2020年輸入車人気ランキングTOP5
毎年、数々の新型輸入車が日本に上陸するなか、売れているクルマはどれなのか、そしてその理由には何があるのかを、JAIA(日本自動車輸入組合)が公表する2020年の年間新車登録台数をもとに、ランキング形式で上位5モデルを紹介します。
あなたのお気に入りは果たしてランクインしているでしょうか?
■1位 愛くるしいデザインが魅力:BMW MINI(ミニ) 2万195台
それまで不動の地位を誇っていたフォルクスワーゲン ゴルフから、1位の座を奪取した2016年以降、5年連続で1位に輝くのは、BMW MINI(ミニ)です。
ミニは、BMWに経営権が移る以前のいわゆる「クラシックミニ」時代も含めると60年以上の歴史を持つ小さなレジェンド・モデル。
世界中に愛好家が存在することでも知られ、現行モデルは2013年にモデルチェンジした第3世代にあたります。
そんなミニが人気となる理由には、ひと目でミニとわかる愛くるしいフォルムや小気味いい走行フィールなど、愛される箇所は大きく変えることなくキープコンセプトとしながら、BMWが誇る安全で快適な最先端テクノロジーを搭載していることでしょう。
さらに、バラエティ豊かなモデルラインアップも人気を呼ぶ理由で、3ドア・5ドアハッチバックをはじめ、コンバーチブル、クロスオーバーから、一回り大きくリアゲートが左右開きのクラブマン、走りを強化した最上位モデルのジョンクーパーワークスなど、ユーザーの好みに応じて自在に選択することが可能となっています。
■2位 先進技術が充実:メルセデス・ベンツ Aクラス 1万673台
2位となったのは、メルセデス・ベンツのエントリーグレードであるAクラスです。
同モデルは、初代が1997年に誕生、現行モデルは2018年にモデルチェンジを実施した4代目にあたります。
Aクラスが一躍脚光を浴びることになったのは先代の3代目で、それまでのトールワゴンスタイルからローワイドでスポーティなハッチバックスタイルに変貌。
現行型4代目では全長を広げるとともに、エクステリアもよりシャープなものに進化し、ラインアップにはセダンも追加されました。
Aクラスが人気の理由には、362万円からとベンツの中では比較的安価であること、対話型インフォテインメントシステム(MBUX)、レーダーセーフティパッケージなど先進安全技術が充実していること、エンジンバリエーションが豊富なことなどをあげることができます。
MBUXは「ヘイ メルセデス」で起動する音声認識システム。
これによりカーナビなどの操作が可能となり、Aクラスがベンツ初搭載となりました。
また、エンジンでは1.4L 直列4気筒ターボのM282型、2.0L 直列4気筒ディーゼルターボのOM654q型に加え、AMGモデルに搭載される2.0L 直列4気筒ターボのM260型、M139型など、とてもエントリーグレードとは思えない充実のラインアップとしています。
■3位 総合性能が高い:VW ゴルフ 1万264台
3位には、フォルクスワーゲン(VW)の主軸モデルであるGolf(ゴルフ)がランクインとなりました。
ゴルフは、1974年の誕生以来ハッチバックの代名詞であり、各メーカーの指標として君臨する世界的なロングセラー車です。
初代はウェッジシェイプの天才デザイナー、ジウジアーロによるもので、現在国内で主流となっているのは、2012年にフルモデルチェンジが実施された5G型の7代目。
そして、ついに2021年2月8代目となる新型が国内でも予約開始となっています。
ゴルフが人気の理由は、なんといっても総合性能の高さでしょう。
けっして派手さはないものの、走行性、操作性、安全性、価格とどれをとっても大きなマイナスポイントはありません。
7代目ゴルフを例にしても、新プラットフォームMQBの採用によりボディの軽量化と高剛性を実現。
ドライバー側に向け傾斜するセンタークラスターを初採用し操作性を高め、安全装備でもアダプティブクルーズコントロール(ACC)のいち早い導入など、その世代の先端技術を他メーカーに先駆けて取り入れています。
こうした取り組みが、世界で3,500万台以上を販売し、人気モデルで居続ける理由だと言えるでしょう。
■4位 ポップな内外装が魅力:VW T-Cross 8,930台
4位には、VWのT-Cross(ティークロス)がランクインしました。
T-Crossは、2018年デビューで、ポロをベースとしたVWでは最もコンパクトなSUVです。
日本での販売開始は2020年1月からで、受注受付からわずか2ヶ月で1,800台を超える予約台数を記録し、人気SUVの仲間入りを果たしました。
T-Crossの人気の理由は、質実剛健でどちらかというと派手さはないVWのなかで、ポップでカラフルな内・外装としていること、ボディサイズがコンパクトで安全装備も充実しているため、国内の道路事情で使いやすいという点でしょう。
導入記念となったTSI 1stを例にとると、ボディカラーは内・外装をあわせバリエーションには21種類を用意。
ボディサイズは全長4,115mm×全幅1,760mm×全高1,580mmと、トヨタ ライズとほぼ同サイズ。
安全装備では、駐車支援システムのパークアシストや、後方死角検知機能ブラインドスポットディテクションなどを標準装備としています。
また、パワートレインも直列3気筒インタークーラー付きターボとすることで、軽快な走行フィールを実現。燃費もWLTCモード16.9km/Lと優秀で、さすがはVW、見た目だけでない総合バランスの良いSUVとなっています。
■5位 BMWといえばコレ:BMW 3シリーズ 8,505台
5位にはBMWの主軸モデル3シリーズがランクインしました。
3シリーズは、欧州の車格でDセグメントに位置し、ライバルであるメルセデス・ベンツ Cクラスやアウディ A4などと、日々し烈な市場争いを演じています。
3シリーズが誕生したのは1975年、現行モデルは2018年にモデルチェンジを実施した第7世代にあたるG20型で、45年あまりで世界累計販売台数1,500万台以上を記録するロングセラー車です。
3シリーズが人気となる理由には、同モデルが持つスポーツ性能の高さと、近年はシリーズがより細分化され増えたものの、BMWと言えば3シリーズという根強いファンが存在することでしょう。
エンジンは、ガソリンが2.0L 直列4気筒ターボと3.0L 直列6気筒ターボ、ディーゼルが2.0L 直列4気筒ターボに加え、2.0L 直列4気筒ターボ+モーターのハイブリッドがラインアップ。
さらに、7世代目の3シリーズでは、コックピットは12.3インチのデジタルメーターパネルが標準装備となり、エアコンやカーナビが音声により操作可能なインテリジェント・パーソナル・アシスト、高性能プロセッサによる時速60km/hまでのハンズオフ運転機能を装備したのも人気となった理由でしょう。
■ヒットし続ける車には理由があった!
こうして輸入車トップランキングを見てみると、トップ5は日本で不変の人気を誇るロングセラーモデルで占められていることがわかります。
そして、人気を保つためには、残す部分と進化する部分を見極め、たゆまぬ努力をしているのだと、あらためて感じられました。