【ハイブリッド専売のコンパクトハッチ】レクサス 初代CTを解説
プレミアムコンパクトカーの新たな形としてハイブリッド専用モデルとして誕生したのがCTです。
レクサスの新たな時代を切り開く一台として登場したCTは登場から10年の節目を迎えます。
今回は長きにわたり国内外で愛されるCT200hを徹底解説していきます。
■CT200hの進化を続ける10年間
初代CTの登場は2011年1月のことです。
レクサス初のコンパクトハッチバックで躍動感あふれる俊敏な走りと先進の環境性能を武器に人気を集めました。
特にダイナミックでスポーティなスタイルを持ち、乗って走って楽しいクルマとして注目されたクルマです。
発売当時の車両本体価格はベースグレードで355万円とレクサスのモデルの中で最も安価であり、最上級グレードでも430万円となっていることからレクサスへのエントリーモデルとしての側面も併せ持ちます。
低めのヒップポイントで扱いやすい角度のステアリングホイールやペダルを配置するなどスポーティなドライビングポジションを実現し、車両の回転中心に運転席を配置することでクルマと一体になった乗り味を体感することができます。
2014年1月に初めてのマイナーチェンジを行い、フロントデザインが現在のレクサスのデザインアイコンであるスピンドルグリルに代わりました。
ボディサイズの拡大も図られます。
またマイナーチェンジの開発にはレクサス初の女性チーフエンジニアである加古慈さんが携わっています。
そのためドアハンドル内側は従来のレクサス車より深く掘り込まれ、ネイルをしている女性がドアハンドルを握り込んでもボディに爪が引っかからないようにする工夫などが施されているなど、女性オーナーを強く想定して作られたレクサスでもあります。
その後3度の仕様変更・一部改良が行われ、2017年6月に2度目のマイナーチェンジが行われました。
スピンドルグリルがメッシュ形状に変化しアローヘッド形状のクリアランスランプを搭載するなど、デザインの変更を行います。
また、Lexus Safety System +(レクサスセーフティシステム+)を全車標準装備とするなど時代に合わせた改良が施されました。
現行型は2020年8月に登場します。
一部改良で安全装備(パーキングサポートブレーキ)を標準装備し安全性能にさらに磨きがかけられています。
■小さなボディだが迫力のあるデザイン 空力にも寄与するパーツも多いエクステリア
ボディサイズは全長4,355mm×全幅1,765mm×全高1,460mm(標準グレードのみ1,450mm)で、ホイールベースは2,600mmです。
最低地上高は140mm(標準グレードは130mm)となります。
最小回転半径は5.2m(標準グレードは5.0m)です。
大きく開いたスピンドルグリルとヘッドランプユニット内のアローヘッド形状のクリアランスランプは、一目でCTとわかるデザインです。
レンズ表面には細かいL字パターンを配置し、レクサスのアイデンティティを細部まで行きわたらせています。
リアコンビネーションランプもL字に光り、随所にレクサスらしさを感じられるデザインです。
走りとともに燃費のパフォーマンスも高めているためクルマ全体で空力性能を追求しています。
ロングルーフデザインをはじめ、アンダーカバーの整流フィンやドアミラー・リアコンビネーションランプに装着されたエアロスタビライジングフィンなど整流効果を高めるパーツが装着されています。
コーナリング安定性や直進安定性を確保し、燃費性能にも貢献する装備です。
■圧倒的な静粛性と小気味いい操作感を感じられるインテリア
室内空間を演出するのは、遊び心のあるツートンカラー。
シートやドアトリムまで一貫したコーディネーションに仕上げられた室内は様々な素材とカラーバリエーションを備えます。
コーディネートは多種多様で落ち着いた雰囲気からスポーティなものまでCTのキャラクターを大きく変えてくれるものばかりです。
ステアリングホイールには、マニュアル感覚でクルマを操作できるパドルシフトが装備され、小ぶりなステアリングと低い着座位置が相まって、スポーツカーを運転しているような気分を味わえます。
細かいピッチのスポット溶接や構造用接着剤を採用するなど剛性を高め振動を少なくした車内は、静かで揺れが少なく上級セダンのような乗り味です。
■ハイブリッド専用車だからこそこだわる静粛性と燃費性能
エンジンは2.0L 直列4気筒の2ZR-FXE型を採用します。
組み合わされるトランスミッションは電気式無段変速機となり、もちろんハイブリッドエンジンです。
使用燃料はレギュラーガソリンとなります。
エンジンの最高出力は73kW(99PS)/5,200rpm、最大トルクは142Nm(14.5kgm)/4,000rpmです。
ニッケル水素電池を使用し、フロントに装備されるモーターは、最高出力60kW(82PS)、最大トルク207Nm(21.1kgm)を発生します。
駆動方式は、全車全グレードでFF(前輪駆動)となります。
ハイブリッドシステムが生み出す圧倒的な燃費性能はWLTCモード21.3km/L(標準グレード23.9km/L)とクラストップレベルの性能です。
バージョンL、Fスポーツ、バージョンCに標準装備されるパフォーマンスダンパーは、クルマと人の一体感をより高め、走行中に生じるボディのしなりや微振動を吸収、ハンドリング特性を一層シャープにしながら、乗り心地と静粛性を高めるものです。
フロントとリアに装備され、CTの走りの質感を総合的に高めています。
■先進の装備を充実させた安全性能
予防安全パッケージのLexus Safety System+(レクサスセーフティシステム+)を標準装備し、安全装備にも抜かりはありません。
プリクラッシュセーフティシステム、パーキングサポートブレーキ、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビーム、レーダークルーズコントロールなど、充実の標準装備です。
レクサスが高級コンパクトカーを形にし、登場から10年以上、変わらずに愛され続けてきたCT200h。
レクサスの質感や高級感だけでなく、スポーツマインドも感じられる一台です。
国産コンパクトカーの中でも特別な位置にいるCT200hを選んでみてはいかがでしょうか。