【流麗なプロポーションが魅力】ジャガー 2代目XFを解説
メルセデス・ベンツ EクラスやBMW 5シリーズなど、ライバルの多いEセグメントの中で、流麗なプロポーションで目を惹くのがジャガー XFです。
現在は2015年9月に登場した2代目モデルが販売されていますが、高級感と洗練されたスタイリングでライバルに差をつけています。
今回はそんな2代目XF(2021年5月発売モデル)の詳細について詳しく解説していきましょう。
■2代目XF概説:Eセグメントで際立つ流麗なプロポーション
ジャガーのミドルクラスセダンとして2009年に発売が開始されたXF。
2015年9月に登場した2代目は、初代XFよりもホイールベースを延長し、室内の居住性を向上させています。
シャシーはワンサイズ下のジャガー XEと共通のアーキテクチャーを採用し、アルミ部材を多用した新開発のモノコックボディを採用することで先代比で最大190kgもの軽量化に成功。
当時の競合モデルと比較してもおよそ80kgの軽量化が図られていました。
インテリア(内装)はマテリアルを厳選したラグジュアリーな空間となり、メーターパネル内にはXJやレンジローバーなどで用いられている12.3インチTFTインストルメントクラスターを採用。
センターパネル内には10.2インチのタッチスクリーンを採用し(のちに大型化)、デュアルビュー技術によってドライバーと助手席でそれぞれ異なる画面を見れるようになっています。
また2017年11月には最大1,700Lもの荷室容量を備えるスポーツブレイクも登場。
こちらはエアスプリングに自動的に空気を送り込むことで積載物の重さに合わせてリアの車高を上げてシャシーを水平に保つセルフレベリング機能付リアエアサスペンションが搭載されています。
■先代よりボディを拡大したスタイリッシュなエクステリア
Eセグメント内では突出した室内スペースを確保しながらも、どこかクーペを彷彿とさせるXFのエクステリア。
卓越したプロポーション、エレガントなサーフェス、ピュアなラインなど、流線型のエクステリアは先代より続くXFの伝統を受け継ぎながら、その車体構造は大きく変わっています。
ボディの約75%にアルミニウムを使うことで圧倒的な軽量化を図ったほか、ねじり剛性を約28%も向上させています。
ボディサイズは全長4,965mm×全幅1,880mm×全高1,455mmで、先代よりも全長を約10mmほど短く、車高を約5mmほど低くしたものの、ホイールベースは逆に約50mmほど延伸させたことで、レッグルームやニールーム、ヘッドルームなど後席の居住空間は先代よりも快適な広さになっています。
フロントマスクにはエアロダイナミクスを追求した大型フロントバンパーが収まり、箔押し加工のグリルや新設計のエアインテーク、ダブル「J」ブレードのヘッドライトを採用。
サイドスカットルにはエンボス加工されたジャガーリーパーをあしらい、サイドビューでもジャガーらしさを演出しています。
一方のリアセクションではFタイプからインスパイアされたテールライトが、リアビューの輪郭をシャープに浮かび上がらせ、特徴的なシルエットを生み出します。
■クラス感を超えるラグジュアリーなインテリア
ダッシュボードに美しく配置される11.4インチ高解像度曲面タッチスクリーンが印象的なXFのインテリア。
ドライバー視点で設計されたキャビンは、機能性だけでなく見た目の美しさと質感にもこだわったラグジュアリーな空間で、メタリック仕上げのインテリアフィニッシャーやクリケットボールを思わせるようなステッチが施された新設計のドライブセレクターが印象的です。
ジャガーの誇る車載インフォテインメントシステムPivi Pro(ピヴィプロ)を採用するXFでは、前述した11.4インチのタッチスクリーンでスマートフォンのような直感的な操作が可能。
スマートフォンを接続してアプリを操作することもできます。
また、メーター内には12.3インチのインタラクティブドライバーディスプレイ(オプション)が用意され、こちらでもPivi Proの画面を確認できます。
高精細なナビ画面をメーターパネル内に表示し、同じくオプションのヘッドアップディスプレイを使うことで、ドライバーは前方から目をそらすことなく目的地に向かえます。
前席のシートマテリアルには、ジャガーのレガシーにインスパイアされたモノグラムパターンが施され、ひとめでジャガーと分かるディテールを採用。
ヘッドレストにはジャガーリーパーのエンボス加工をあしらっています。
インテリアカラーは明るい色、深みのある色、暗めの色、そしてコンビネーションと多彩なラインアップを用意し、室内をおしゃれに照らすアンビエントライティングも装備。
またシートにはマッサージ機能を設定することでくつろぎの空間も演出してくれます。
■2.0L 直4ディーゼル(マイルドハイブリッド)と2.0L 直4 ガソリンを用意
発売当時にはV6モデルも用意されていましたが、現在のパワートレインはすべて直4モデルのみ。
2.0L 直4 INGENIUMディーゼルエンジンと、スペックの異なる2種類の2.0L直4INGENIUMガソリンエンジンが用意されており、ディーゼルモデルはマイルドハイブリッド機構が搭載されています。
ディーゼルモデルであるD200MHEVのスペックは、最高出力150kW(204PS)/3,750〜4,000rpm、最大トルク430Nm(43.8kgm)/1,750〜2,500rpmを発生。
WLTCモード燃費は14.8km/Lです。
ガソリンモデルはミドルグレードのP250が最高出力184kW(250PS)/5,500rpm、最大トルク365Nm(37.2kgm)/1,500〜4,000rpmで、WLTCモード燃費は10.9km/L。
P300が最高出力221kW(300PS)/5,500rpm、最大トルク400Nm(40.8kgm)/2,000rpm、WLTCモード燃費は10.6km/Lとなっています。
駆動方式はいずれも全輪駆動(AWD)のみを採用。
インテリジェントドライブラインダイナミクスというジャガー独自のAWD技術が使われており、スリップが発生する前にスリップしやすい路面状況を検知するという優れた予測性能を持ち、濡れた路面や泥道などでもコントロールと安定性を保持できるようになっています。
そのほか、走行状況やドライビングスタイルに合わせて車両のレスポンスを最適化するアダプティブダイナミクスや、タイトなコーナリング中に左右のリアホイールのパワーデリバリーを調整してハンドリングを安定させるトルクベクタリングバイブレーキといった機能も搭載しています。
■人気の高い安全装備はほとんどが標準装備
XFではさまざまなドライバーアシスト機能を標準装備。
クルーズコントロールやエマージェンシーブレーキ、ドライバーコンディションモニター、レーンキープアシスト、3Dサラウンドカメラ、フロント&リアパーキングエイドなどの豊富な機能が搭載されます。
また、XFならではの安全装備として、プレミアムLEDヘッドライト(シグネチャーDRL付)も標準装備。
オートハイビームアシストやフロントアニメーションターンランプをオプションで選択でき、自然光に近い光で視認性を高め、ドライバーの目の疲れも低減してくれます。
また後方の視界が遮られている場合に役に立つのが、ClearSightインテリアリアビューミラーという装備(オプション)。
これはスイッチを入れるとルーフポッドに設置されたカメラからのライブ映像がリアビューミラーに表示される機能で、どんなときでも後方視界をクリアに確保してくれます。
いかがでしたでしょうか。
見た目や高級感のあるインテリアはもちろん、走りや安全装備の充実ぶりでもXFに十分魅力があることが分かりました。
人とはちょっと違ったセダンに乗りたい、都会的な雰囲気のあるミドルサルーンに乗りたいという方にXFはおすすめです。