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スタイリングは確かにBMWとほぼ同じ。 しかしそれだけに留まらないアルピナの哲学とは

 

BMW公認のチューニングメーカーとして、ハイエンドなモデルを生産する アルピナ。その高い技術力によって、これまで数々の高性能BMWを世に送り出してきました。華美にではなく、あくまでもBMW然としたその佇まいからは想像しがたい、独特のチューニング哲学に迫ります。

 

 

■アルピナの成り立ちと日本へ上陸「40周年」


 

 

1965年にアルピナ・ブルカルト・ボーフェンジーペン合資会社が設立 アルピナがBMW公認チューナーとなったきっかけは、1960年代にまでさかのぼります。 まずアルピナの創立者の息子ブルカルト・ボーフェンジーペンが、BMW 1500用のツインキャブレターキットの開発と販売を行います。

 

このキットは品質と性能ともに優れていたことから、BMWの車両保証が与えられることになります。 それを足がかりとして、1965年にアルピナ・ブルカルト・ボーフェンジーペン合資会社が設立されます。その後、アルピナ社はツーリングカー選手権にBMWで参戦し、いち時代を築くことになります。

 

1970年代終盤、コンプリートカー開発に注力を始めたアルピナは、3シリーズに6気筒エンジンを搭載したB6 2.8、300PSを発生するB7ターボクーペなどを世に送り出し、BMWチューナーとしての地位を確立。1983年には、ドイツ自動車登録局に自動車メーカーとして正式に登録されました。 ・1979年日本に輸入開始 日本へ初めてアルピナが輸入されたのは、1979年。

 

※イメージはB4 S ビターボ

 

初代5シリーズをベースに、3.0L 直列6気筒エンジンをターボチューンしたB7ターボ。最高出力300PS、0-100km/h加速6.5秒、最高時速260km/hという数字を叩きだす高性能サルーンの登場に、多くのファンが沸きました。以来40年間にわたり、5,300台以上のモデルが日本へ輸入・販売されました。 現在、BMWとはビジネスパートナーという関係にあり、BMWのディーラーでパーツの購入やメンテナンス、保証が受けられますが、あくまでも独立した自動車メーカーとして存在しています。アルピナが成功した背景には、BMWとの密接な協力関係があってこそのものと言えるでしょう。

 

 

■エンジンや室内は徹底したこだわりを持つ


 

 

アルピナのモデルは、エクステリア(外観)だけ見るとベースモデルと大きな違いは感じられません。 識別ポイントは、伝統的に採用されているフィンタイプのホイールと、独特のデコレーションストライプ、控えめなエアロパーツといったところでしょうか。

 

そのノーマルに近いエクステリアに反して、その中身は熟練した技術を持つ職人によって組み上げられたハイチューンエンジンに合わせた燃料供給系統やコンピューターを始め、トランスミッションやサスペンション、ブレーキにいたるまで、高度なチューニングが施されています。

 

 

もちろんインテリア(内装)にもこだわりを持っており、シート表皮には塩で保存されていない雌牛の皮をミネラルでなめし、さらに天然繊維でなめした最高級のラバリナレザーを採用。ライナー素材やステッチ、エンボス加工などを好みで選べるようカスタマイズ・バリエーションを数多く用意しており、自分好みのインテリアに仕上げることも可能です。

 

 

■初上陸から40周年 B7ターボの現在の姿「BMW ALPINA B7 BITURBO」はどんなモデルか?


 

 

アルピナが日本に上陸してから40周年となる2019年、アルピナ B7ビターボの新型が登場しました。 BMWの7シリーズがベースモデルとなるB7ビターボのエクステリアは、BMWのエレガントでダイナミックなデザインが生かされつつも、徹底的なエアロダイナミクスを追求した機能美が特徴です。

 

エンジンは、4.4L V8ツインターボで、最高出力は447kW(608PS)/5,750rpm〜6,250rpmで、最大トルクは800Nm(81.6kgm)/3,000rpmという凄まじいパワーとトルクを発生します。

 

この大パワーを、アルピナチューンの4WDシステムと、ZF社製8速スポーツ・オートマチック・トランスミッション、そしてミシュラン製20インチタイヤで受け止め、確実に路面に伝達。0-100km/h加速は3.6秒、最高時速は330km/hに達するという、スーパーカーに匹敵するパフォーマンスを発揮します。

 

インテリアも高級感と先進性にあふれるものでありながら、ステアリングのセンターに取り付けられるエンブレムや、専用デザインのメーター、カスタマイズ・プログラムによって可能なオーダーメイド・インテリアなど、アルピナならではの個性と彩りを感じさせるものとなっています。

 

ベース車両のBMWを徹底的に見直し、細部にいたるまでこだわり抜いたクルマ造りを目指すアルピナは、アフターパーツや装備品だけで造られたチューンドカーではありません。ベースモデルであるBMWの性能と個性を生かし、機能と品質を高度な技術で昇華させ、クルマへの情熱を高い次元で形にした、ハイパフォーマンスカーなのです。