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【最先端技術を搭載】メルセデス・ベンツ5代目Eクラス(W213)セダンを解説

 

W124に端を発するメルセデス・ベンツEクラスは、1984年のデビュー当時はボディサイズを表すミディアムクラスの名で呼ばれており、1993年にEクラスへと変更されました。

 

つねに時代の先端技術を搭載する高級車でありながら、本国ではタクシーにも採用されるなど、実用性も兼ね備えるEクラスは、メルセデス・ベンツの主軸であり、販売の中核を担っています。

 

そんなEクラスの現行モデル、5代目(W213)を徹底解説します。

 

※画像は5代目の前期型です。本文では2020年マイナーチェンジ後の後期型について解説しております。

 

 

■5代目Eクラス(W213)の歴史|他社をリードした先進・安全運転技術


 

 

メルセデス・ベンツの 5代目Eクラス(W213)は、2016年に「未来型Eクラス」として、先進・安全運転支援技術が格段に進歩したモデルとしてデビューしました。

 

2020年にマイナーチェンジを受け大幅刷新。

 

それまでのモデルを前期型、以降を後期型として区別されます。

 

デザインは、メルセデス・ベンツの最新デザイン思想であるセンシュアル・ピュリティ(官能的純粋)を採用。

 

後期型では、フェイスリフトによりシャープでスポーティな印象を強めています。

 

先進・安全運転支援技術は、前期型では車線変更アシスト機能などを含むドライブパイロットを装備。

 

後期型になると、ライバルの一歩先を行く自動音声認識システムMBUXをはじめとする先端技術が投入されました。

 

パワートレインも進化が著しく、5代目誕生当初は、ガソリンモデルとディーゼルモデルのみだったラインアップは、その後プラグインハイブリッドを追加。

 

ガソリンのみならず、国内では唯一となるクリーンディーゼルとプラグインハイブリッドシステムの組み合わせも実現させています。

 

さらに、BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)+48V電気システムや、エンジンとトランスミッションの間に配置された電気モーターでオルタネーターとスターターの機能も兼ねているISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)+ 48V電気システムのマイルドハイブリッドモデルも用意されるなど、実用性の面でも大きく飛躍を果たしました。

 

 

■5代目Eクラス(W213)のエクステリア|シャープでダイナミックに一新


 

 

2020年、後期型へとマイナーチェンジした5代目Eクラス(W213)は、セダンでありながらクーペを思わせるフォルムで、前期型に比べシャープでダイナミックな新デザインへと進化しました。

 

ヘッドランプは上下に薄くなるとともに両サイドに向かって切れ上がったデザインとなり、グリルは台形型のダイヤモンドグリルを採用、バンパー下部の両サイドには2本のフィンが配されるなど、大きく変わっています。

 

 

長めにとられたボンネットから緩やかに傾斜するルーフライン、そしてテールエンドへと続く無駄のないサイドのスタイルは変わらず。

 

 

リアは、横長の2分割型リアコンビネーションランプを新デザインとして採用し、ダイナミックさが強調されました。

 

もっともベーシックなE200スポーツのボディサイズは、全長4,940mm×全幅1,850mm×全高1,455mm、ホイールベースは2,940mmというもので、前期型のアバンギャルドスポーツにくらべて全長が10mm短縮されました。

 

モデルバリエーションは、ガソリンのE200、E300、E350e、E450にディーゼルエンジンのE220dとE350de、それにAMG E53を加えた7タイプを用意。

 

そのうちE350eとE350deがプラグインハイブリッド、E200がBSG搭載、E450とE53がISG搭載のマイルドハイブリッドで、E200とE450では4マチック(E450は4マチックのみ)を選ぶこともできるなど、主力モデルらしく幅広いラインアップになっています。

 

グレードは、E450 4マチック エクスクルーシブを除くすべてのモデルが“スポーツ”です。

 

 

■5代目Eクラス(W213)のインテリア|中核にふさわしい上質空間


 

 

5代目Eクラス(W213)のインテリア(内装)は、メルセデス・ベンツの中核であり主軸ポジションにふさわしい上質空間となっていて、フラッグシップモデルのSクラスに劣らないクオリティの高さが特長です。

 

コックピットは、12.3インチの大型ワイドスクリーン2画面が横一列に配置され、ナビ、速度計、タコメーター、車両状況などが、少ない視線移動で把握することができます。

 

タッチコントロール機能が装備されたステアリングは、ナビやメーターパネルの設定、安全運転支援システムの設定などをステアリングから手を離すことなく可能です。

 

後期型では、新開発の3本のツインスポーク・ステアリングホイールが採用され、タッチコントロールをトルク感応式から静電容量式センサーに変更。

 

各種設定もほとんどのことができるようになりました。

 

同時にナビゲーションシステムは、日本販売の乗用車として初となるAR(拡張現実)システムを採用し、目的地への経路を従来の地図画像だけでなく、実際の前面景色を画面の一部に映し出し、直観的に判断できるようにしています。

 

 

シートは、E200シリーズとE220d スポーツが人工皮革ARTICO(アルティコ)+ファブリック、E300とE350シリーズが人工皮革アルティコ+スエード調DINAMICA(ディナミカ)、E450 4マチック エクスクルーシブとAMGモデルで高級皮革ナッパレザーが使用されます。

 

 

■5代目Eクラス(W213)のパワートレイン|バラエティ豊かな選択肢を用意


 

 

5代目Eクラス(W213)のパワートレインは、E200の1.5L 直列4気筒ターボ(M264型)+BSGをボトムに、E300の2.0L 直列4気筒ターボ(M264M20型)、E220d の2.0L 直列4気筒ディーゼルターボ(OM654型)、E350e の2.0L 直列4気筒ターボ(M274型)+電気モーター、E350de の2.0L 直列4気筒ディーゼルターボ(OM654型)+電気モーター、E450の3.0L 直列6気筒ターボ(M256型)+ISG、AMG E53が3.0L 直列6気筒ターボ(M256型)+ISGと電動スーパーチャージャーという構成。

 

トランスミッションは、前車9速ATが組み合わせられます。

 

それぞれのスペックは、加速時や始動時に最大トルク160Nm(16.3kgm)のエンジンアシストを行うBSGを搭載したE200が最高出力135kW(184PS)/5,800~6,100rpm、最大トルク280Nm(28.6kgm)/3,000〜4,000rpm。

 

E300 は、最高出力190kW(258PS)/5,800~6,100rpm、最大トルク370Nm(37.7kgm)/1,800〜4,000rpm。

 

E220dは、最高出力143kW(194PS)/3,800rpm、最大トルク400Nm(40.8kgm)/1,600〜2,800rpm。

 

E350eは、システム総合最高出力235kW(320PS)と、最大トルク350Nm(35.7kgm)/1,600〜4,000rpm。

 

E350deは、システム総合最高出力は225kW(306PS)と、最大トルク400Nm(40.6kgm)/1,600〜2,800rpm。

 

ISGのE450は、最高出力270kW(367PS)/5,500~6,100rpm、最大トルク500Nm(51.0kgm)/1,600〜4,500rpmに加え、最高出力16kW(22PS)のモーターが発進や加速のアシストを行います。

 

ISGと電動スーパーチャージャーを備えたE53は、最高出力320kW(435PS)/6,100rpm、最大トルク520Nm(53.0kgm)/1,800〜5,800rpmに加え、E450と同じISGがアシストを行います。

 

 

■5代目Eクラス(W213)の先進・安全性能|他メーカーも追随するAI技術


 

 

5代目Eクラス(W213)の安全運転支援システムは、レーダーセーフティパッケージが全車に標準装備されます。

 

機能の内容は、右折時の対向車衝突被害を自動ブレーキで軽減するアクティブブレーキアシスト、障害物を検知し誤発進を抑制するドライブアウェイアシスト、ステアリングに手を添えるだけで前方車との距離を保ち減速・加速・車線キープを行うアクティブディスタンスアシスト・ディストロニック、ウィンカー操作のみで移動したい車線へ車線変更をアシストするアクティブレーンチェンジングアシスト、車道横断中の歩行者との衝突を回避するとともに、走行車線に戻れるようステアリングをアシストする緊急回避補助システムなど、非常に高機能です。

 

また、後期型で採用された高度なAIによる学習機能をもつMBUXは、「ハイ、メルセデス」で起動する対話型インフォテインメントシステムで、音楽選択やナビ目的地入力、メッセージ入力に加え、エアコン操作や照明操作なども音声認識により手を触れることなく行うことが可能です。

 

 

■5代目Eクラス(W213)は、昔も今も時代の先端を行く!


 

メルセデス・ベンツ Eクラスは、誕生から現在にいたるまで、どのモデルでも時代の先端技術を搭載し話題をさらい、他メーカーの一歩先を行く存在です。

 

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