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ニュルブルクリンク最速の激速ホットハッチ!ルノー メガーヌR.S.とは?

 

速いクルマと聞けば誰もがクーペタイプのスポーツカーを思い浮かべるはず。

 

しかし、ハッチバックながら、サーキットでスポーツカーと遜色ないタイムを叩き出すモデルがあります。

 

それが今回紹介するメガーヌR.S.です。その速さの進化を中心に魅力を解説していきます。

 

 

■Cセグメントトップクラスのスポーツマシン


 

メガーヌR.S.のベースとなるメガーヌは、1995年に登場しました。

 

ルノーの中核を担うモデルであり、Cセグメントに分類されることが多く、Bセグメントに分類されることが多い同ブランドのルーテシアの兄貴分という位置付けです。

 

ライバルとしてはフォルクスワーゲンのゴルフや、BMWの1シリーズなどが挙げられるでしょう。

 

そんなメガーヌにスポーツグレードR.S.が登場したのは2004年のこと、2代目メガーヌをベースに、F1やラリーで活躍するルノーのモータースポーツ部門、ルノースポールが開発したホットハッチとして登場しました。

 

2020年現在、メガーヌのトップに君臨するグレードでもあります。

 

ちなみにR.S.はスポーツモデルによくある「レーシング・スポーツ(Racing Sports)」という意味ではなく、「ルノー・スポール(Renault Sport)」の頭文字から由来されています。

 

 

■スポーツカーらしく性能進化を遂げていく歴代モデル


 

2004年に登場した初代モデルは、ベースとなったメガーヌに比べると、実に多くの部分がホットに仕上げられたモデルでした。

 

まずはエンジン、ノーマルグレードと同じ2.0Lという排気量ながらターボで武装することにより、98kW(91PS)パワーアップし、最高出力は165kW(224PS)/5500rpmを発生。

 

それに伴い足回りも強化されていて、全高も10mm低くなっています。

 

そして見た目の部分も専用バンパーやリアスポイラーなどが与えられ、スポーティーな印象になっていますが、あくまでさりげない変更にとどまっているのがポイントです。

 

 

2代目メガーヌR.S.は2010年に日本市場に登場します。

 

最も驚くのはベースとなる3代目メガーヌはヨーロッパ市場で2年前から販売されていたのにも関わらず、日本市場への3代目メガーヌ投入は、(R.S.としては2代目)このR.S.が最初であるということ。

 

これは、日本市場におけるR.S.の人気の高さが現れた結果と言えるでしょう。

 

最高出力は184kW(250PS)に向上し、0-100km/h加速は6.1秒というスペックを実現。

 

さらに前:340mm、後:290mmのブレンボ製ブレーキローターとフロントキャリパーを装備(リアキャリパーはTRW製)と、スペックも走りの装備もスポーツカー並みになりました。

 

 

そして現行モデルとなる3代目は2018年に日本市場での販売を開始します。

 

ベースとなる4代目メガーヌのデザインがアグレッシブになった影響からか、現行メガーヌR.S.はより攻撃的な印象を受けるエクステリアとなりました。

 

エンジンは、それまでの2.0Lから1.8Lと排気量が小さくなりましたが、パワーアップを実現し、205kW(279PS)/6000rpmというスペックを誇ります。

 

それに伴い足回りなど各部が強化され、スポーティに仕上がっているのは言うまでもないですが、注目すべきは4WSシステム4コントロールが採用されているという点です。

 

走行状況によってリアタイヤにも舵角を与えるこのシステムにより、それまで好評だったメガーヌR.S.のコーナリング性能が、より研ぎ澄まされたものとなりました。

 

 

■ニュルブルクリンク最速FFマシンを目指して


 

 

歴代のメガーヌR.S.を振り返る上で忘れちゃいけないのが、世界で一番過酷と言われるドイツにあるサーキットニュルブルクリンクでのタイムです。

 

まず、初代メガーヌ時代に450台限定で登場したR26.Rによって、2008年当時、FF最速となる8分17秒というタイムを記録しています。

 

2011年には2代目メガーヌR.S.でその記録をさらに縮めますが、セアトのレオン・クプラ280に記録は更新されてしまいます。

 

それに対抗すべくルノーはメガーヌR.S.の特別限定モデル275トロフィーRで7分54秒というタイムで2014年に記録を更新。

 

そうこうしているとニュルFF最速の座を狙う争いは過激化の一途を辿ります。

 

2015年にはホンダシビックタイプRが記録を更新、翌2016年にはフォルクスワーゲンのゴルフGTIクラブスポーツSが、2017年には再びシビックタイプRが記録を更新し、FF最速の座を巡る争いは激しさを増しています。

 

 

しかし2019年5月に、メガーヌR.S.トロフィーRが7分40秒という記録を樹立。

 

メガーヌが再びニュルFF最速の座に返り咲いたのです。

 

 

■ハッチバックの形をしたスパルタンなスポーツカー


 

 

一見するとただのハッチバックですが、よく見ると空力処理などから只者ではないことが感じ取れるメガーヌR.S.。

 

確かにハッチバックであるため、積載性などではある程度の利便性を持ちます。

 

しかし固められた足回りや、高速走行でも耐えられるブレーキや、減りの早いスポーツタイヤなどが採用されているため、乗り心地や消耗パーツが単なるハッチバックとは異なり、購入するにはスポーツカー並みの覚悟が必要なモデルです。

 

しかし、その覚悟を飲み込むことができるのであれば、楽しいハンドリングを味わえるのは間違いありません。

 

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