おしゃれな商用バン!ルノー カングーの歴代モデルを紹介
ルノーから販売されているカングーは、日本ではポップでオシャレなモデルというイメージが強いかもしれませんが、本国フランスをはじめヨーロッパ地域では商用バンとしてのニーズが高いモデルでもあります。
今回はそんなカングーの歴代モデルを振り返りつつ、商用バンならではの高い実用性と、オシャレなポイントについて注目していきたいと思います。
※画像はすべて2代目です。
■ルノー カングーとはどんなモデル?
日本市場では乗用車としてのニーズが多いカングーですが、当初はそれまで販売されていた小型貨物車「エクスプレス」の事実上の後継モデルとして登場しました。
その証拠に日本では正規輸入されていませんが、ヨーロッパでは商用モデルであるトールバンのグレードや、積載量が優れるロングホイールベースグレードなどもラインアップされています。
日本市場向けのルノーホームページを見てみると、トップページから簡単にカングーを見つけることができ、日本市場での売れ筋であることが読み取れます。
しかし、ヨーロッパ市場では国によっては商用向けカテゴリーラインアップに属していますし、第一日本市場向けページで見かけるカラフルなカングーとは異なり、ヨーロッパ向けのカングーはブラックの樹脂バンパーを装着したグレー系のボディカラーが中心で正直地味な印象です。
ではなぜ、日本市場独自とも言える人気をカングーは築き上げたのでしょうか?
その秘密を、歴代モデルを振り返りつつ探っていきましょう。
■パーソナルカーとしての進化を歩んでいった初代モデル
1997年に商用グレードと乗用グレードの両方がヨーロッパ市場で登場、しかし日本での販売開始はそこからしばらく経った2002年3月のこと。
日本市場には乗用グレードのみが販売されました。
カングーと言えば観音開きのリアハッチが現在では特徴的ですが、当初は上に跳ね上がるハッチバックドアのみでした。
2003年8月に日本市場における最初のマイナーチェンジを実施、ここで観音開きのリアハッチが追加されます。
また、エクステリアデザインの変更が行われたほか、ボディーカラーの追加や遮音性の向上などが行われ、よりカジュアルなパーソナルカーとしての改良が施されました。
その後も何度か改良を受けましたが、その内容はMTグレードの追加やインテリアの質感と使い勝手の向上などが挙げられ、選べる楽しさの充実と室内でより快適に過ごせる点に重点を置いていると感じさせるものでした。
そんな進化を遂げていった初代カングーは、輸入車というオシャレなイメージと、商用バンベースならではの工夫が施された収納スペースから来る使い勝手の良さが評価され、ヤングファミリー層を中心に日本市場で人気となりました。
■大きくなっても人気は衰えない2代目モデル
2007年にフルモデルチェンジを受け、フランクフルトショーで発表となった現行となる2代目カングー。
しかし日本市場への投入はそこから約2年後の2009年9月のことでした。
このフルモデルチェンジで大きく変わったポイントはボディサイズです。
モデルチェンジで大きくなることはよくあることですが、初代と比べた2代目カングーの増大度合いは普通じゃありません。
全長4,215mm×全幅1,830mm×全高1,830mmというボディサイズは初代に比べて全長で180mm、全幅で155mmも大きくなっています。
「ちょっと大きくなった」どころか「かなり大きくなった」2代目は、「デカングー」というニックネームが日本で付けられてしまったほど。
2013年のマイナーチェンジでは、新デザインが採用されさらに全長が伸び、ボディサイズは全長4,280mm×全幅1,830mm×全高1,810mmになりました。
しかし、その使い勝手の良さは健在で、ボディサイズの拡大によって、その積載能力により磨きがかかりました。
当初はその大きくなったボディサイズから「日本での人気は下火になってしまうかも…」という声も聞かれましたが、そんな心配を跳ね除ける成功を収めます。
大きくなっても販売台数を伸ばし続けたカングーは、日本市場におけるルノーの販売台数全体の約1/3を占めていると言われており、一時は半数以上がカングーであったこともあります。
また、その日本での独自の人気も相まって、この2代目からは数多くの特別仕様車が日本市場で販売されました。
商用バンの1モデルと考えると、このことは異例とも言えるでしょう。
■カングーは日本で進化を遂げたフランス車
ヨーロッパでも乗用モデルの人気が高いとは言え、販売台数の約7割が商用グレードであるというカングー、それだけにヨーロッパから見ると日本でのここまでの人気が不思議に思われることも少なくないそうです。
ルノージャポンが毎年開催している(2020はコロナウィルスのためオンラインで開催)カングージャンボリーには、1000台を超えるカングーが集まるほど、商用ニーズが発端としたモデルとしては、このようにユーザー交流が行われるのは異例とも言えます。
ある意味日本で独自の進化を遂げたフランス車とも言えるカングー。
荷物が積めるオシャレなクルマなんてそうそう無いので、気になった方はチェックしてみては?