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【メルセデス唯一の1.5ボックスのミニバン】Vクラスを解説

 

Vクラスは、メルセデスのラインアップで唯一の1.5ボックスタイプのミニバンです。

 

1998年に初代Vクラスが日本に導入され、2003年には2代目にフルモデルチェンジ。

 

そして現行型となる3代目が2015年10月に登場しました(販売は2016年1月〜)。

 

ファミリー世代を中心に日本でも大人気のミニバンですが、欧州プレミアムメーカーの作るミニバンとは一体どんなクルマなのでしょうか。

 

現行型Vクラスを紹介します。

 

 

■メルセデス・ベンツのラグジュアリーとミニバンの快適さを見事に融合したVクラス


 

 

Vクラスは、プレミアムブランドならではの上質な内外装やゆとりのあるパワートレイン、ミニバンのパッケージングを生かした快適な室内空間が特徴のモデルです。

 

現行型はメルセデスらしいスタイリングと圧倒的なプレミアム感を備えて2015年に登場し、日本でも大人気のプレミアムミニバン市場で大きな存在感を示しました。

 

パワートレインには世界で最も厳しいとされる日本のポスト新長期規制に適合するため、日本専用に開発した2.2L 直4クリーンディーゼルエンジンを搭載。

 

有害な窒素酸化物を大幅に削減するディーゼル排出ガス処理システムを採用しています。

 

2018年2月には、ルーフ上にポップアップルーフを備え、車内とは別にフルフラットな就寝スペースを確保したV220d マルコ・ポーロ・ホライゾンというユニークなモデルを追加。

 

プレミアムなミニバンでの車中泊を楽しめるようになりました。

 

2018年11月には、現行モデルで初となるガソリンモデル、2.0L 直4直噴ガソリンターボエンジン搭載のV260ロングが追加されました。

 

こちらは250台限定の限定モデルとなっています。

 

2019年10月にはマイナーチェンジを実施し、フロントデザインを刷新。

 

インテリアには高級感をさらに高めるエクスクルーシブシートパッケージをオプション設定するなど、より快適で高級感のある上質な移動空間を提供しています。

 

2020年5月には、V220d マルコ・ポーロ・ホライゾンが新しい仕様となって登場しました。

 

前モデルとの違いは、ルーフの右側にロールアップ機構を備えたサイドオーニングが装着されたことや、2列目シートにシートヒーターと、熱や湿気を内蔵ファンによって除去するシートベンチレーターなどを備えて快適性を向上させたことです。

 

そして2021年7月に一部改良が実施され、安全運転支援システムの仕様向上が図られました。

 

 

■3つの異なるボディタイプと高級感のあるエクステリア


 

 

Vクラスには標準、ロング、エクストラロング(受注生産)の3つのボディタイプが用意されています。

 

ボディサイズは標準が全長4,905mm×全幅1,930mm×全高1,930mmとなります。

 

ロングは全長5,150mm、エクストラロングは全長5,380mmで、全幅、全高は標準と同じです。

 

エクステリア(外装)デザインですが、フロントは彫刻的なアローシェイプのボンネットと、メルセデスの象徴スリーポインテッドスターを中央に配置したグリルが連なり、ミニバンでありながらひと目でメルセデスと分かる気品溢れる雰囲気に仕上がっています。

 

フロントライトには走行状況や天候に応じて配光を自動で切り替えるLEDインテリジェントライトシステムが採用されています。

 

サイドビューはフロントから連なる立体的な2本のキャラクターラインで、スポーティかつエレガントなスタイリングを形成しています。

 

後期型はフロントフェイスを中心にデザインが変更されています。

 

従来3つあったエアインテークが1つにまとめられることで開口部が拡大したフロントバンパーと、その左右にクロームを配置してスポーティなデザインとなりました。

 

オプション設定のAMGラインを選ぶと、グリルがシングルルーバーのダイヤモンドグリルとなり、さらにラグジュアリーな雰囲気を楽しむことができます。

 

 

■高級な素材をふんだんに用いたインテリア、脱着可能なシートで実用性も抜群


 

 

インテリアには、シート、ステアリング、シフトレバーなど随所に高級なナッパレザーなどの素材が使用されています。

 

また間接照明により、夜間の室内にラグジュアリーな雰囲気を作り出すアンビエントライトも採用しています。

 

後席のシートは脱着可能で、2座のみにして室内を広々と使うショーファードリブン仕様としたり、2列目と3列目をすべて取り外して大きな荷物を積載したりと、用途に合わせて多彩にアレンジすることが可能です。

 

マイナーチェンジで追加されたオプションのエクスクルーシブシートパッケージですが、こちらは2列目に高級感のあるエクスクルーシブシート(ブラックまたはベージュ)が採用され、ヘッドレストクッション、オットマン、リラクゼーション機能などの快適性を大きく向上させる装備により、上質な移動空間を提供しています。もちろんシートヒーター、シートベンチレーターも備えています。

 

 

■パワフルなクリーンディーゼル搭載。走りにこだわるメルセデスらしい足回りも自慢


 

 

Vクラスに搭載されるエンジンは2.2L 直4直噴ディーゼルターボで、最高出力は120kW(163PS)/3,800rpm、最大トルクは380Nm(38.7kgm)/1,400〜2,400rpm、トランスミッションは電子制御7速ATでFR(後輪駆動)のみ、WLTCモード燃費は11.4km/Lというスペックです。

 

限定モデルのV260には2.0L 直4直噴ガソリンターボが搭載され、こちらは155kW(211PS)、最大トルク350Nm(35.7kgm)というスペックになります。

 

サスペンションはフロントにマクファーソン式、リアに独立懸架式を搭載しています。

 

ローダウンするとともにスタビライザーを採用することでロールを減少させ、高い走行安定性を実現しています。

 

さらに走行状況に応じて減衰力を機械的に調整するセレクティブダンピングシステムを採用し、快適な乗り心地とコーナリング時の高いハンドリング性能を両立させています。

 

 

■乗用車として申し分のない先進安全機能


 

 

Vクラスに搭載される安全運転支援システムですが、ドライバーの疲労や眠気を検知して注意力低下を警告するアテンションアシスト、走行中の横風に対して車両片側のブレーキ制御を行うことで安定した走行をサポートするクロスウインドアシストを全車標準装備としています。

 

さらに、追突のリスクを低減する衝突警告システム、ブラインドスポットアシスト、レーンキーピングアシスト、レーダーセーフティパッケージ、360°カメラシステム、アクティブパーキングアシストなど、メルセデスの乗用モデルとして最新の安全機能が充実しています。

 

Vクラスは、メルセデス・ベンツのモデルらしい高級感のあるスタイリングやミニバンならではの広々とした室内空間、ラグジュアリーな内装、伝統のFRレイアウトやクリーンディーゼルの走りなど、国産ミニバンとは一味違う魅力を楽しめます。

 

ぜひ一度実車を見て、確かめてみてください。

 

 

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