クーペスタイルの都会派SUV BMW X2(F39)を解説
都会的なスタイリングと取り回しのよいサイズ感で人気を博しているのが、BMW X2(F39)です。
X1とX3に挟まれたニッチなモデルですが、この絶妙な大きさこそが人気の秘訣。
さらに最近のトレンドでもあるクーペ風SUVのスタイルも取り入れることで、新しいSUVとしての存在感を確立しています。
今回は、そんなX2の人気の理由をあらゆる角度から解説していきます。
■2018年4月にデビュー
新しいデザインコンセプトを掲げて2018年4月にデビューしたBMW X2。
BMWのXモデルらしいオフロード性能を持ちつつ、都会的なスタイリングを身にまとったSAC(スポーツアクティビティクーペ)です。
発売当初は1.5L 直3ターボ(18i)および2.0L 直4ターボ(20i)という2種類のラインアップでしたが、2019年1月には2.0L 直4ツインパワーターボエンジンを搭載したM35iというモデルを追加。
こちらは、専用設計が施されたMスポーツサスペンションやMスポーツディファレンシャル、Mスポーツブレーキなどを搭載するMパフォーマンスモデルとなっています。
同じく2019年1月には、2.0L 直4クリーンディーゼルエンジンを搭載した18dも合わせて登場。
さらに2020年6月には、高出力型の2.0L 直4クリーンディーゼルエンジンを搭載した20dというディーゼルモデルが追加されています。
2021年4月には、20dおよびM35iにおいて人気の高いオプション装備が標準装備となりました。
20dでは、ドライビングアシストプラスや、ACC/アクティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付)、電動フロントシート(運転席メモリー機能付)、ワイヤレスチャージングが標準装備。
M35iではワイヤレスチャージングのみ標準装備となっています。
■クーペとしての側面をフィーチャーしたエクステリア
ボディサイズは全長4,375mm×全幅1,825mm×全高1,535mmという大きさで、全高を1,550mm以下に抑えたことで高さ制限のある立体駐車場でも入庫できるなど、日常シーンでも扱いやすくなっています。
さらに、全長に対してホイールベースを2,670mmとしたことで室内空間がより広く取られており、コンパクトながらもゆったりとした居住性を備えています。
BMWのアイコンでもあるキドニーグリルは、下部の幅を広げた独創的なデザインで、大型化されたエアインテークと合わせて低重心かつワイドな印象を演出。
ルーフラインは、従来のクーペスタイルに固執することなくXモデルらしい力強さと無骨さを印象づけています。
さらに、BMWの特徴でもあるホフマイスターキンクをCピラーに組み込むことで、ボディ後方まで窓の下部がせり立つキャラクターラインが生まれ、従来のXモデルにはないシャープなスタイリングも魅力です。
フロントグリルはLEDデイタイムランニングライトを組み込んだ伝統的な丸形2灯式デザインを採用。
フォグライトと組み合わせることでひとめでXモデルとわかるデザインです。
また、中央寄りのライトを外側より小さくすることでダイナミックな外観となっています。
対するテールライトは、水平ラインを強調することで車両が路面に密着しているような印象を与えます。
さらにリアバンパーは特徴的な造形になっており、1枚板状のリアエプロンにテールゲートが収まるようにしたことで、全体的に調和の取れたデザインとなっています。
■洗練されたインテリア
ドライバーを中心に据えたドライバーオリエンテッドなインテリア(内装)はBMWならでは。
低重心のドライバーシートポジションが設定され、スポーティな印象を強調しているのが特徴です。
またモデル全体にフラットな造形が採用されたことで、見た目の圧迫感がなく、広々した室内空間を実現させています。
インパネ中央には10.25インチの高解像度カラーワイドディスプレイを採用。
ナビ画面は、視認性に優れた地図デザインと特徴的な建物を目印にした描写表示となっています。
ステアリングにはマルチファンクション機能が付き、さらにドライバーが目線を動かすことなく道路状況や地図画面などを確認できるヘッドアップディスプレイも用意されています。
シートは電動調節式サイドサポート付のスポーツシートが前席に用意され、後席は4:2:4の分割可倒式バックレストを採用。後席が3分割できるので中央の席を倒せば、後席に乗車しながらスキー板などの長尺物を積み込むことができるようになっています。
■エンジンのバリエーションは3種類
現在ラインアップされているX2のエンジンは3種類。
1.5L 直3ガソリンターボエンジンを搭載した18iのほか、2.0L 直4ディーゼルツインパワーターボエンジンを搭載した20dおよび20d エディションジョイ+、そして高性能版の2.0L 直4ガソリンツインパワーターボエンジンを搭載したM35iというラインアップになっています。
なお20dに用意されているエディションジョイ+とは、BMWのクリーンディーゼル車、プラグインハイブリッド車、電気自動車のみに用意された特別なグレードで、通常モデルよりもプライスタグが抑えられているのが特徴です。
通常の20d Mスポーツが564万円となっているのに対し、20d Mスポーツ X エディションジョイ+は539万円となっています。
トランスミッションは18iのみ7速DCTが設定され、それ以外のモデルはシフトパドル付の8速スポーツAT(ステップトロニック)が組み合わされています。
駆動方式は18iのみFFで、それ以外はすべてフルタイム4WDを採用。
xDriveと名付けられたフルタイム4輪駆動システムは、前後アクセルへの駆動力を的確に可変配分し、いかなる路面でも最大限のトラクションとドライビングダイナミクスを実現するインテリジェント4WDとなっています。
電子制御による駆動配分によってコーナリング時のアンダー&オーバーステアを的確に打ち消し、優れたハンドリング性能をもたらします。
サスペンションは、シーンに合わせて俊敏なハンドリングを可能とするアダプティブサスペンションを採用。
ドライビングパフォーマンスコントロールのスイッチ操作で、COMFORT(コンフォート)やSPORT(スポーツ)モードなどを自在にセレクトすることが可能です。
■安心と安全をもたらすドライビングアシスト機能
X2には数多くの運転支援システムが搭載されており、車線からクルマが逸脱しそうになるとステアリングホイールを振動させてドライバーに警告を促すレーンディパーチャーウォーニングをはじめ、前車に追突する危険をドライバーに警告で知らせる前車接近警告機能、追突が不可避な場合にシステムが自動でブレーキを掛けて被害軽減を図る衝突回避・被害軽減ブレーキ、任意の速度をベースに前方車両との車間距離を維持しながら自動で加減速を行ないつつ低速時には車両停止までの制御を担うACCなども設定されています。
ACCは発売当初はオプション設定となっていましたが、2020年4月からは20dで標準装備となっています。
さらにもしものときに備える万全の安全機能も備えており、深刻な事故が発生した際に自動でSOSコールを発信する機能や、車両に異常が発生した際に自動で正規ディーラーへ通知するBMWテレサービスなども搭載されています。
このほか、アダプティブLEDヘッドライトやダイナミックスタビリティコントロール、ヒルディセントコントロール、パーキングアシストといった機能も搭載しています。
SUVの機能に加え、洗練されたデザインをプラスしたBMWのブランニューモデルであるX2。
いわゆる正統派のSUVとはひと味違った個性があり、ファッション感度の高い若い方たちにも人気があるのもうなずけます。
ちょうどよいサイズのオシャレなSUVをお探しの方には、まさにうってつけの1台です。