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50年以上の歴史を持つジャガーのフラッグシップセダンXJの歴史

 

イギリスを代表する高級車ブランドであるジャガー。

 

元来はスポーツカーを得意とするブランドで、近年はSUVや電気自動車と様々なジャンルをラインアップしていますが、50年以上の歴史を持つモデルがあります。

 

それが4ドアサルーンのXJです。

 

 

■3モデルの後継サルーンとして登場


 

 

数あるジャガーのモデルラインアップの中でも、フラッグシップモデルに位置しているXJ。

 

その誕生は1968年まで遡ります。

 

パリモーターショーで登場したジャガーXJ6は、それまでジャガーがラインアップしていた3タイプのサルーンの後継モデルとして発表されます。

 

当時としては既に古い印象となっていた3つのサルーンでしたが、それらを一つに統合するという大胆なチャレンジをジャガーは行いました。

 

 

■XJの伝統を作り上げたシリーズⅠ〜シリーズⅢ


 

 

1968年にデビューしたモデルは「XJ6」という名前にもある通り直列6気筒を搭載したサルーンでした。

 

この初代は後にシリーズⅠと呼ばれ親しまれていくこととなります。

 

シリーズⅠ末期となる1972年には、量産4ドアサルーンとしては世界で初めてV12エンジンを搭載したXJ12も登場し、高級サルーンとしての地位を確実なものにしていきます。

 

1973年にはシリーズⅡへと進化、アメリカ市場の法規対応をメインとしてフロントバンパーのデザイン変更などを受けます。

 

またシリーズⅡ時代の1975年には2ドアクーペも登場しました。

 

このXJのクーペボディは後に登場したクーペ/コンバーチブル専用モデルであるXJSにその役目を譲ることとなります。

 

改良を受けて1979年にはシリーズⅢになります。

 

エクステリアデザインは初代の面影を残しつつも、近代的なものとなり1980年代にふさわしい見栄えのサルーンへと進化します。

 

 

■先進的な設計が用いられたXJ 40とX 300


 

 

1986年にXJシリーズは大きな変更を受けます。

 

それまで改良を施し時代に合わせてきたXJシリーズですが、それは初代をベースにビックマイナーチェンジを行ってきたような形でした。

 

しかし、1986年にデビューしたXJは新世代の直列6気筒エンジンや(V12 はラインアップされず)、空気抵抗に配慮したボディデザインが採用され、新世代のサルーンとして登場しました。

 

何よりXJ 40という今までとは違う呼び名が新世代であることを示しているでしょう。

 

また、他のジャガーモデルたちにも採用されることとなる特徴的なシフトゲート「Jゲート」やセルフレベリング機能付サスペンションといった先進的なメカニズムとデザインを採用していました。

 

1994年にはX300と呼ばれる世代へとチェンジ。

 

こちらは先代のビックマイナーチェンジ版という形が近いですが、エクステリアやエンジンなどで大きな変更を受けています。

 

先代では歴代XJシリーズの伝統から外れた角目のヘッドライトが採用されていましたが、この世代で再び丸目4灯のヘッドライトとなります。

 

上級グレードにはスーパーチャージャーで過給したエンジンも登場。

 

さらに後年にはV8エンジン搭載グレードも追加されました。

 

 

■アルミニウムボディが採用されたX 350


 

 

2003年に登場したX350と呼ばれるXJは、21世紀にふさわしいサルーンへと大きく進化を遂げて登場しました。

 

エンジンや各種装備の新世代化はもちろんですが、なにより大きな変化は自動車の骨格とも言えるボディです。

 

まずボディサイズ全長で65mm、全幅で100mm、全高で90mm、ホールベースで165mm拡大され、ドイツの最上級サルーンと渡り合えるほどの室内空間を手にします。

 

そして、それまでの採用していた鉄からアルミニウムへと変更。

 

大幅な軽量化とボディ剛性強化を実現し、走りの面でも世界トップクラスのサルーンへと変貌を遂げました。

 

 

■エクステリアデザインが大きく変化した現行モデル


 

 

現行型となる351系は2009年にデビュー。

 

伝統の丸目ヘッドライトをやめ、現代のジャガーラインアップと同じような横長のヘッドライトになり、大きくエクステリアデザインが変更されました。

 

また、インテリアも近代的なものとなり、現代では広く普及している12.3インチという大型のカラーディスプレイをメーターパネルにこのころから採用しているのは大きな特徴でしょう。

 

また、この頃にはジャガーの得意分野とも言えるアルミニウムボディはさらに進化。

 

同クラスの競合モデルよりも150kg以上の軽量化に成功しています。

 

 

■イギリスを代表する高級サルーンの1つ


 

 

ジャガーを代表する高級サルーンとして50年以上販売され続け、そのブランドイメージを支え続けたモデルがXJです。

 

当初は3モデルの後継という大きな役割を託されましたが、今日までXJが続いていることを考えると、その選択は間違いではなかったことが分かります。

 

イギリスでは首相の公用車として長年使用されているXJ、ジャガーはもちろんイギリスの伝統を味わいたいのであれば、オススメのモデルです。

 

 

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