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コンパクトだけど悪路もイケる輸入車4WD5選

 

■日本の立体駐車場事情


 

 

日本という島国は平地面積が少なく、特に駐車場の確保において様々な困難が存在します。

 

その最たる解決策は機械式やエレベータ式の立体駐車場です。

 

実は日本では特に珍しくもないこれらの駐車設備ですが、特に土地が広大な北米やオーストラリアなどでは存在すら知られていない事も多く、外国人観光客がそれらの写真や動画を「日本の駐車場、スゲー!」とSNS等に投稿し、よく話題になったりします。

 

 

そして、それら立体駐車場と切っても切れない関係にあるのが、実際に利用するクルマのボディサイズ。

 

特に都心部などでは全長5,050mm×全幅1,850mm×全高1,550mmというサイズ制限が多く、この数値は特にSUVや4WD車に乗りたい方にとってはひとつの関門になります。

 

 

■それでも悪路を走りたい!4WDに乗りたい!


 

 

そんな中でも世は未曽有のSUVブーム。

 

国産メーカーはもちろん、海外の自動車メーカーもこぞってSUVを発売しており、その需要はまさにうなぎのぼり。

 

各社4WDにもこだわって、いろいろな車種がしのぎを削る一大マーケットに成長しました。

 

という訳で今回この記事では、立体駐車場に入るボディサイズで4WDを備えたクルマを数台、輸入車の中から紹介します。

 

 

■大きなミニ!?と話題になった一台:ミニ クロスオーバー(R60)


 

 

初代ミニ クロスオーバーとも呼ばれるR60型は、登場した当初は「ミニなのにクロスオーバー!?」と驚きとともに迎えられました。

 

ミニという名前がBMWの1ブランドとして使われるようになって久しいですが、かつての小さな英国車ミニから、様々な意味で大きな違いと異なる需要を取り込んだ名車です。

 

サイズが大きくなっても、愛嬌のある顔つきと丸みのあるリアビューはまさしくミニです。

 

MINI ALL4(ミニ・オールフォー)と呼ばれるフルタイム4WDシステムを備えたALL4グレードは様々な路面状況で適切な駆動力配分を行い、街乗りからちょっとした冒険までを幅広くサポートしてくれます。

 

ボディサイズ:全長4,105mm×全幅1,790mm×全高1,550mm

 

 

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■都会派SUVの代表格:メルセデス・ベンツ 初代GLA(X156)


 

 

Gクラスを始祖として近年ラインアップを拡充し続けているメルセデスSUVの中で、3代目Aクラスをベースとして生まれたのがGLAです。

 

現行の2代目GLA(H247)はよりSUV色を強めた力強いクルマとなっているのに対し、初代GLAのルックスは都会派そのもの。

 

低く構えたボディが一番の特徴で、全高はたったの1,505mm。

 

また、クーペ然とした滑らかな弧を描くルーフラインやスタイリッシュな各部の仕上げなど、流石はメルセデスという仕上がりです。

 

グレード名に4MATIC(フォーマチック)と冠されたグレードにはメルセデス独自の4WDシステムが装備されていますが、最低地上高が150mmしかないため、本格的なオフロード走行よりもスキー場やキャンプ場までのルートなど、比較的平坦な悪路を安心して走破する事を得意としています。

 

ボディサイズ:全長4,430mm×全幅1,805mm×全高1,505mm

 

 

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■最小のクワトロ搭載ハッチバック:アウディ S1


 

 

かつてFFのみで4WDの設定がなかったA1シリーズですが、なんと231PSの2.0Lターボとアウディお得意のQuattro(クワトロ:4WD)をねじ込んだホットモデルが存在します。

 

名はS1。アウディにとっての「S」は本気の証。

 

狂気と熱狂の時代と呼ばれる1980年代の世界ラリー選手権グループB。

 

軽量ボディとクワトロ装備で名だたるライバル達を相手に暴れ回った怪物ラリーカーの名がS1でした。

 

トランスミッションは6MTのみというスパルタンな仕様。

 

搭載される4WDはラリーのDNAで徹底的に鍛えこまれたシステムですから、その性能は折り紙付き。

 

A1から大きく変更を受けた足回りと相まって、あらゆる路面状況で強烈なトラクションとコーナリングフィールを提供してくれます。

 

ボディサイズ:全長3,990mm×全幅1,740mm×全高1,425mm

 

 

■ツアラーの名は伊達ではない:BMW 2シリーズ 218d xDrive アクティブツアラー


 

 

後輪駆動の高級セダンのイメージが強いBMWですが、実は4WDのミニバンもある事をご存じでしょうか?

 

さきほどアウディ S1の項でライバルのお話はしましたが、Quattroで市場を作り上げたアウディに対し、BMWが開発したのがxDrive(エックスドライブ:4WD)。

 

クルマの四輪がどのような状況にあって、このあとどのようにグリップするのかを事前に計算・察知するDSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)と連携し、緻密なトルク配分調整をリアルタイムに行う事が特徴です。

 

そのxDriveを搭載するミニバンが2シリーズ 218d xDrive アクティブツアラーです。

 

7名乗車の遠出もなんのその、余裕のある室内空間とBMWお得意のフラットな乗り心地に、xDriveまで搭載。

 

 

もちろんミニバンだからといって妥協したような部分はなく、徹底したクルマ作りで知られるメーカーなだけあり満足感の高いツアラーとなっています。

 

ボディサイズ:全長4,350mm×全幅1,800mm×全高1,550mm

 

 

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■ヨーロッパ流オールラウンダー:VW ゴルフオールトラック TSI 4MOTION


 

 

長い歴史を持つVW(フォルクスワーゲン)の中でも、ビートルに次ぐ知名度を持つモデルがゴルフです。

 

コンパクトハッチバックとして誕生したゴルフは時代やニーズに応じて様々な形状が存在し、その中でも「ヴァリアント」と呼ばれるステーションワゴンは人気があるモデルです。

 

そして、そのヴァリアントをベースにタイヤサイズの拡大とサスペンションのリフトアップで25mm最低地上高を上げ、クロスオーバーモデルとしたものがゴルフオールトラックです。

 

搭載される4MOTION(フォーモーション:4WD)は熟成が重ねられつつあるVWオリジナルのシステムで、前後輪の駆動トルクを路面状況に応じて0%から100%を連続的に変化させるハイテク4WD。

 

低負荷時には完全な2WDとして動作するため、駆動系への負荷も最小限で、かつ燃費を意識した走行を自動的に行えるという特徴があります。

 

ボディサイズ:全長4,585mm×全幅1,800mm×全高1,510mm

 

 

■番外編 フレンチ的SUV哲学:プジョー 2代目2008 GT


 

 

プジョーのSUVは00が付く車名を持っていますが(現行では2008、3008、5008)、その末弟たる2008は208をベースに生まれたSUV。

 

ライオンの爪をイメージした各部の3本ラインや、奥行きを感じさせるテールランプ、インテリア(内装)デザインに革新をもたらした3D i-cockpitなど、フランスらしさをぎゅっと纏めたパッケージングをしています。

 

そしてなんといっても、このスタイリングでも4WDの設定はなく、プジョー含めフランスのSUVはほぼ全てがFFのみ。

 

このあたりはフレンチ的というか、4WDが必要なのは雪道にスタックした時などの緊急時のみであり、どのような路面であろうとFFでも十分なのだという哲学が根底にあります。

 

その分、電子制御は考え抜かれていて、GTにはアドバンスドグリップコントロールと呼ばれるFFに特化したトラクション/ブレーキ制御が組み込まれています。

 

そのため、雪、砂、ぬかるみといった道路状況に合わせた走行モードが選択可能です。

 

ボディサイズ:全長4,305mm×全幅1,770mm×全高1,550mm いかがだったでしょうか。

 

今回は番外編含め、立体駐車場に収まる輸入車4WD+αを様々なジャンルから紹介しました。

 

 

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昨今は水害や降雪が大きな話題となり、またコロナ禍によるアウトドアブームで悪路走破性を重視するユーザーがこれまで以上に増えてきました。

 

そして、そんな中でも特に便利な存在が立体駐車場に入る4WD。

 

皆様もぜひ、生活の相棒にご一考下さい。