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結局のところ、アバルト124スパイダーとロードスターはどこが違うの?

 

イタリアの自動車ブランド「アバルト」から、2016年に販売されたアバルト124スパイダーは、マツダ ロードスターをベースにした、イタリアンテイストあふれるデザインが魅力のオープンスポーツカーです。

 

もともと輸入された台数が少ないことに加え、2020年に生産終了が発表されたことで、希少性が高まっているアバルト124スパイダー 基本コンポーネンツを共用し、生産も広島のマツダ工場で行われていたアバルト124スパイダーは、もともと輸入された台数が少ないことに加え、2020年に生産終了が発表されたことで、希少性が高まっています。

 

そんなアバルト 124スパイダーの魅力を、マツダ ロードスターとの違いを見ながら解説しましょう。

 

 

■アバルト124スパイダーとは


 

アバルトは、もともとフィアットをはじめ、フランスのシムカやポルシェの小排気量エンジンを使って、オリジナルのスポーツカーを制作するコーチビルダーとして、人気を集めていました。

 

1971年にフィアット傘下となったことをきっかけに、フィアットのコンペティション部門というカラーを色濃くして行くことになりました。

 

その手始めとして送り出されたモデルが、アバルト 124ラリーでした。

 

124ラリーは、フィアットが生産販売していた小型4ドアセダン“124”の派生モデルとして、1967年に発売された124 スポルト スパイダーをベースに制作されたモデルで、マットブラックのオーバーフェンダーやFRP製のハードトップ、ウェーバーのツインキャブレターでチューンされた高性能エンジンで武装し、当時の世界ラリー選手権(WRC)に投入されました。

 

軽量・コンパクトなオープンボディにパワフルなパワーユニットを搭載した124ラリーは、WRCでいくつかの優勝を遂げると同時に、1972年と1975年のヨーロッパ選手権では年間チャンピオンを獲得する活躍を魅せました。

 

そのアバルトのレーシングスピリットを載せて現代に蘇らせたモデルが、2016年に発売されたアバルト124スパイダーというワケです。

 

 

■マツダ ロードスターとの違いは?


 

 

シャシーはロードスターと共有しているため、FR(フロントエンジン、リアドライブ)レイアウト、オープンボディという基本的なスタイルは同じです。

 

エクステリアデザインは、初代124スパイダーをオマージュした専用デザインとなっており、ボディサイズに違いがあります。

 

マツダ ロードスターの全長3,915mm×全幅1,735mm×全高1,235mmに対し、アバルト124スパイダーは、全長4,060mm×全幅1,740mm×全高1,240mm。

 

ホイールベースはともに2,310mmですので、124スパイダーは前後オーバーハングが長くなっています。

 

フロントは、長いオーバーハングに低く構えたフロントグリルに丸型のヘッドライト、そしてリアは大きめのコンビネーションランプや左右4本出しのマフラー、リアフォグランプなど、アバルト124ラリーをオマージュしたボディは、ロードスターが前後に絞り込まれたデザインになっていることもありますが、比べるとワイドな印象で力強さを感じさせるものとなっています。

 

 

エンジンは、フィアット製の1.4L 直列4気筒ガソリンターボで、最高出力125kW(170ps)/5,500rpm、最大トルク250Nm(25.5kgm)/2,5000rpmというスペック。

 

ロードスターの1.5L NAエンジンが、最高出力97kW(132ps)/7,000rpm、最大トルク152Nm/4,500rpmですから、どれほどハイパワーであるかわかると思います。

 

組み合わせるトランスミッションは、6速MTまたは6速ATというのはロードスターと同じですが、124スパイダーのそれは先代ロードスターのものが使用されています。

 

 

車両重量は1,130kg(日本仕様)で、ロードスターの990kgと比較すると重いのですが、パワーウエイトレシオで比較するとアバルト124スパイダーが6.6kg/PS、ロードスターが7.5kg/PSとなり、ロードスターよりパワフル。

 

スポーツカーではしばしば運動性能の指針となる前後重量配分も、ロードスターと変わらず50:50に設定されており、124スパイダーの軽快なハンドリングにつながっています。

 

その他の装備の違いとしては、アバルト特有の美しいエンジンサウンドを奏でる『レコードモンツァエグゾースト』や、アクセル操作に対するリニアなレスポンスと車両姿勢コントロールを可能にする『トルクセンシング式スーパーLSD』がAT車にも装備されます(ロードスターのLSDはMT車のみ)。

 

 

■インテリアは同じなの?


 

 

インテリアは、インパネ、ステアリング、トリム類の形状はロードスターと基本的に同じですので、大きくイメージが異なるわけではありません。

 

違うのはメーターのフェイシアがレッドとなることや、ステアリングのセンターパッドにアバルトのロゴが入るところ、ダッシュボード下部やセンターアームレスト部分の素材、シートカラー足元のペダルといったところです。

 

ステアリング上部にはレッドのトップマークが入っており、ラリーシーンで活躍したマシンを彷彿とさせるディテールが、ファンにとっては嬉しいポイントです。

 

アバルト124スパイダーは生産終了が発表され、現在では中古車で手に入れるしかありません。

 

現在の中古車相場価格は約300〜450万円となっていますが、マツダ ロードスターとは異なる軽快なハンドリングやパワフルなエンジン、ドライビングへの気分を高めるイタリアンテイストが散りばめられた内外装、さらに輸入された台数が少ないことによる希少性など、ドライビング時に感じられる特別な気分はロードスターよりもはるかに上。

 

気になったら、すぐに販売店に足を運んで実車を確認しましょう。

 

 

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