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ダブルバブルルーフが特徴的なプジョー RCZはどんなモデル?

 

プジョーと言えば、407や308など真ん中を0とした3桁の数字をモデル名に採用していることが多いです。

 

しかし、今回紹介するRCZはその伝統に習わず、モデル名に数字を使わないモデルとして当時話題になりました。

 

一体プジョーはRCZをどんな想いで世に送り出したのか?

 

そのコンセプトや特徴を紹介していきます。

 

 

■RCZは様々な「プジョー初」に溢れたモデル


 

 

RCZは2009年のフランクフルトモーターショーで初披露、翌2010年5月より日本市場での受注が開始されました。

 

その起源は2007年フランクフルトモーターショーで発表されたコンセプトカー「308 RCZコンセプト」にあります。

 

独特なルーフラインを中心として、ほぼコンセプトカー通りと言えるエクステリア(外装)デザインは、一度見たら忘れることのない唯一無二のものです。

 

2+2の4シータークーペであるRCZはプジョー初のコンパクトスポーツクーペと位置づけられ、このモデルからプジョーのブランドロゴであるライオンマークも新デザインになりました。

 

まさに新時代のプジョーのブランドイメージを担う役割を与えられて登場したモデルなのです。

 

プジョーの新しいコンセプトが与えられたRCZは、デザインと走りの良さが高く評価され、2010-2011日本カーオブザイヤー実行委員会特別賞を受賞しました。

 

 

■一度見たら忘れることはないRCZのデザイン


 

 

RCZを紹介する上で外せないのは何と言ってもデザインです。

 

フロントフェイスこそ同ブランドの小型ハッチバック初代308と似ていますが、横からのシルエットが大きく異なります。

 

エクステリア(外装)で目を引くのがアルミの輝きを放つ「アルミナムアーチ」です。

 

AピラーからCピラーまでが一体となっていて、寝かされたウィンドウと伸びやかなルーフラインを際立たせ、低いプロプーションをより印象深いものにしています。

 

 

また、まるで戦闘機のキャノピーが並列に並んでいるかのような、盛り上げられたルーフとリアウィンドウは「ダブルバブルルーフ」と名付けられており、ルーフ高を極限まで低くし空気抵抗を抑えつつも、乗員の頭上空間を確保しているのです。

 

 

特徴的なエクステリアを目の前に見落としがちですが、インテリア(内装)にも随所にこだわりがあふれています。

 

レザーをふんだんに使い高級感あふれる空間となっているのはもちろん、ダッシュボードには優しい手触りを楽しめる独自素材、「プジョーテクノテップ」を用いており遊び心も忘れていません。

 

 

またホールド性に優れたバケットタイプのシート、視認性に優れた大径のメーター類、他のプジョーモデルでは採用されていないダッシュボードに配置されたアナログ時計など、スポーツカーらしい空間演出もバッチリで、ドライバーに高揚感をもたらします。

 

 

■RCZのメカニズム


 

 

デザインは思いっきりスポーツカーのRCZ、続いては中身のスポーツ度合いをチェックしてみましょう。

 

まず足回り、308の前マクファーソンストラット式・後トーションビーム式のサスペンションをベースにし、スポーツカーらしいダイナミックなハンドリングと、「ネコ足」と表現させる地面に吸い付くしなやかな乗り心地の両立を実現しています。

 

そしてパワートレイン、日本市場には右ハンドルの6速AT車と左ハンドルの6速MT車が用意されました。

 

どちらも1.6L 4気筒ターボですが、AT車が最高出力115kW(156PS)/6,000rpm、最大トルク240Nm(24.5kgm)/1,400〜3,500rpmというスペックなのに対して、MT車は147kW(200PS)/5,800rpm最大トルク275Nm(27.5kgm)/1,700rpmというスペックを誇ります。

 

0-100加速はMT車で7.6秒となっていて、スポーツカーとして高性能という訳ではありません。

 

しかし低回転から最大トルクを発生するその特性によって、スポーティさを十分に感じさせてくれます。

 

 

■辛口なホットモデル「RCZ R」


 

 

2013年9月にフランクフルトモーターショーでRCZの高性能モデルRCZ Rが発表されました。

 

排気量は同じ1.6Lながら、よりパワフルになったエンジンを搭載し、最大出力199kW(270PS)/6,000rpm最大トルク330Nm(33.7kgm)/1,900rpmというスペックを誇ります。

 

トランスミッションは6速MTのみとなっていて、専用チューニングサスペンションにより10mm低められた最低地上高、ホールド性が高められた専用のバケットシートなど硬派なモデルに仕上がっています。

 

RCZ Rは日本では2014年4月から日本市場150台限定で販売され、RCZのモデル末期となる2015年9月には、カーボンルーフを装備したRCZ Rの最終限定モデルが日本市場30台のみ販売されました。

 

販売期間が短く、台数も少ないRCZ Rは日本市場では希少な存在です。

 

 

■個性的なクーペがほしい方にオススメのモデル


 

RCZはハイスペックを誇る訳でもなく、駆動方式はFFのみのラインアップとなっているため、スポーツカーというよりはスペシャリティカーとしての色が強いモデルと言えます。

 

しかし、ワインディングなどでスポーティな走りが味わえないという訳ではないですし、何よりも他にはない個性的なデザインが魅力な存在です。

 

他にはない世界観を持つRCZ、2ドアクーペを検討している方には是非一度検討してほしいモデルです。

 

 

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