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型落ちのGLEと現行型のEペイス。同じ価格ならどっちがお得?

 

ドイツ生まれのメルセデス ベンツGLE(初代)と英国生まれのジャガーEペイスは、ドイツと英国それぞれの雰囲気を身にまとったミドルクラスのSUVです。

 

どちらも世界的にも人気のカテゴリーとなっているミドルクラスSUVですから、新車はそれなりの価格になりますが、中古車になると400万円台で十分に極上の個体が見つかります。

 

そんな2台を比較して、その魅力の違いなどを解説しましょう。

 

 

■質実剛健さが魅力のメルセデス ベンツGLE


 

 

GLEは、かつてメルセデス ベンツがラインナップしていたSUV、Mクラスの後継車として2015年にデビューしましたが、実質的には3代目Mクラスのマイナーチェンジ版で、メルセデス ベンツのSUVモデル呼称統一によって生まれたモデルです。

 

前身のMクラス同様、プラットフォームを当時提携関係にあったクライスラーのジープ グランドチェロキーと共有していましたが、スタイリングは大きく変更されています。

 

具体的には大型ラジエーターグリルと弧を描くLEDポジショニングライトを内蔵した印象的なフロントマスクや、大型ルーフスポイラー、クロームアンダーガード一体型リアバンパーなどによって迫力を生み出し、ドイツ生まれのSUVらしい雰囲気が漂うデザインとなっています。

 

ボディサイズは、全長4,825mm×全幅1,935mm×全高1,795mm、ホイールベース2,915mmというもので、乗車定員は5名。

 

2016年には派生モデルのGLEクーペが登場しています。

 

 

インテリアは、水平基調のデザインのシンプルでクリーン、使い勝手の良さを感じさせるデザインです。

 

そのいっぽうで本革シートやトリム、スイッチ類、ダッシュパネルからドアにかけてあしらわれたLED照明などによってプレミアム感も演出しています。

 

センターパネルには大型化された液晶ディスプレイが搭載され、センターコンソールにはインフォテイメントシステムのコントローラーを配置。

 

ステアリングは本革巻きが標準装備となり、一部グレードではレザーシートも採用されるほか、リアシートは9段階のリクライニング機能がつき、ラゲッジルーム容量は最大2,010Lを誇っています。

 

 

■クリーンディーゼルにAWDの組み合わせ


 

 

初代GLEのパワートレインは、ピエゾインジェクターを用いたコモンレールシステムと電子制御式可変ターボチャージャーを備えた3.0L V6ターボディーゼルのみで、フルタイム4WDにトランスミッションは9G-TRONICを組み合わせていました。

 

興味深いのは、可変エンジンマウントを採用することで静粛性、低振動性を実現し、あらゆる回転域でプレミアムSUVらしい走りが楽しめることです。

 

ちなみにAMG版のGLE63 S 4MATICには、AMG社が開発およびチューニングした5.5L V8直噴ツインターボエンジンが搭載されています。

 

 

■メルセデスの名に恥じない安全装備の数々


 

 

メルセデスの中核を担うモデルだけに、ドライバーの安全運転を支援する「レーダーセーフティパッケージ」を標準装備し、自動操舵・ブレーキ機能により縦列駐車と車庫入れをアシストする「アクティブパーキング・アシスト」を全モデルに標準装備しています。

 

また自動追従型クルーズコントロールの「ディストロニックプラス(ステアリングアシスト付)」や、車線の逸脱を検知してドライバーに警告する車線内に戻そうとする「アクティブレーンキーピングアシスト」のほか、先行車に加え前方を横切るクルマや歩行者との衝突の危険性をディスプレイ表示と音で警告する「BSAプラス(飛び出し検知機能付ブレーキアシストプラス)」、BSAプラスの警告にドライバーが反応しない場合に軽いブレーキングでドライバーに警告する「PRE-SAFEブレーキ(歩行者検知機能付)」、後方車両に衝突の危険をハザードランプで警告する「リアCPA(被害軽減ブレーキ付後方警告システム)」など、高い安全性もGLEの魅力です。

 

 

■英国的な品の良さがただようジャガー Eペイス


 

 

対するジャガー Eペイスは、2017年7月にワールドプレミアが行なわれ、日本では2018年より販売をスタートしました。

 

Fペイスに続くジャガーのSUVシリーズの第2弾で、車格的にはFペイスの弟分にあたります。

 

スポーティと洗練された品の良い佇まいが共存するエクステリアは、英国車ということも関係がありそう。

 

兄弟ブランドであるランドローバー・レンジローバー・イヴォークにも用いられているFFベースのプラットフォームが使われたボディサイズは、全長4,410mm×全幅1,900mm×全高1,650mm、ホイールベース2,680mmというもので、全長に対して全幅が広く、全高が低いことでスポーティな雰囲気がより強調されています。

 

 

インテリアもエクステリア同様に、どこかスポーツカーを彷彿とさせるデザインです。

 

センターパネルには10.2インチタッチパネルディスプレイのインフォテイメントシステム「IN CONTROL TOUCH PRO」を全モデルに標準装備し、メーターパネルには「インタラクティブドライバーディスプレイ」が装備されます。

 

ジャガーのスポーツカー、F-TYPEにインスピレーションを受けたというフロントシートはスポーツカーのようなフィット感を持ち、助手席サイドのセンターコンソール部はグリップできる構造になっています。

 

さらにヘッドレストのエンボス加工やクロームのアクセント、一部モデルに使われるレザー素材などによって高級感も演出しています。

 

もちろんSUVならではのユーティリティは確保され、ラゲッジルームは通常577L、最大時には1,234Lにまで拡大可能。

 

リアシートは6:4分割可倒式で、長尺物の収納もできるようになっています。

 

 

■3タイプの異なるパワートレインを用意


 

 

パワートレインは3種類あり、2.0L直4INGENIUMディーゼルターボエンジンと、出力が異なる2種類の2.0L直4INGENIUMガソリンターボエンジンが用意されています。

 

トランスミッションはいずれも9速ATを組み合わせ、駆動方式はフルタイム4WDで、パワーの低いクーリンディーゼルとガソリンエンジンは、前後トルク配分を自動で行う「エフィシエント・ドライブライン」で、高出力ガソリンエンジン車には左右後輪のトルク配分も行なう「アクティブ・ドライブライン」と使い分けられています。

 

2021年2月には電動パワートレイン向けのアーキテクチャ「PTA」を採用し、マイルドハイブリッドシステムを搭載。

 

そして同年5月にはプラグインハイブリッド車も発表しています。

 

 

■充実の安全装備


 

 

安全装備は、車線変更時の後側方から接近する車両を知らせる「ブラインドスポットアシスト」や「360°サラウンドカメラシステム」、「アダプティブクルーズコントロール」、前後の障害物を検知する「フロント/リアパーキングエイド」、車線逸脱を修正する「レーンキープアシスト」、ドライバーの疲れなどを検知して知らせる「ドライバーコンディショニングモーター」などを装備。

 

駐車支援として、後退時に接近する車両などを知らせる「リバーストラフィックディテクション」、ステアリングを操作して縦列駐車などを支援する「パークアシスト」、真俯瞰から車両を見ている映像を映し出す「360°パーキングエイド」などが用意されるなど、こちらも充実装備となっています。

 

同じミドルクラスSUVでも方向性が違う2台は、新車時のスタート金額が違うこともありますが、いずれも400万円台から狙うことができます。

 

SUVらしい雰囲気とメルセデスのブランドが合致したGLEと、スポーツカーを強くイメージした伝統のメーカー、ジャガーのEペイス。アナタならどちらを選びますか?

 

 

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