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『いつ買うの?イマでしょ?生産終了したVW ザ・ビートル』

 

フォルクスワーゲン(以下VW)の「ザ・ビートル」は、往年の国民車タイプ1(通称:ビートル)をモチーフとしたデザインで人気となった「ニュービートル」の後継モデルとして、2011年にデビューしました。

 

その後、2019年に生産終了が発表されるまで、約3万5000台を国内で販売。

 

現在は、中古車として探すことができます。

 

 

■2019年まで販売されたザ・ビートル


 

 

初代ビートルをモチーフに、当時のゴルフのシャシーを流用して1998年に登場した「ニュービートル」の後継モデルが、2011年にデビューした「ザ・ビートル」です(日本では2012年に販売開始)。

 

ボディサイズは、全長4,270mm×全幅1,815mm×全高1,495mmで、搭載されるパワートレインは、最高出力77kW(105ps)/5,000rpm、最大トルク175Nm(17.8kgm)/1,500-4,100rpmの1.2L 直4SOHCガソリンターボと7速DSGという組み合わせ。

 

デザイン性を前面に打ち出したニュービートルとは異なり、ロー&ワイドなプロポーションが強調されたことで、スポーティでダイナミックな印象となったスタイリングに、インテリアは、ボディ同色のカラーパネルや“ビートルボックス”と呼ばれるダッシュボードの収納など、初代ビートルへの敬意が込められたデザインで、実用性と遊び心の両方が楽しめる仕様となっていました。

 

ボディバリエーションは、タイプ1時代と同様、クーペとカブリオレが基本です。

 

現在でも高い人気を誇るザ・ビートルですが、2019年に生産を終了。

 

中古車で購入するなら、比較的新しい個体が残っているいまが買いのチャンスとも言えるでしょう。

 

 

■カブリオレは1年遅れで登場


 

 

ザ・ビートルのグレード構成は、ファブリックシートの“Design(デザイン”と、レザースポーツシートやシートヒーター、フルオートエアコン、バイキセノンヘッドライトが標準装備となる” Design Leath-er Package(デザインレザーパッケージ)の2本立てでスタートしました。

 

2013年にはフルオート電動ソフトトップを搭載したオープンモデル「カブリオレ」が登場。

 

また同年秋にはスポーツモデル“Turbo(ターボ)”を追加します。

 

 

2016年にはマイナーチェンジが実施され、内外装デザインをブラッシュアップし、安全装備やコネクティビティ機能も強化。

 

グレードは、 “R-Line”に名称変更されたターボモデルを筆頭に、 “Design” “Base(ベース)”というラインアップにあらためられました。

 

 

■中古車を狙うなら多彩な特別限定車もチェックしよう


 

 

VWのアイコンとも言えるザ・ビートルには、毎年のようにさまざまテーマの特別限定車が販売されました。

 

市場での台数は少ないものの、お気にいりの1台がここから見つかるかもしれません。

 

 

・Fender Edition(フェンダーエディション)

 

 

最初に販売された特別限定車が、フェンダー・エディションです。

 

VW国内正規輸入60周年を記念して、2013年に設定された限定車で、アメリカの有名なギターメーカー、フェンダーと共同で開発したプレミアムオーディオシステム“フェンダーサウンドシステム(総出力400W、10チャンネル、9スピーカー)”を搭載し、専用デザインの18インチアルミホイールや専用エンブレムを採用しています。

 

600台限定モデルです。

 

 

・Racer(レーサー)

1973年に3,500台だけ生産された幻の1303S Yellow/Black Racerをモチーフとしたモデルで、最高出力155kW(211ps)/5,300-6,200rpm、最大トルク280Nm(28.6kgm)/1,700-5,200rpmの2.0TSIを搭載。

 

イエローのボディにブラックのストライブを配したエクステリアに、イエローステッチをあしらったレーシーなインテリアで100台限定で販売されました。

 

 

・カブリオレ 50’S/60’S/70’S

発売から約1年後の2013年末に設定された限定車で、カブリオレをベースに1950年代、60年代、70年代の文化や世界観を表現した仕様となっています。

 

たとえば「50’S」は、ブラックのボディに赤と黒の2トーンレザーシートでレトロ感のある演出が楽しめます。

 

 

・Choco(チョコ)

チョコレートをイメージしたトフィーブラウンメタリックのボディカラーに、優しいベージュのファブリックシートを組み合わせた「チョコ」と、キャンディホワイトまたはディープブラックパールエフェクトのボディカラーに、それぞれレッドの2トーンでコーディネートしたインテリアを組み合わせた「ミルク」と「ビター」という3タイプの限定車は、専用のエクステリアとバイキセノンヘッドライトを標準装備して、2014年に限定800台で発売されました。

 

 

・Journey(ジャーニー)

“旅に出かけたくなるような仕様”というコンセプトで2014年に登場した限定車です。

 

バイキセノンヘッドライト、純正ナビ、ETCユニット、USBデバイス接続装置など旅行に便利な機能を標準装備とし、300台限定となっています。

 

 

・Special Bug(スペシャルバグ)

1982年に発売されたリミテッドモデル“Special Bug”をモチーフに、クラシカルな雰囲気に仕上げた限定車。

 

専用のサイドデカールに、ホイールキャップを彷彿とさせるホイールデザインもさることながら、このクルマの注目はアイボリー&レッドのファブリックと合成皮革を使ったレトロな印象のシートにあります。

 

ボディカラーは3色で、限定800台でした。

 

 

・Exclusive (エクスクルーシブ)

パワフルなターボモデルとカブリオレをベースに、ナパレザーシートやフェンダーサウンドシステムなどを装備した限定車で、2014年に各50台ずつ、計100台が販売されました。

 

 

・Blossom(ブロッサム)

女性に人気の高い快適&便利アイテムに、内外装を春らしい装いでカラーコーディネートした限定車。

 

ボディカラーは3色で、ピュアホワイトとトルネードレッドにはブラック&レッドのツートーンシート&トリム、デニムブルーにはベージュのシート&トリムという組み合わせで、2015年に各150台を販売。

 

インテリアのフラワーベースをはじめ、シートヒーター、パークディスタンスコントロール、 キーレスアクセス、さらにLEDポジショニングランプ付きバイキセノンヘッドライト、オートライトシステム、レインセンサーなどが標準装備されています。

 

 

・Club(クラブ)

 

 

 

個性的な専用色ハバネロオレンジメタリックにブラック塗装したサイドミラーカバー、ルーフという強烈なコントラストで存在感を放つ限定車です。

 

2015年に登場し、クーペ500台、カブリオレ50台の計550台限定でした。

 

 

・Dune(デューン)

2016年に発売されたデューンは、専用バンパー、ホイールアーチとプロテクションモール、18 インチアルミホイールと専用サスペンション(+15mm)などでクロスオーバーモデルに仕立て直した限定車。

 

鮮やかなサンドストームイエローメタリックのボディカラーに、専用のスポーツシートを装備して、500台限定で販売されました。

 

 

・ALLSTAR(オールスター)

人気主力モデルの4車種に同時に設定された限定車で、ザ・ビートルには専用のダークブロンズメタリックのボディカラーに、20 スポークアルミホイール、専用デザインファブリックシート、「ALLSTAR」ロゴ入りエンブレムとドアシルプレート、純正ナビゲーションシステムを標準装備。

 

ザ・ビートルは、280台の限定販売です。

 

 

・#PinkBeetle(ハッシュタグピンクビートル)

ザ・ビートル初のピンクのボディカラーを採用した限定車です。

 

鮮やかな発色が印象的なフレッシュフクシアメタリックに、専用リアスポイラー、17インチアルミホイールを特別装備としたほか、ベースモデルに比べて安全機能も強化されています。

 

2016年に限定300台で発売。

 

 

・Black Style(ブラックスタイル)

フロントグリル、リアディフューザー、サイドモールディング、ドアミラー、アルミホイールをブラックカラーにし、存在感のあるエクステリアに仕上げた限定モデルです。

 

2017年に登場し、300台限定となっています。

 

 

・SOUND(サウンド)

ザ・ビートルの販売が終了することにともない、ファンへの感謝を表す「See You The Beetle キャンペーン」の第1弾として2018年に設定された限定車です。

 

特別色のホワイトシルバーメタリックとトルネードレッドの2色展開で、フェンダーサウンドシステム、マルチファンクションステアリング、リアエンブレム内臓リアビューカメラなど特別装備が満載です。

 

限定300台となっています。

 

 

・Meister(マイスター)

シリーズ カタログモデルのDesign,R-Line、2,0 R-Lineの3車種にそれぞれ設定された特別仕様車。

 

おもにインテリアの質感を向上し、R-Lineにはレザーシートを、2,0 R-Lineには電動パノラミックスライディングルーフが標準装備されました。

 

 

・Exclusive(エクスクルーシブ)

「See You The Beetle キャンペーン」第3弾として登場したエクスクルーシブは、内外装の質感を大幅に向上させたモデルです。

 

18インチアルミホイールや、ダークティンテッドガラス、LED テールランプでスタイリッシュに仕上げられたエクステリアに、インテリアはダイヤモンドスティッチが施されたベージュ&ブラックのツートンカラーのナパレザースポーツシートを中心に、ボディカラーと同色のダッシュパッド、ブラックのステアリングホイールとドアトリムによって質感を向上。

 

さらにナビ、シートヒーター、2 ゾーンフルオートエアコン、アレルゲン除去機能付フレッシュエアフィルターに加え、パークディスタンスコントロール(フロント/リヤ)とリヤビューカメラを装備したいたれりつくせりの仕様でした。

 

ザ・ビートルの中古車は、販売が長かったことやさまざまな特別仕様車が多数投入されたことで、約90〜340万円と相場が幅広いことが特徴ですが、国産コンパクトカーと変わらない個体も多くあるので、比較的買いやすい輸入中古車となっています。

 

ただし、特別限定車に限っては、販売台数が100−500台と極端に少ないため、お気に入りのモデルを見つけたら迷っているヒマはありません。

 

 

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