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今、ヨーロッパ(欧州)ではどんなクルマが流行ってるの?

 

日本に輸入されている乗用車の2020年の販売台数(2020年1月〜2020年12月)を見ると、1位はBMW ミニ、2位はメルセデス・ベンツ Aクラス、3位がフォルクスワーゲン ゴルフとなっています。

 

ドイツの自動車メーカーが圧倒的に人気のようですが、果たして本場ヨーロッパではどうなのでしょうか。

 

今回は2020年の統計をもとに、ヨーロッパで売れているクルマをランキング形式でご紹介し、日本で売れているクルマと比較してみます。

 

 

■5位:シュコダ オクタヴィア(21万5581台)


 

 

シュコダはチェコの自動車メーカーですが、現在はフォルクスワーゲングループに属しているため、プラットフォームをはじめとするメカニズムはフォルクスワーゲンと共有しています。

 

日本には正規輸入されていないブランドのためあまり知られてはいませんが、ヨーロッパでは人気のブランドです。

 

ラリーがお好きな方であれば、きっとシュコダのマシンが活躍する姿を見たことがあると思います。

 

オクタヴィアは、フォルクスワーゲングループのアーキテクチャ「MQB」を採用するCセグメントのセダン・ステーションワゴンで、現行型(4代目)のボディサイズは全長4,689mm×全幅1,829mm×全高1,470mm(セダン/ベーシックグレード/UKモデルの場合)となります。

 

 

ちなみに日本の輸入車販売第5位は「BMW 3シリーズ」(8,505台)で、セダンとワゴン(BMWでは「ツーリング」という名称)のラインアップがあります。

 

日本の道路事情でも扱いやすい高級モデルという点が人気の理由でしょう。

 

 

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■4位:フォルクスワーゲン ティグアン(21万9923台)


 

 

 

ティグアンはフォルクスワーゲンのミドルクラスSUVで、こちらは日本でも正規販売されています。

 

近年は世界的なSUV人気が続いていますが、ヨーロッパでもこのクラスのSUVが人気です。

 

本国ドイツでは2020年のSUV販売1位を記録したことからも、ヨーロッパにおけるティグアンの人気ぶりが伺えます。

 

ボディサイズは全長4,515mm×全幅1,840mm×全高1,675mm(TSI アクティブ)で、最新のフォルクスワーゲンモデルらしいすっきりとしたフロントフェイスにくっきりとしたキャラクターライン、存在感のある力強い前後バンパーなど、個性が光る一台です。

 

一方、日本の輸入車販売第4位は「フォルクスワーゲン T-Cross」(8,930台)です。

 

こちらはフォルクスワーゲンの現行ラインアップにおける最小SUVという位置づけで、日本では2019年から販売が開始されました。

 

やはり日本で最も人気のあるサイズのSUVであることや、遊び心のある内外装デザイン、カラーコーディネートなどが支持された理由でしょう。

 

 

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■3位:フォルクスワーゲン ポロ(24万3009台)


 

 

ポロはフォルクスワーゲンの主力コンパクトカーで、日本でも輸入車販売台数第7位(6,806台)にランクするほどの人気モデルです。

 

現行型は2018年に登場し、次世代プラットフォーム「MQB」を採用したことで先代よりもハンドリング、居住性、走行安定性などあらゆる面で性能を大きく向上させています。

 

ボディサイズは全長4,060mm×全幅1,750mm×全高1,450mm。

 

ヨーロッパも日本と同様に狭い道路が多く、また道路での縦列駐車など取り回しの良さが求められる事が多いため、ポロが人気であるのもうなずけます。

 

 

日本の輸入車販売第3位は「フォルクスワーゲン ゴルフ」(1万264台)で、日本における輸入車ランキングでは常に上位に入る人気車種です。

 

やはり、日本においてはシンプルなコンパクトハッチバックが上位に食い込んでくるようですね。

 

 

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■2位:ルノー クリオ(30万3185台)


 

 

2位にはフランスの自動車メーカー、ルノーのコンパクトカーがランクインしました。

 

クリオは日本で「ルーテシア」として正規輸入されているモデルですから、みなさんもよくご存知でしょう。

 

ブーメラン型の特徴的なシグネチャーランプや抑揚の効いたボディライン、エレガントと先進性を感じさせるディテールなどがコンパクトなボディに表現され、フランス車らしい個性に溢れたモデルです。

 

先進的なデジタルディスプレイメーターや電動パーキングブレーキなど、新しいモデルであることを感じさせる装備も充実しています。

 

フランスの美意識に基づいたセンスの良いデザインや上質な空間、長距離移動を支える快適でゆとりのある走り、クラストップレベルの先進安全運転支援機能などが高く評価され、ヨーロッパでは2013年から8年連続でサブコンパクトカークラスの販売台数1位を記録するほどの人気モデルです。

 

 

一方、日本での輸入車販売第2位は「メルセデス・ベンツ Aクラス」(1万673台)。メルセデスのラインアップの中で最もコンパクトなモデルでありながら、狭い道路でも使いやすく、かつ安定したハンドリングや最新の安全装備を搭載するなどバランスの良い輸入車ということから人気を得ていると言えるでしょう。

 

 

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■1位:フォルクスワーゲン ゴルフ(30万8834台)


 

※画像は7代目ゴルフです。

 

2位のクリオとわずか5,000台ほどの差で一番人気となったのは、やはり世界を代表するドイツの国民車ゴルフです。

 

現行型は2019年にドイツでアンベールされた8代目(日本では2021年6月に発売開始)。

 

シンプルでありながら一目でゴルフと分かるフロントデザインや、先進的で力強いスタイリングなど、斬新な手法で新しさを感じさせつつ、伝統や機能性、クリーンなイメージを追求したデザインに仕上げられています。

 

またフォルクスワーゲンとしては初めて、48Vベルト駆動式スタータージェネレーターとリチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムを設定。

 

スタート・ストップの多いシーンにおいて、より快適な走りを楽しむことができます。

 

普段使いでの扱いやすさを重視しつつ、長距離移動も多いヨーロッパでより快適かつ経済的にドライブできるクルマとして、ゴルフが選ばれているということでしょう。

 

 

日本での輸入車販売第1位は「BMW ミニ」(20,195台)です。

 

販売台数は2位のAクラスの約2倍と、圧倒的な人気を誇っています。

 

個性的なデザインや信頼性の高いBMW社製のメカニズム、クロスオーバーモデルといった実用性の高いモデルやディーゼル、PHEVモデルなど選択肢の幅を広げるラインアップなど、個性だけでなく乗用車としての魅力が非常に高いというのが支持を得ている理由でしょう。

 

 

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ヨーロッパでの一番人気は「フォルクスワーゲン ゴルフ」、日本での輸入車一番人気は「BMW ミニ」という結果になりました。

 

日本と同様に狭い道路や駐車スペースが多く、かつ高速道路でのアベレージスピードが高いヨーロッパでは、コンパクトでありながらしっかりした足回り、実用的なパッケージングが人気であることが分かります。

 

コンパクトカーが人気であるというのは日本と共通していますが、より実用性や経済性、機能性が重視されているのが特徴ですね。