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【2021年版】ディスコの愛称でお馴染み!ランドローバー 5代目ディスカバリーを解説

 

ランドローバーが販売するSUVのうち、レンジローバーの弟分として誕生して以来広く愛されている中核モデル、ディスカバリー。

 

イギリス本国では1989年に初登場し、日本国内では1991年からモデルチェンジを繰り返しながら販売されている人気モデルです。

 

現在販売されているのは5代目にあたり、4代目以前の角ばったクロカン然としたルックスを刷新し、より現代的な佇まいへと変化。

 

初代の登場当時こそ各部をレンジローバーと共通部品で固めた廉価モデルとしてのイメージがあったものの、2代目以降は独自の進化やメカニズムが惜しみなく投入され、3代目からはより豪華に、高性能に。

 

モデルチェンジを経るごとに、すっかりメーカーの中核を担う車種として存在を確立させました。

 

Discoveryの綴りから愛称として「DISCO(ディスコ)」とも呼ばれる一台。

 

今回は現行モデルである5代目、その最新モデルを解説していきます。

 

 

■存在感はフラッグシップ並み!モダンなSUVに進化


 

 

現行モデルにあたる5代目ディスカバリーは、「DISCOVERY5」の名で2016年パリモーターショーでデビューしました。

 

カクカクとした伝統的なデザインは鳴りを潜め、より現代的な造形と流線美をまとった姿は実に堂々としたもの。

 

シリーズ初採用となったアルミモノコックによって先代と比較して実に360kgもの軽量化がなされ、走行性能の向上に大きく寄与。

 

新開発の電子制御エアサスペンションは快適な乗り心地と力強い走りを両立させ、磨き上げられたインテリア(内装)の上質さも相まって、GTカーと呼べてしまうような快適性を手に入れました。

 

もちろんディスカバリーの伝統である悪路走破性や雪道走行性能も正統進化しており、英国を代表するクロカンメーカーとしての矜持を感じる仕上がりになっています。

 

年次改良は主にパワートレインの変更と各部のブラッシュアップですが、年式が新しくなるにつれてヘッドアップディスプレイやアダプティブクルーズコントロールなど、より現代的なSUVに進化しています。

 

 

■時代に合わせて変化したルックス


 

 

エクステリア(外装)は先述した通り、4代目までの角が立ったスクエアなボディデザインから一新され、スラントノーズと流麗なキャラクターラインによって新世代を象徴するスタイリッシュなものへと変化しました。

 

最新のマトリクスLED搭載ヘッドライトを装備した顔つきに進化。

 

伝統のクラムシェル(貝殻)と呼ばれる包み込むような形状のボンネットは丸みを帯びた形状になりました。

 

また、前後オーバーハングを縮めてタイヤを可能な限り四隅に配置する事により、ワイド&ローなスポーティさを強調。

 

サイドビューは太めのCピラーをボディ同色としてあえて目立たせる事で、低く構えたスタンスのまま、積載性の高さやキャビンの奥行きを巧みに表現しています。

 

 

そして往年のファンを安心させるのが、初代からずっと変わらない真四角のリアビュー。

 

休みの日にはクーラーボックスやテーブルといったアウトドアギアをあれもこれもと積み込んで、出かけたくなる、まさに荷物を積む事を楽しませるようなディスカバリーの性格を体現する部分でもありますね。

 

ボディサイズは全長4,956mm×全幅2,073mm×全高1,888mm、車重はカタログ表記上2,470kgとなっています。

 

ランドローバーが製造するSUVの中でこそミドルサイズ扱いされるディスカバリーではありますが、そのサイズ感と迫力は立派なフルサイズSUVと言えるでしょう。

 

 

■ヘビーデューティの中に見えるエレガンス


 

 

11.4インチのディスプレイがまず目を引くインテリアは、ホリゾンタル(平行)デザインを基調とした冒険感溢れるヘビーデューティなものに仕上がっていますが、効果的にシルバーパーツを使ったステアリング周りやセンターコンソール、パネルの組み合わせと陰影の技で立体感溢れるものとなったドア内装、フルカラー液晶メーターなどは最新のSUVデザインとして迫力とラグジュアリー性を両立しており、そこにレザーを組み合わせ、英国流の上品さをプラス。

 

ヘビーデューティ+ラグジュアリー+エレガンス。

 

このちぐはぐとも言える組み合わせをここまで破綻なく整然とまとめてしまうのが、「砂漠のロールスロイス」とも称されるレンジローバーを生み出したランドローバーというメーカーなのです。

 

 

他には全席シートヒーター、USB-C端子などユーティリティ面についても抜かりなし。

 

荷室容量もVDA方式で172L(7名乗車時)~1,997L(2名乗車時)とかなりの数字となっており、幅広い用途に対応できるキャパシティを持っています。

 

 

■マイナーチェンジで搭載される個性的な2つのパワートレイン


 

 

2021年7月にマイナーチェンジを受けた最新のディスカバリーにはガソリンとディーゼルの2種類のエンジンが用意されています。

 

グレード展開はP360(2,996cc V6スーパーチャージャー)とD300(2,997cc V6ディーゼルターボ)で、いずれも従来モデルと比較して大幅なパワーアップが図られ、新たにマイルドハイブリッドが標準装備となっています。

 

・P360(2,996cc V6スーパーチャージャー)+マイルドハイブリッド

最高出力:265kW(360PS)/5,500〜6,500rpm

最大トルク:500Nm(51.0kgm)/1,750〜5,000rpm

燃料消費率:8.8km/L(WLTCモード)

 

・D300(2,997cc V6ディーゼルターボ)+マイルドハイブリッド

最高出力:221kW(300PS)/4,000rpm

最大トルク:650Nm(66.3kgm)/1,500-2,500rpm

燃料消費率:10.4km/L(WLTCモード)

 

最大出力で車体を引っ張っていくガソリンエンジンと、低回転・低速から2.4tのクルマをモリモリと加速させていくディーゼルエンジン。

 

選択におおいに悩む組み合わせですが、どちらを選んでも実に魅力的なパワートレインですね。

 

ともに8速ATが組み合わされ変速はスムーズで、ジェントルな乗り味を提供してくれます。

 

 

■衝突安全性はもちろん先進安全装備もバッチリ


 

 

ディスカバリーの安全性はユーロNCAP(New Car Assessment Programme:新型車アセスメントプログラム)における最高評価である5つ星を取得している事からも分かる通り、徹底して追及されています。

 

衝突安全性はもちろん、合計で8つ装備されるSRSエアバッグや、ISOFIX規格のチャイルドシート取り付け部など同乗者の安全にも配慮。

 

アシストとして、ブラインドスポットアシスト(死角に位置する他車を検知、ミラーに警告を表示+ステアリングアシストを介入させて衝突を回避) クリアイグジットモニター(同乗者が車外に出る際に車両や自転車を検知して警告) リアトラフィックモニター(左右後方の車両や歩行者の接近を検知・警告) リアコリジョンモニター(後方から接近する車両が速度を落とさず、衝突の可能性がある場合に検知・ハザードを自動点灯して注意を喚起) アダプティブクルーズコントロール(先行車の減速や停止を検知、安全な車間距離を維持) など、ヨーロッパ規格の多くの安全装備が標準装備されています。

 

 

■英国の雄、ディスカバリー


 

 

今回はランドローバー ディスカバリーとその最新モデルについて解説しました。

 

初代から5代目まで魅力的なモデルばかりで、長く愛されてきた事にも納得のディスカバリー。

 

日本においては少し大柄な車体は存在感も抜群ですし、気になった方は是非、実車をご覧になってみてはいかがでしょうか。

 

他国のSUVにはない、ディスカバリーにしか出せない、エレガントな魅力があなたを魅了するに違いありません。

 

 

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