持ち掛けたことが始まりで、その性能の高さが認められ、同社は航空機用エンジンのメーカーとしても知られるようになります。

 

その後、第2次大戦時には、自動車生産を中止して航空機エンジンの生産をはじめとする軍需生産に特化するようになります。

 

この時期に製造した液冷V12レシプロエンジンは、スピットファイアやランカスター、モスキートといった英国空軍の軍用機に次々と採用。

 

さらにライセンス生産によってアメリカ空軍でも採用され、マスタングのエンジンにも用いられていました。

 

 

さらにレシプロエンジンだけでなくジェットエンジンの開発も行なっており、1949年に初飛行を行なった世界初のジェット旅客機にも同社製のエンジンが採用されています。

 

しかしながら後の1960年代に開発したエンジンによる事故や不具合などが度重なり、ロールス・ロイス社自体の経営が傾き、ついに同社は国有化されることになりました。

 

そして1973年に自動車部門と航空機製造部門が完全分離化され、航空機部門は1987年に民間企業のロールスロイス・ホールディングスとなり、現在は世界で2番目に大きな航空用エンジンの製造会社として継続されています。

 

エアバスA350やA380のエンジンカバーに、見慣れたRRのエンブレムが描かれているのに気づいた方もおられるでしょう。

 

ちなみに1990年に設立されたBMWとの合弁会社(BMWロールスロイス)は、2000年にBMW側のもつ株を獲得し、傘下に収めています。

 

かつて航空機用のエンジンを製造していた、あるいは現在も別会社として同エンジンを製造しつづけている自動車メーカー。

 

大空を華麗に舞う飛行機やそのエンジンをつくり続けてきたという自負が、各メーカーそれぞれの個性にあらわれているのかもしれません。

 

 

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