【レクサス初のハイブリッド専用モデル】初代HS解説
HSはかつて販売されていた、レクサス初のハイブリッド専用モデルです。
車名のHSとは、Harmonious Sedan(ハーモニアス・セダン)の略。
地球、人、上質との調和を備えたモデルとして開発されました。
2009年7月に発売されましたが、2013年にマイナーチェンジが実施されて内外装や装備がモダンに進化。
ボディ剛性を強化するなど大きく手を加え、全面的な改良が加えられました。
そこで今回は、レクサスHSの後期型を中心に、その魅力を解説していきます。
※画像は2012年式です。
■レクサス初のハイブリッド専用モデル、HSとはどんなクルマ?
HSはレクサスブランド初のハイブリッド専用モデルで、エンジンはプリウスよりもパワフルでゆとりのある2.4Lを採用しています。
優れた燃費性能と高い動力性能を提供するとともに、植物を原料とした環境負荷低減素材であるエコプラスチックを内装部品などに積極的に採用することで、新しいプレミアムセダンとしての価値を提供するモデルです。
ボディサイズは全長4,700mm×全幅1,785mm×全高1,505mm、ホイールベースは2,700mm、最低地上高は155mmとなります。
プリウスとカムリの中間ぐらいのサイズ、と言えばイメージしやすいでしょうか。
2011年には一部改良が実施され、サスペンションの仕様変更と新規ボディカラーの追加、そして本革シートを採用した専用内装デザインの特別仕様車ハーモニアス・レザー・インテリアが設定されています。
2013年1月にはマイナーチェンジが実施されました。
内外装のデザイン変更、スポット溶接打点追加によるボディ剛性の強化、ハイブリッドシステムの制御見直しによる燃費性能の向上、各種快適装備の追加などで大きく魅力を向上させています。
2014年の一部改良では、家庭用と同じアクセサリーコンセント(AC100V/1,500W)をオプション設定し、災害時などに役立つ非常用電源として利用可能となりました。
その後ボディカラーの入れ替えや特別仕様車の設定を経て、2018年に販売終了となりました。
■空有力性能を意識した機能的なフォルムにレクサスらしいスポーティさをバランスさせたデザイン
HSは、レクサスの特徴でもあるロングキャビンプロポーションを採用しつつ、空力性能と居住性を両立させたデザインを基本としています。
すっきりとしたスポーティな顔立ちとレクサスらしい質感の高さが魅力的です。
2013年1月に実施されたマイナーチェンジでは、レクサスのアイデンティティであるスピンドルグリルが採用され、迫力のある顔つきになりました。
またL字型デザインを取り入れたLEDフォグランプも、レクサスらしい特徴がはっきりと感じられるディテールです。
また後期型は車高を10mm下げることで、低重心で踏ん張りのあるスタイリングを実現しています。
ボディカラーは以下の全10色が展開されています。
・ブラック
・グラファイトブラックガラスフレーク
・ソニッククォーツ
・アンバークリスタルシャイン
・マーキュリーグレーマイカ
・プラチナムシルバーメタリック
・ソニックチタニウム
・レッドマイカクリスタルシャイン
・ディープブルーマイカ
・ムーンライトオパールクリスタルシャイン
こちらは2016年の一部改良で新たに設定されたカラーを含めた、最終型のラインアップとなっています。
■人を中心に考えたコックピットと快適で上質なインテリア
HSのインテリア(内装)は、「人を中心に考えたコックピット」というテーマでデザインされています。
運転中の視認性と操作性を両立させながら、洗練された美しさを追求しているとのことです。
ナビ画面は中央上部に配置するとともに、様々な情報を最小限の視線移動で視認できるヘッドアップディスプレイを採用しています。
また指先の感触でナビ画面上のポインターを操作できるリモートタッチを、フローティング造形の独特の形状をしたセンタークラスター上に配置。
ステアリングスイッチとともに、運転姿勢の変化を最小限に留める設計となっています。
後期型は、内装色にエクリュ、ブラック&ガーネットなどを新たに採用。
オーナメントパネルには、天然素材バンブーや、職人の手によって創り出された縞杢(しまもく)を設定するなど、自然や人との調和を演出したデザインに変更されています。
快適装備としては、紫外線を99%カット、そして赤外線を効率よく遮断する撥水機能付きスーパーUV・IRカットガラスをフロントドアに採用。
直射日光による肌への刺激をやわらげ、エアコン負荷を軽減します。
また、従来型に比べてイオン発生数が約20倍のプラズマクラスターも採用しています。
■燃費の良い2.4Lハイブリッドシステムを搭載
HSに搭載されるパワートレインは、2.4L 直4DOHCガソリンエンジン+モーターのハイブリッドです。
エンジンの最高出力は110kW(150PS)/6,000rpm、最大トルクは187Nm(19.1kgm)/4,400rpm、モーターの最高出力は105kW(143PS)、最大トルクは270Nm(27.5kgm)、駆動方式はFF(前輪駆動)となります。
JC08モードはマイナーチェンジ時にハイブリッドシステムの制御見直しや充電効率の改良などにより改善し、従来の19.8km/Lから20.6km/Lに燃費性能が向上しています。
■ミリ波レーダー方式による安全運転支援機能を搭載
HSに搭載される先進安全運転支援機能ですが、ドライバーの目の開閉状態や顔の向きを検知し、衝突の可能性があると判断した場合にブザーやブレーキでドライバーに注意を促す「ドライバーモニター付プリクラッシュセーフティシステム(ミリ波レーダー方式)」や、高速道などでの車線逸脱時に注意喚起しステアリング操作を支援する「レーンキーピングアシスト」、自動で車間距離を保ちながら追従走行する「レーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付)」が設定されています。
カメラ方式ではないため最新モデルと比較すると機能は少なく感じますが、当時としては先進的な安全機能が備わっていたと言えるでしょう。
レクサスのハイブリッド専用ミドルクラスセダン、HSを紹介しました。
街乗りでも使いやすく、ロングドライブでも快適なセダンをお探しの方におすすめです。
気になる方はぜひ探してみてください。