いま狙い目、手ごろな輸入オープンカー、ベスト10
ルーフを開閉させることのできるオープンカー。
その魅力は、他のボディスタイルでは味わうことのできない、圧倒的な開放感と気持ちよさです。
さらに輸入モデルとなれば、そのスタイリングと存在感は道行く人々の注目の的。
クルマ好きなら、一度は乗っておきたいモデルではないでしょうか?
そこで今回は、中古でおすすめの輸入オープンカーを紹介します。
※本文中の中古車価格は、2022年9月時点の中古車相場を参照しています。
■ノングノーズのスタイリングも魅力:BMW Z4
2002年まで販売されていたコンパクトオープンスポーツ、Z3の実質的な後継モデルにあたるZ4。
トヨタスープラと姉妹車となった現行モデルは2019年デビューと新しくまだまだ高値ということで、ここでは先代の2代目Z4にフォーカスしてみました。
2009年に登場した2代目Z4は、ボディサイズ全長4,250mm×全幅1,790mm×全高1,290mmのBMWらしい優雅でスポーティなデザインが特徴で、ルーフは幌ではなく軽量アルミ合金製のリトラクタブルハードトップというリッチな仕様。
長いノーズにエンジンを搭載するFR(後輪駆動)レイアウトでパワートレインは、2.5L 直6DOHCに6速AT、3.0L 直6ツインターボに7速DCT、2011年には2.0 L直接4気筒直噴ツインスクロールターボエンジン+8速ATが追加され、2.5Lはこのタイミングで廃止されました。
搭載されるダイナミック・ドライビング・コントロールは、ギアシフト特性、アクセル特性、ステアリング特性をドライバーの好みに応じて3段階に変更可能なシステムで、Z4の魅力をさらに高めるアイテムです。
また車高を10mm低くし、ダンパーの伸び側、縮み側それぞれを4輪独立して調整することが可能なアダプティブMサスペンションは、オプションで用意されました。
2代目Z4は、前後重量配分に優れたBMWらしいレイアウトとスポーティな走りを味わいたい方におすすめです。
中古車市場では、100万円台後半から探すことができます。
■今後、中古車価格が上昇するかも:アバルト 124 スパイダー
イタリアの名門コーチビルダー、ABARTH(アバルト)が1970年代の名車アバルト124ラリーのコンセプトやデザインをモチーフに、現代に蘇らせたモデルが、アバルト124スパイダーです。
ベースはマツダ ロードスターで、シャシーやトランスミッション、レイアウトはほとんど同じです。
ただしエンジンは、フィアット製の1.4L 直4ガソリンターボで、最高出力125kW(170PS)/5,500rpm、最大トルク250Nm(25.5kgm)/2,5000rpmをそれぞれ発生。
ロードスターのクーペモデルRFに2.0Lエンジンが追加されるまで、もっともパワフルなエンジンでした。
コンパクトFRオープンならではの軽快なハンドリングに加えて、パワフルなエンジンにより鋭い加速と官能的なエグゾーストサウンドが魅力のアバルト 124スパイダーですが、2020年に生産が終了。
中古でもレアなモデルとなっています。
中古車相場価格は約300万円〜。
海外ブランドのオープンカーとしては手に入れやすい価格も魅力です。
■手軽に乗れるメルセデスのオープンモデル:メルセデス・ベンツ SLK
1996年にデビューし、BMW Z3とともに手軽なオープンスポーツカーとして人気を博したメルセデス・ベンツ SLK。
ここで取り上げるのは、2011年から2016年まで販売された3代目です。
ボディサイズは、全長4,145mm×全幅1,845mm×全高1,305mmで、メルセデスの最高級ロードスター、SLのアバンギャルドなイメージをそのままに、街乗りでも扱いやすいサイズにしたモデルです。
ロングノーズ、ショートデッキのエレガントなフォルムに、大きなスリーポインテッドスターが輝くフロントグリルがエクステリアの特徴。
従来のSLKを踏襲した上品な印象のインテリアには、ヘッドレスト下部から温風を流すエアスカーフや表面温度の上昇を抑えるレザーシートが上位モデルに標準装備されるほか、ガラスルーフの濃淡をスイッチひとつで変更できるマジックスカイコントロールパノラミックバリオルーフがオプションで設定されていました。
パワートレインは、1.8L 直4ターボと3.5L V6に、SLK55 AMG用の5.4L V8の3つ。
トランスミッションは、7速AT(2015年モデルまで)と9速AT(2015年8月以降)に、6速MTも選ぶことができました。
中古車相場価格は約150万円〜となっています。
■使い勝手のいい4座のオープンなら:BMW 4シリーズ カブリオレ
BMWのミドルクラスクーペ、4シリーズに追加された4座のオープンモデルです。
ここでは2014年〜2021年まで発売された初代を取り上げます。
耐候性に優れるハードトップモデルで、ルーフを開けた状態でも閉めた状態でも優雅で美しいプロポーションが保たれるようデザインされています。
ボディサイズは、全長4,640mm×全幅1,825mm×全高1,385mmで、乗車定員は4名。
パワートレインは3.0L 直6ターボに8速ATの組み合わせ、駆動方式はFRとなります。
約50:50の理想的な前後重量配分に加え、オープンにした状態でも高いボディ剛性が保たれるよう設計されており、BMWらしいスポーティなハンドリングを楽しむことができます。
4名乗車可能なエレガントでダイナミックなスタイリングのZ4は、あらゆるシーンで使える高性能オープンモデルが欲しい方にぴったり。
中古車相場価格は約250万円〜となっています。
■人気のMINI コンバーチブルが欲しい!
BMWのコンパクトカーブランドであるMINIにラインアップされているのが、MINI コンバーチブルです。
電動ソフトトップを閉じてもスタイリッシュでアイコニックなデザインの魅力は変わらず、トップを開ければ心地よいオープンエアドライビングを楽しむことができます。
3ドアハッチバックモデルをベースにしているためボディサイズはコンパクトで、全長3,835mm×全幅1,725mm×全高1,415mmと狭い道路でも扱いやすい大きさです。
パワートレインは1.5L 直3DOHCターボ、トランスミッションは6速ATで、駆動方式はFF。
ドアは2枚ですが4名乗車が可能で、ラゲッジ容量はソフトトップを閉じた状態であれば215L、開いた状態でも160Lを確保しています。
また50:50の分割可倒式リアシートは、おおきな荷物や長尺物を積載するときに重宝します。
実用的、かつ気軽にオープンエアを楽しみたい方におすすめです。
現行型の中古車相場価格は約200万円〜となっています。
■おしゃれなデザインで実用性もばっちり:ザ・ビートル・カブリオレ
2019年に生産終了し、80年の歴史に幕をおろしたビートルにも、オープンモデルのザ・ビートル・カブリオレが用意されています。
ザ・ビートル・カブリオレは、2013年に日本での発売が開始され、2016年まで販売されていました。
その特徴は、おしゃれなデザインです。
エクステリアは、丸いビートル独自のLED付きバイキセノンヘッドライトを装備。
さらに、ザ・ビートルでは唯一のリアスポイラーを装備。
10スポークの16インチアルミホイールと組み合わせることで、スポーティなデザインとしています。
インテリアもザ・ビートルと同じくおしゃれでポップなデザインで、レザーシート、フロントシートにはシートヒーターを標準装備と高級感も感じられます。
シートヒーターは秋のドライブなど、肌寒さを感じるシーンでも重宝します。
さらに、フルオート電動ソフトトップの開閉速度は約10秒。
50km/h以下なら走行中でも、開閉可能で、突然の雨が降ってきても安心です。
また、1.2L TSIエンジンと、エンジンパワーを効率よく路面に伝える7速DSGを採用。
これにより、JC08モード燃費は17.6km/Lと低燃費も魅力。
デザイン性と実用性を兼ね備えた一台となっています。
中古車相場価格は約200万円〜です。
■200万円台で狙える:ポルシェ ボクスター
あのポルシェにも中古でお手軽に狙えるオープンカーがあります。それがボクスターです。
1996年に初代がデビューしており、水冷の水平対向6気筒エンジン、かつてのレーシングカーを彷彿とさせるオープンボディなど、それまでのポルシェの廉価版にはない魅力を多数備えたモデルでした。
ちなみに、ボスクターは水平対向エンジン(ボクサー)と、ロードスター(オープンカー)をかけ合わせた造語となっています。
中古でお手軽に狙えるのは、2代目の987型(2004〜2012年)です。
初代から排気量はそのままに最高出力は高められており、ボディ剛性や足回りも見直されるなど、走行性能が高められています。
それでいて中古車相場価格は約200万円〜と、ポルシェにしては破格の安さで狙えます。
■ほかには代え難い可愛さ:フィアット 500 C
大人気のイタリア製コンパクトカー、フィアット 500のオープンモデルが500Cです。
基本のスタイリングは500のままで、ルーフからリアウインドウまでをキャンバストップとしたオープンモデルです。
インテリアも500同様で、ボディ同色のインパネがポップな印象を形作っています。
搭載エンジンは、1.2L 直列4気筒SOHC8バルブと0.9L直列2気筒ターボのツインエアの2種類で、いずれもセミATの5速ミッションが組み合わせられます。
ベースの500同様、特別カラーや豪華な内装を装備したさまざまな限定車が毎年のように限定販売されているので、気に入ったモデルを見つけたら即決が吉です。
初年度モデルが2009年と古いこともあり、中古車は50万円〜探すことができます。
■150万円から狙える:アウディ TTロードスター
アウディ TTは、同社のコンパクトハッチA3をベースにしたスポーツモデルです。
1998年にデビューした初代モデルはコンセプトモデルをそのまま市販化したようなコロンとしたデザインが特徴で人気となりました。
そのTTと並行して販売されたオープンモデルが、TT ロードスターです。
TT ロードスターは、2006年デビューの2代目、2016年発表の3代目TTにもラインアップされる人気モデルです。
全長4m強のコンパクトボディのセンターにコクピットを持つ2シーターで、エンジンは初代が1.8Lターボ、2代目以降は2.0Lターボの1種類で、駆動方式はFFとフルタイム4WDのクワトロがありました。
価格は、クラシックな初代なら100万円以下でも見つかりますがよほどの覚悟がないと持ち続けることは困難。
安心して乗ることができる2代目でも150万円〜とお得です。
■希少性で高値安定:レンジローバー イヴォーク コンバーチブル
2012年にデビューしたレンジローバーのコンパクトSUVがイヴォークです。
当初は3ドアのイヴォーククーペと5ドアのイヴォークというラインアップでしたが、2016年にクーペをベースに屋根を取り払ったコンバーチブルがデビューしました。
現在、2代目に進化したイヴォークですが、コンバーチブルがラインアップされたのは、日本では初代の2年間のみという希少なモデルです。
ベースは3ドアのイヴォーククーペで、ソフトトップより下のデザインは、オリジナルのイヴォークのままです。
ボディサイズは全長4,385mm×全幅1,900mm×全高1,605mmと、日本国内では全幅が広い印象ですが、走り出してしまえばそれほど気になるものではありません。
またボディは、アルミニウムやマグネシウム、チタンといった素材を採用して軽量化を図っていることが特徴です。
インテリアはランドローバーの上位レンジを担うレンジローバーのモデルらしく、上質な素材を贅沢に使ったものですが、全体のデザインはシンプルで使いやすくなっています。
またリアクオーターパネル内にロールオーバーバーが隠れており、万がいちの際には、横転した場合には、跳ね上がる仕組みです。
HSEダイナミックというモノグレード展開のパワートレインは、2.0L INGENIUM 直4ターボと、同じ2.0LINGENIUM の直4ディーゼルターボの2種類で、9速ATのトランスミッションと、フルタイム4WDが組み合わされています。
中古車相場価格は約650万円〜となっています。
実用性というポイントでやや評価の下がるオープンカーですが、それも昔の話。
現代のオープンカーは、耐候性も高く、トップの開閉も電動でできるなど、不便と感じることが少なくなっています。
それよりもなによりも、オープンエアドライブには、ほかにはなにも代えがたい魅力を持っているオープンカーは、ファーストカーとして所有するにはややハードルの高いところもありますが、ミニやBMW 4シリーズのような4座モデルならそれも問題なし。
ぜひ一度、オープンエアの開放感を味わってみてください。
きっとその魅力の虜になることでしょう!