輸入車のホイールはなぜ汚れやすい?その対策はあるのか?
輸入車を実際に所有したことがある方なら、日本車よりもホイールが汚れやすいと実感した経験が多いのではないでしょうか?
今回は輸入車のホイールが汚れやすい理由と、その対策について紹介していきます。
■汚れの原因
洗車の度にホイールを綺麗にしても、すぐに黒いススのような汚れがついてしまう輸入車、日本車ではそのようなことは少ないのに、このような汚れがついてしまう原因は一体どこにあるのでしょうか?
それはブレーキにあります。
現在多くの自動車に採用されているディスクブレーキは、タイヤと共に回転するブレーキローターに、ブレーキパッドを押し付けて制動力を発生させています。
この時に、ブレーキパッドもしくはブレーキローターは僅かながら削られます。
この削られた時に発生するカスが、汚れとなってホイールに黒く付着するのです。
そのため、必ずしも輸入車だけで起きる減少ではなく、国産車でもホイールが黒く汚れることはあります。
また、このような原因で汚れるため、ホイールに付着する黒い汚れを「ブレーキダスト」とも言います。
■ブレーキの構造的特徴の違い
しかし、輸入車、特にヨーロッパ車の方がホイールの汚れが目立ちやすい傾向にあります。
その原因は国産車とヨーロッパ車のブレーキの構造的な特徴にあります。
ヨーロッパ車のブレーキは、国産車に比べてブレーキパッドだけでなく、ブレーキローターも摩耗させることによって、国産車よりもより高い制動力を発揮します。
このため、ヨーロッパ車のホイールの汚れはブレーキパッドのカスよりも、ブレーキローターから発生する鉄粉が主な原因。
なので、国産車よりも汚れが落ちにくく、ホイールに付着しやすいのです。
また、それを表す根拠としてヨーロッパ車の方が国産車に比べて、ブレーキローターを交換する頻度が多いことが挙げられます。
車種や使用状況によって異なりますが、ブレーキパッド2回交換につき、1回ブレーキローターを交換すると言われています。
国産車の場合それほどブレーキローターの交換頻度は多くありません。
■なぜブレーキローターを削る?
ではなぜ、ヨーロッパ車はブレーキローターも摩耗させるのでしょうか?
それは高速道路を中心に、交通全体での自動車の速度域が高いからです。
日本では2020年現在、高速道路の最高速度は120km/hとなっていますが、ヨーロッパ諸国では、130km/hや150km/h、中には速度無制限という場所まであります。
また、高速道路以外の一般道でも日本の60km/hよりも速い80km/hや100km/hという制限である国が見られます。
そのような高い速度域を安全に走行するためには、しっかりと速度を落とせる制動力をもったブレーキが必要なのです。
■ホイールを綺麗に保つ対策
確かな性能のため、ホイールが汚れてしまうのは仕方ないですが、愛車をいつも綺麗にしておきたいという気持ちは、クルマ好きならだれでも同じでしょう。
ブレーキダストが出やすい輸入車でも全く対策がないわけではありません。
日常のお手入れの部分からできる対策を紹介しましょう。
まずは、洗車時にカーシャンプーでホイールを洗浄するのではなく、ホイール専用に作られた洗浄剤でホイールを洗いましょう。
鉄粉やブレーキダストに特化した成分配合になっているので、カーシャンプーよりも綺麗に落とすことができます。
また、洗車時にはホイールコーティングをするのもオススメです。
しっかりとホイールを洗浄した後に、ホイールコーティングを施せば、ブレーキダストが今までよりつきにくくなります。
それでも満足しないという方は、ホイールコーティングをプロに任せるというのも手でしょう。
市販で購入できるホイールコーティング剤よりも耐久性があるものを施工してくれるので、洗車の度にホイールを自らコーティングせずに、水洗いだけで済ませられます。
また、手入れ以外の方法としてブレーキパッドを、ダストが出にくいものに変えるという選択肢もあります。
近年は各アフターパーツメーカーから、ダストが出にくいブレーキパッドが販売されていたりします。
もちろん、値段だけで選ぶと純正よりブレーキ性能が大きく劣ってしまうということもありますが、しっかりとしたメーカーのものを選択すれば、普段使いならなんら問題のない性能を保ちつつ、ブレーキダストを抑えることが可能です。
■オシャレは足元から!日頃のお手入れから意識しよう
輸入車のブレーキダストが出やすいというのは、交通事情の違いが生み出したものでもあります。
輸入車に乗るのであればそのような点をしっかりと理解して、日頃のお手入れに勤しめばより愛着が湧くはずです。
オシャレは足元から!とも言いますから、ホイールを綺麗にしてオシャレに輸入車に乗りましょう!