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アンダー500万円で狙うイタリアン高級サルーン。マセラティ ギブリ

 

ギブリはイタリアの高級車ブランド、マセラティの4ドアサルーンです。

 

伝統的なデザインや官能的なパワートレイン、イタリアンテイスト満載のディテールは、多くの愛好家を魅了してきました。

 

新車価格は956万円〜と1,000万円を切る設定で、マセラティのなかでは比較的購入しやすいモデルと言えます。

 

さらに中古車であれば500万円以下で狙うことも十分可能で、新車のレクサスISとほぼ変わらない値段で購入することができます。

 

そんな、魅力あふれるマセラティ ギブリの特徴やグレード別装備・スペックを解説しましょう。

 

 

■ギブリのルーツはスポーツカー


 

 

ギブリのネーミングは、1966年にまでさかのぼることができます。

 

4.7LのV8エンジンをフロントに積んだロングノーズ&ショートデッキに、なだらかなルーフラインにリトラクタブルヘッドライトいう要素を組み合わせた、スポーツカーのお手本のようなスタイリングの初代ギブリは、1973年まで販売。

 

後継車としてカムシンが登場したためギブリの名前はカタログから消滅します。

 

このフェラーリ デイトナをライバルとする美しいスタイリングは、イタリアデザイン界の巨匠ジョルジェット・ジウジアーロが手掛けたものでした。

 

1992年に登場した2代目ギブリは、エッジの効いた存在感のある2ドアのクーペボディに、2.8L V6ガソリンツインターボエンジンを搭載。

 

6速MTのほかに4速ATもラインアップされていました。 この2代目は1997年まで販売され、後継車である3200GTの登場により、ギブリはふたたび消滅しました。

 

そして再度復活したのは2013年のことで、これが現行型となります。

 

 

初代や2代目とは異なり、後席にもドアを持つ4ドアサルーンというパッケージングではありますが、“ネコ目“と呼ばれる鋭いデザインのヘッドライトやフレームレスウインドウ、大胆な縦桟デザインのフロントグリル、クラシックなオーバル型のロゴ”サエッタ”を配置したCピラーなどなど、現代のマセラティらしいディテールを随所にちりばめたスポーティかつ美しいデザインが特徴となっています。

 

それでは、現行型ギブリのグレードラインアップを見ていきましょう。

 

 

■3種類のエンジンと2つの仕様


 

 

ギブリは高級スポーツカーであり、多くの高級モデルがそうであるように、自分だけの1台を仕上げていくというやり方でオーダーします。

 

そのため、装備の少ないベーシック、バランスのとれた中間グレード、豪華装備のトップグレード、といった階層になっている一般的なモデルとは異なることを覚えておく必要があります。

 

あのアプローチの手始めとして、まずパワートレインを選ぶところから始めます。

 

2021年現在、ギブリに搭載されるエンジンは、3.0L V6ターボとギブリ トロフェオ用の3.8L V8ツインターボ、2.0L 直4ガソリンエンジン+モーターのハイブリッドの3つで、3.0L V6ターボのみ出力の異なる2タイプが用意されます。

 

それに2016年〜2020年まで販売されていた3.0L V6ディーゼルターボを加えた4つが中古市場で流通しています。

 

 

スペックは、3.0L V6ターボが最高出力257kW(350ps)/5,500rpm、最大トルク500Nm/4,500rpmと、ハイスペックな最高出力316kW(430ps)/5,750rpm、最大トルク580Nm/2,250–4,000 rpmの2種類。

 

3.8L V8ツインターボは、最高出力427kW(580ps)/6,750rpm、最大トルク730Nm/2,250-5,250rpm。

 

ハイブリッドは、最高出力は330ps/5,750rpm、最大トルクは450Nm。

 

ディーゼルは、最高出力202kW(275ps)/4,000rpm、最大トルク600Nm/2,000rpmとなっています。

 

駆動方式は、フルタイム4WDを採用したギブリS Q4以外は、FRです。

 

新車をオーダーする場合、このエンジンをベースとして、基本的な仕様を選ぶとラグジャリーな“グランルッソ”になり、20インチホイールを装備するスポーティな“グランスポーツ”がその上級グレードといったイメージでとらえるとわかりやすいかもしれません。

 

 

■豪華さではグランルッソで十分だが


 

 

ギブリのインテリアは、“ダブル・コックピット・レイアウト“という、運転席と助手席を独立させた専用デザインのダッシュボードを採用することにより、運転席側ではドライバーに高揚感をもたらすいっぽうで、助手席側はゆったりと上質な空間を味わうことのできる空間となっています。

 

グランルッソは、メモリー機能付12ウェイ電動調節式コンフォートシートを採用し、シート生地は、ピエノ・フィオーレ・プレミアム・ナチュラルレザー、またはバックレストと座面の 中央にErmenegildo Zegnaシルクをあしらったレザーシートから選択可能。

 

いっぽうグランスポーツは、ドライバーの身体をしっかりサポートするスポーツシートで、12ウェイ電動調節機能やメモリー設定が可能。

 

さらに、グリップ力の高いスポーツステアリングホイール、ギアシフトパドル、Inoxスポーツフットペダルなどが標準装備です。

 

空調ルーバーや操作系、ステアリングのメタル加飾やダッシュボードのステッチ、トリム類やシートの感触など、マテリアルに徹底的なこだわりと作り込みを感じさせるところが、イタリアの高級家具を手に入れたかのような気分にさせてくれることでしょう。

 

 

■スポーツサルーンに恥じない装備の数々


 

 

もっともベーシックなエンジンでも257kW(350ps)のパワーがあるわけですから、スポーツセダンの名に恥じない力強い走りを存分に楽しむことができます。

 

インパクトのあるデザインに見合った官能的なエンジンサウンドも、イタリアンスポーツカーを所有する喜びと満足感を満たしてくれるものです。

 

また理想的な重量配分や空力を考慮したボディ設計、優れたハンドリング性能、ZF製8速AT、ブレンボ製デュアルキャストブレーキシステム、状況に応じて減衰力を変化させるスカイフックサスペンション(グランスポーツに標準装備)など、高級モデルならではの贅の尽くされたメカニズムは、本物志向のドライバーの要求に見事に応えてくれます。

 

安全性能に関しては、先進安全運転支援システム「ADAS」を搭載。

 

これにはアダプティブ・クルーズ・コントロール、レーン・キーピング・アシスト、サラウンド・ビュー・モニター、アクティブ・ブラインドスポット・アシスト、道路標識自動認識システム、前方衝突警告プラスなどが含まれています。

 

ギブリはメルセデスのEクラスやBMW 5シリーズなど、ドライバーズサルンとしても人気のEセグメントに属する人気モデルです。

 

 

2013年から販売されているロングセラーということも手伝って、中古市場では初期の3.0L V6モデルが300万円後半で見つけられるようになってきていますので、この機会に選択肢のひとつに入れて、官能的なエンジンやイタリアのセンスあふれるインテリアやデザインなど、ドイツやイギリス系のモデルでは決して味わうことのできない魅力を体感してみませんか。

 

 

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