【日本車 VS 外車】2.0リッターターボ対決!5代目シビックタイプR VS ポルシェ 718ケイマン
ホンダ シビック タイプRとポルシェ ケイマンは、打ち出すコンセプトや性質に違いはあるものの、ともにリアルスポーツとして世界的に支持されるモデルです。
そこで、同じ2リッターターボエンジンを積む両車には、どのような違いがあるのか、走行性能を中心に5代目シビックタイプRと718ケイマンで比較し、紹介してみましょう。
■5代目シビックタイプR:718ケイマン概要|世界が認める本格スポーツ

タイプRとは、ホンダが誇るエボリューションモデルで、シビックでは1997年6代目のマイナーチェンジに合わせ、ラインアップに初めて追加されました。
国内外で数々のレースを歴戦するシビックタイプRは、まさにホットハッチとして人気を博し、4代目では歴代初となるターボエンジンを搭載。
ニュルブルクリンクでのタイム測定において、量産FF車最高速を樹立しています。
そんなシビックタイプRが5代目となったのは2017年で、見た目はより硬派に変貌、パワートレインではタイプR専用設計となる新技術が各部に採用され、パワーを拡大するとともに、ニュルブルクリンクでは4代目に続き、最高速を叩き出しました。

一方、ケイマンは、ロードスターであるボクスターの派生モデルとして、2005年にデビューした2シーター・クーペで、現行モデルは2016年にモデルチェンジを実施した3代目にあたります。
現行モデルのケイマンは、先代までの水平対向6気筒エンジンから4気筒へとダウンサイジングを実施したことをきっかけに、名称も4気筒ミッドシップエンジンを搭載し、レースを歴戦したポルシェ718にちなみ、718ケイマンへと改名されました。
718ケイマンは、扱いやすいサイズ感にライトウェイトで、いざ走り出せば抜群のパフォーマンスを発揮するにもかかわらず、1000万円越えが勢揃いするポルシェモデルの中では比較的安価で、安定した人気を維持するスポーツです。
■パワートレインのスペック比較|究極エンジン追及と伝統ユニット打破

5代目シビックタイプRは、先代までのシビックをベースとした各部のアップデートや強化ではなく、プラットフォームからパワートレインまでを、開発段階からタイプR用に専用開発しているのが特長です。
パワーユニットには、2.0L 直列4気筒ターボとなるVTECエンジンK20C型を採用、型式こそ先代と同型であるものの、回転・往復運動パーツには徹底した軽量化と高強度化を図り、ターボにも過給圧をコントロールするウェイストゲートバルブを採用。
排気側のVTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)、吸排気双方へのVTC(連続可変バルブタイミング・コントロール機構)採用に加え、6速MTのトランスミッションにも全速に専用クロスレシオを設定し、ファイナルギア比をローレシオ化しています。
これら全ての技術が全回転域での素早いレスポンス性と高出力を実現するもので、最高出力は235kW(320PS)/6,500rpm、最大トルクは400Nm(40.8kgm)/2,500~4,500rpmと、抜群のパフォーマンスを発揮します。
0-100km/h加速、最高速は5代目では公表されていないものの、先代では0-100km/h加速を5.7秒、最高速を270km/hと公表しており、出力をアップした5代目では、公表されていればこの値を上回ることは間違いありません。
718ケイマンの現行型パワートレインでの最大のトピックは、伝統の水平対向6気筒エンジンから、新開発の水平対向4気筒へとダウンサイジングされたことでしょう。
当初は、フラットシックスを惜しむ声があがるなか、ポルシェは各部に新技術を投入することで逆に出力をアップさせ、俊敏にレスポンス良く加速力を増す走行性能に仕上げられています。
パワーユニットには、ベースの718ケイマンに2.0L 水平対向4気筒ターボをミッドシップに搭載し後輪を駆動、トランスミッションは標準が6速MTとなり、オプションでPDK(DCT)が選択可能です。
同エンジンは、直噴システム(DFI)や、可変バルブタイミング機構となるバリオカムプラス、エンジン冷却用オイルを安定的に供給するインテグレーテッドドライサンプ潤滑システムを備えたスポーツエンジンとなりました。
また、ターボには過給圧を自動制御するウェイストゲート式を採用、全回転域での高出力を可能としています。
718ケイマンの最高出力は220kW(300PS)/6,500rpm、最大トルクは380Nm(38.7kgm)/1,950~4,500rpm。
0-100km/h加速は、6速MT車で5.1秒、PDK車で4.7秒となり、最高速は275km/hに達します。
■車重・パワーウェイトレシオ比較|抜群の加速力には定評あり!

シビックタイプRの車両重量は、歴代のタイプRと比べ重くはなっているものの、パーツのアルミ化やボディ構造見直しなどによって軽量化を図り、1,390kgに抑えられています。
その結果、一般的に加速力の目安で、値が小さいほど早いとされるパワーウェイトレシオ(車重/馬力)に換算すると、4.3kg/PSと、かなりの俊足であることが見てとれます。
ボディサイズは、全長4,560mm×全幅1,875mm×1,435mm、ホイールベースは2,700mmとなりました。

一方、718ケイマンも、徹底したパーツの軽量化やエンジンスリム化、シャシーの見直しにより車両重量は軽く、MT車で1,360kg、PDK車で1,390kgを実現しています。
その結果、パワーウェイトレシオでは、MT車が4.5kg/PS、PDK車が4.6kg/PSと、シビックタイプRにせまる俊敏さとなりました。
ボディサイズは、全長4,385mm×全幅1,800mm×全高1,295mmで、ホイールベースは2,475mmとしています。
■装備比較|操作性・制動性向上に先進技術を採用

シビックタイプRは、操作性や制動性に関して、先進技術を採用しているのが特長です。
なかでも、レブマッチシステムは、MT車で熟練のテクニックを必要としたコーナリングなどで、変速操作に合わせヒール&トゥに匹敵する最適なエンジン回転数を自動制御するため、ドライバーはハンドリングやブレーキングに専念できるシステムです。
安定したハンドリング操作となるよう、4輪のブレーキを独立して自動制御し、忠実なライントレースをアシストするアジャイルハンドリングアシストも画期的な技術です。
また、3つの走行モードがスイッチ操作で瞬時に選択可能なドライビングモードも装備。

ブレーキシステムには、フロントにブレンボ製4ポットキャリパーと350mm径2ピースブレーキディスクを採用、2ピース化はブレーキディスクローターの熱倒れ抑制に、大きな効果を発揮します。

718ケイマンの操作性や制動性にも、数多くの先端技術が採用されました。
車両のバランスが崩れた場合、車体を安定させる横滑り防止機能となるPSMは、オーバーステアやアンダーステアをはじめ、滑りやすい路面などにおいても、車体の安定状態を維持し、加速する際のトラクションも確保します。
ハンドリング機構には、ポルシェ911ターボにも採用されたダイレクトなギアレシオのステアリングギアを備えた電気機械式ステアリングシステムが採用されました。
また、オプションであるスポーツクロノパッケージを選択すれば、3つの走行モードがスイッチで選択可能。
ブレーキシステムには、フロント・リアに4ピストン式アルミ製モノブロックキャリパーが装備され、フロントのブレーキディスクは330mm径、リアは299mm径としています。
■コースでのタイム比較|ニュルでの走行速度は驚異的

シビックタイプRと言えば、ルノー メガーヌやVW ゴルフなどとともに、ニュルブルクリンク北コースにおいて、量産FF車最高速を争うことで有名です。
4代目では、2015年に7分50秒63で最高速を樹立したタイプRは、5代目でも2017年にそれまで最速だったゴルフ GTIクラブスポーツSの記録を上回り、7分43秒80を叩き出し、量産FF車最高速を再び奪還しています。

一方、718ケイマンでは、ベースの2.0Lを積むモデルでのタイムアタックは、公式には公表されていませんが、パフォーマンスグレードで2.5Lフラット4ターボを積む718ケイマン GTSのタイムが公表されています。
参考までに、718ケイマン GTSは、全長20.83kmのニュルブルクリンク・ノルドシュライフェを標準タイヤで走行し、7分40秒を記録しました。
■あなたはどちらを選ぶ?リアルスポーツは今が狙い目!

こうやって両車を比較してみると、作り手のこだわりが随所に感じられるとともに、勝敗を決めるにはその走行性能は拮抗し、両車とも甲乙つけがたい仕上がりであることがわかります。

できるなら、シビックタイプRでワインディングロードを攻め、渋滞の無いハイウェイで718ケイマンを存分楽しみたいと感じるのは私だけでしょうか。
各メーカーが次期型のEV化を続々と発表するなか、リアルスポーツとされる代表モデルも先行きはどうなるか、確証はありません。
ピュアな内燃機関を望むなら、今が狙い目です。
ぜひ中古車をチェックしてみましょう。




